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【LAWドキュメント72時間】ボードリヤール「消費社会の神話と構造」

なぜ、経済学を学ぶ必要があるのか?

私たちの生活は、否応なしに、その時々の経済状況に影響される。

日本経済全体の状況と無関係でいることはできない。

こうした中で、私たち一人ひとりにできることは何であろうか?

「ゼロからわかる経済の基本」(講談社現代新書)野口旭(著)

「食べものから学ぶ世界史 人も自然も壊さない経済とは?」(岩波ジュニア新書)平賀緑(著)

一つは、それぞれの立場から、現在そして将来の経済状況を考えて、自分の経済生活をどのように築いていくかを考えることである。

たとえば、就職活動の時期に、どんな仕事、どんな業種、どんな会社を選べばいいか悩むのは、自分にとってより望ましい仕事をしたい、より豊かな生活をしたい、充実した人生を送りたいという願いがあるからであろう。

その願いを実現するためには、もちろん自分の努力や能力も大切であるが、生活や仕事を行う場としての環境を知ることが大切である。

つまり、日本経済がこれからどんな方向に進んでいくかについて、ある程度の見通しを持つ必要があるということである。

そのためには、経済を知ることが必要である。

もう一つは、経済政策について知ることである。

経済は、政府が何を行おうが人々の生活がある限り動いていくものであるが、現代の経済は、政府が非常に大きな役割を果たしている。

政府は、財政支出や金融の緩和などを通じた景気対策、公共サービスの提供など、さまざまな経済政策を実行していある。

教育、医療、社会保障、年金なども政府が大きく関与している。

私たちの経済生活は、政府による経済政策によって大きく影響を受けている。

だからこそ、私たちは、有権者として、どのような経済政策が望ましいのかを常に考えなければならない。

日本経済の低迷を抜け出すための経済政策を打ち出している政党はどこか、そのような政策を主張している政治家は誰なのか、こうしたことを常に意識していく必要がある。

そのうえで、有権者としての判断を示す必要がある。

このような手続き中で、経済政策が実行され、それによって私たちの経済生活が望ましい方向に改善されていくこと、これが民主主義の基本だからである。

そのためにも、有権者としての私たちは、経済とは何か、そのメカニズムとは何かについてある程度の知識を持っていなければならない。

有権者が誤った知識を持てば、誤った政策が指示・実行され、その結果として悲惨な事態がもたらされるからである。
だからこそ、経済を知ることが必要なのである。

21世紀に生きていく私たちにとって、経済と経済政策を知ること、そのための基礎として経済学を学ぶことは、きわめて重要な意味があるのである。

ここで、

経済政策の本質=無限の欲望と希少な資源の相克問題:無限性vs.希少性

における

「希少性」

についてフォーカスしてみる。

「消費社会の神話と構造」ジャン・ボードリヤール(著)今村仁司/塚原史(訳)

「われわれの生産至上主義的産業社会は希少性に支配されており、市場経済の特徴である希少性という憑依観念につきまとわれている。

われわれは生産すればするほど、豊富なモノの真っただ中でさえ、豊かさと呼ばれるであろう最終段階から確実に遠ざかってゆく。

というのは、成長社会において、生産性の増大とともにますます満たされる欲求は生産の領域に属する欲求であって、人間の欲求ではないからである。

そして、システム全体が人間的欲求を無視することの上に成り立っているのだから、豊かさが限りなく後退しつつあることは明白である。

それどころではない。

現代社会の豊かさは、希少性の組織的支配(構造的貧困)が優先するために、徹底的に否定される。」

分かり易く纏めてみると、

「物質的豊かさが達成されても、人々は常に他者との差異を求め続ける。

この欲求が、新たな希少性を生み出す要因になる。

無限の成長を目指す経済秩序の中では、自立的な欲求は存在しない。

システムが過剰な欲求を生産し続ける。

競争心をかき立てる欲求と生産の間に恒常的な緊張が存在し、目指していたはずの「豊かさ」からはどんどん遠ざかる。」

となり、これからは、

「人口減少」

「国内経済の規模縮小」

に伴い、ハーバード大学グロースラボの

「経済複雑性ランキング」を見ると、日本は過去30年にわたって世界第1位であり、

「経済複雑性の高い」

国は、高度で専門的な組織能力を幅広く保有し、それによって、非常に複雑かつ希少で、他の追随を許さない製品を生産することができる。

【参考図書】
「シン・日本の経営 悲観バイアスを排す」(日経プレミアシリーズ)ウリケ・シェーデ(著)渡部典子(訳)

これは、ボードリヤールの言う

「希少性」

を求めるのと同じことであり、経済文化の多様性が失われれば、社会の豊かさは失われると考えられることから、日本が前進するためには、先頭ランナーをよく知り、学ぶことが役立つだろう。

【参考資料】

【参考記事】

【参考書評】
ボードリヤール「消費社会の神話と構造」


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