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【LAWドキュメント72時間】あなたは「微分派」?それとも「積分派」?

[テキスト]


楠木建氏は、「幸福について-その4 『微分派』と『積分派』。」の記事の中で、幸せの感じ方の違いを、

「微分派」

「積分派」

に分けて説明していて、

「「微分派」というのは、例えば何かを達成したとか、乗り切ったとか、自分の評価が上がったとか、比較的近いところでの二地点間の変化を見て、その大きさに幸せを感じるタイプです。

「積分派」というのは、その変化率よりも、過去から全部累積したときの面積の大きさに幸せを感じるタイプです。

もちろんこれは善し悪しではなくて、人間のタイプの違いだけなのですが、幸福を積分した値の大きさで求めていく人と、微分した値の大きさで求める人に分かれると考えています。」

遠い過去の記憶では、微分と積分は、相互補完の関係じゃなかったか、等々。

数学を使って、綺麗に語って、物事を俯瞰してみるのは、勉強になりますね(^^)


現代において騙されずに生きるために不可欠な論理的推論を学ぶという意味で、佐藤俊哉氏の

「宇宙怪人しまりす 医療統計を学ぶ」(岩波科学ライブラリー)佐藤俊哉(著)

の前段階で、

「増補新版 生き抜くための数学入門」(よりみちパン! セ)新井紀子(著)

は、万人にとっての必読書感があるかも(^^)

逆に、数学そのものの面白さに目覚めてしまったら、本書の次には、結城浩の

「数学ガール」結城浩(著)

がお勧めです。


ニュートンが17世紀に著した「プリンキピア」における諸問題の解き方は、あくまでニュートンのやり方を踏襲している。

そして、これが、実に難しい。

なぜ難しいかといえば、皮肉にも、それらが初等的、すなわちニュートン以前に、すでに確立されていた概念と、語彙を駆使してなされていたからだ。

方程式を知らぬものにとって、鶴亀算が難しいのと同じだといえばわかりやすいだろうか。

現代人であれば、代数と微積分を行使して解くであろう問題も、ニュートンは、あくまで幾何的に解こうとする。

ニュートン自身が、微積分の発見者の一人であるにも関わらず、プリンキピアには 「dx/dt」というライプニッツ流の記号はおろか、「x'」("x prime"と読む。)というニュートン流の記号もすら出てこない。

あくまで

「差分を限りなく小さくすると」

という、現代であれば

「lim」

を使うような表現が、数式ではなく、言葉で出てくるのみである。

それでも、ときおり出てくる数式で使われている四則演算と平方根の記号が現代と同じでほっとするのではあるが、あまりに有名な「SECTIO III, PROPOSICIO XI. PROBLEMA VI.」、楕円軌道からの逆二乗則の導出も、この例外ではない。

「原著 P. 118、英訳版 P. 207」に登場するこの図の証明、実にエレガントなのだが、しかし、分かりやすさとなると、遠山啓氏の

「数学入門 下」(岩波新書)遠山啓(著)

に登場する、楕円を極座標表現してから微分方程式を立て、それを淡々と解いていくやり方には、遠く及ばない。

もちろん微分は、ニュートン流でなくライブニッツ流の表現。

原著、英訳と並べてみると、後者に行くに従って、数式が増えているのがわかるだろう。

そして、わかりやすさもこの順である。

「数式って難しい」

という人は、ぜひ「数学入門」と本書を読み比べて欲しい。

いかに数式が、ものごとを簡単にしてくれるのかが、いやでもわかるから。

それと同時に気がつくのは、ニュートンが、表現者としては、いかに保守的だったか。

数式の控えめな使い方もしかり(数式ではなく言葉(もちろんラテン語!)優先)。

二十代の発見を、発表するまで二十年もかかっていることしかり。

そしてなにより、

「Philosophiae naturalis principia mathematica」

というその題名。

「Philosophiae naturalis」

ではあっても、

「scientia」

ではない。

科学という言葉はまだなく、そして、ニュートンは、新語を作る(coin)することを、よしとしなかった。

後の造幣局(coinを作るところ)長官のくせに。

ニュートン自身は、

「Natural Philosopher」

と呼ばれれば返事をするだろうけど、

「Scientist」

と呼ばれても

「ハァ?」

だったのではないか。

それもあって、ニュートンは、

「最初の科学者」

というよりも、

「最後の錬金術師」

と近年では呼ばれることが多い。

しかし、そこにはユリウス・カエザルを、

「最初の皇帝」

ではなく

「最後の共和制指導者」

と呼ぶのと同じ違和感がある。

「それ」

を表す言葉はなくとも、

「それ」

には違いないのだ。

「ゼロ番目の近代科学者」と呼ぶのが一番しっくり来る。


そんなこんなで、もっと簡単な微分・積分の本を読み、長い眠りについている

「数学脳」

を、目覚めさせたいとの思いから、(ちょっと)気合を入れ直してみた!


永野裕之「ふたたびの微分・積分」

ポイント①:
微分は、関数の最大値や最小値を求めたり、近似値を求める時に力を発揮する。

ポイント②:
微分と積分は、互いに逆演算の関係にある。

ポイント③:
微分は、「微かなものに分ける」、積分は、「分けたものを積み上げる」である。

ポイント④:
物理学はもちろん、経済学、社会学、生態学でも、何らかの要因によって、変わりゆく現象を解き明かそうとする立場にある人は、必ず、微分方程式と向き合うことになる。


冨島佑允「見るだけで分かる微分・積分」

ポイント①:
微分・積分は未来を予測するための数学。

微分で小さな変化を捉え、その変化を積分で積み重ねて、未来を予測する。

ポイント②:
道路のカーブの微分・積分。

ドライバーが一定のペースでハンドルを切りながら走行する場合、その瞬間瞬間の進む方向を計算(微分)。

その結果として車がどういう軌跡を描くかを計算して(積分)、道路の形状を決めることで事故が減る。

ポイント③:
天気予報の微分・積分。

大気を格子状に細かく切り分け(微分)、それぞれの気圧や気温、湿度を計算。

その結果を足し合わせて(積分)、天気を予測している。

ポイント④:
惑星探査の微分・積分。

ツィオルコフスキーの公式に基づいてロケットの推進方向や速度を制御し(微分)、それをどのように変えていけば目的地に辿り着くかを算出(積分)。


小林俊行「地力をつける微分と積分」

加藤文元「数研講座シリーズ 大学教養 微分積分」

加藤文元「チャート式シリーズ 大学教養 微分積分」



直ぐには、分からない(判らない/解らない))難しい課題に出会ったときには、以下の様なアプローチも有効だと考えられる。

①考えやすい単位に細かく分けて分析したうえで(微分的な思考法)

②それらの分析を集約して、全体を考える(積分的な思考法)


何かに触れた時に注意したい点。

それは、

・自分が過去に触れたことがあるけど忘れてしまったり

・理解できずに断念したものを誰かが軽やかに扱うのを見たり

それに感心して、そのまま受け入れてしまいがちにならないように、だね(^^;


何事も、鵜呑みにせずに、

「本当にそうなのか?」

と疑って、自分なりに、考えることの大切さ、をあらためて実感した2024年でした(^^)


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