見出し画像

【LAWドキュメント72時間】生の裏側には死がぴったりと張りついている

生きることは、知ることだと。


指す場所も解らないまま、必死に、毎日を過ごしていた。

余裕なんて、なかった。

全部がチャレンジなんだ、と思うようになれた頃。

やっと、しっかり、いろんなことに向き合うことができた。


行きづまることもあるけど、そんな時こそ、楽しむ。

嫌な事は、夜眠ったら、リセットかな。

だから、今、楽しくいられる。


生の一回性の果てには、一回の死がある。

その冷厳な事実を、ふと思うとき。

私たちは、歩みを停めて、その場に立ち止まる。


そうわかっているからこそ。

日常の何気ない出来事が、輝くのだろう。


自転車で走っているときに感じた風。

どこかで聴いたみじかい曲。

暮らしのなかにさりげなく。

しかし、唐突にあらわれる一瞬。


何もかもが、自分とはちがう。

それでいて、こちらのからだや、心に、やわらかく風が吹きこんでくるような。

その風の手ざわりにはげまされることって、ありませんか?


〈収録短歌から〉

どこへでもゆける身体を持っている ひとつだけ 風のぬくいはきだめ

朝ドラの明るい曲を口ずさむ 登場人物の少ない暮らし

目に見えるすべてを信じてからめとる従順なクイックルワイパーは

ずっと一緒にいると決めてもいいのだろうか大型トラックのんびり走る

オレンジのブラインドがみな降ろされて炎のなかのコメダ珈琲

きみが生まれて生きることだけ考えて 最後はおだやかに終わる曲

いい人と結婚したねと言われてもへんな真顔をつらぬき通す

骨だけがこの世に残るおかしさの掃き出し窓をあふれくる風

引き出物の写真立てにはシンプルな英字の「home」入れてたまるかhomeな写真

天国へゆくことだけをこの世のめあてのように鳩の首のきらめきは

うれしくっても駆け出さない みな命ある限り生きればうつくしい皿
(堀静香『みじかい曲』より)

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集