「サラリーマンの成功者」と「人生の成功者」は違うことを知らないと定年間際で後悔します。
これから定年を迎える人が毎年354万人も出てきます。
大半のサラリーマンは再雇用で会社に残れるようになってきましたが、その日を境に身の回りの激変ぶりに翻弄されることになります。
それは組織人として初めて味わう疎外感です。
1.身の回りの環境が激変
私も現役時代はマネジメントする立場にありました。その時、いつも自分に戒めていたことがありました。
それは地位を与えるのも会社、取り上げるのも会社だということです。そう思うようになったのは、ひとつの理由があるからです。
先輩方を見ていて、エグゼクティブとして辣腕を振るっていた方でも、その自覚がないままに再雇用者になると、厳しい現実に戸惑われていた方を沢山見てきました。
今まで出席していた会議に呼ばれなくなり、びっしりだったカレンダーは隙間だらけになっていく。
メールは毎日100通以上だったのに、半年もすると目を通す必要のないCCメールやジャンクメールばかりになっていく。
結局、一日中何もすることがなく、ただPCと睨めっこしながら過ごすようなるのです。
会社では、人並みに出世して“人生の成功者”になったつもりでいたのに、こんなはずじゃなかった。これが再雇用された人達が、直面することではないでしょうか。
私が実感したことは、“サラリーマンの成功者”と“人生の成功者”は違うことです。
“サラリーマンの成功者”の勲章は、第二の人生には何の役にも立たたないものになり、「自分の居場所」を持っている人だけが“人生の成功者”になっているように思えたのです。
2.「自分の居場所」とはどんなところなの?
では“人生の成功者”とはどんな人たちなのでしょうか。
それを考え始めたときに、マネジメントの大家として著名なピータードラッカー氏が、次のことを書いていたことを思い出しました。
「自分は何によって覚えられたいか」を考えなさいと述べています。
成果を手に入れるためには分かり易く言うと
「私は〇〇という強みを活かして、〇〇を生み出し、〇〇に役立つ人として社会に知られる」
ということです。
組織に属する間は「自分は何によって憶えられたいか」は考えるまでもなく、“会社の目標を達成できる人材である”です。
でも属する組織なくしてしまったら、
「自分は何によって憶えられたいか」は、
自分の「強み」によって作り出された「自分の居場所」
でしか手に入れる方法はありません。
3.まずは自分の「強み」の見つけること
「強み」とは、自分が生まれつき持っている性質のことですが、残念ながら自分で気づくことは中々難しいようです。
なぜなら「強み」は自分が当たり前にできることで、他人も同じようにできると思っているからです。
例えば、気配り・気働きを「強み」とする人が、気が利かない人と仕事をすると、「なんでそんなことも出来ないの?」とストレスを感じます。
何故なら、自分ができることは他人もできると考えているからです。
4.「強み」の見つけ方 教えます
ではどうすれば自分の「強み」を知ることができるでしょうか。
最も簡単な方法は他人に聞くことですが、恥ずかしくて他人に聞けないと思われる方は、以下の質問に答えてみてください。
大凡の貴方の「強み」を見えてきます。
「貴方のお子さんが難病を抱えて生まれてきました。
治療費1億円を用意できれば完治できると告げられました。
さぁ貴方ならどんなことから考えますか?優先順に答えてください」
以下は私の研究メンバーにテストした結果ですが、人によって大きく順位が異なります。
Aさん 1.キャッシュフロー 2.病院を探す 3.本人への告知法
Bさん 1.名医のコネクション 2.キャッシュフロー 3.本人へ告知法
Cさん 1.本人への告知法 2.病院 3.キャッシュフロー
ここから各々の「強み」を推察することができます。
Aさんは合理的思考、Bさんは人脈構築力、Cさんは気配り、気働きというようになります。
この結果を本人に伝えると、言われてみれば過去にそう言われたことがあったけど、意識したことはなかったそうです。
5.「強み」を生かして「自分の居場所」を作る方法
「強み」が分かったら、まずは自分の興味の対象に活かすことを考えてみください。趣味でも、スポーツでもなんでもいいのです。
そこで少しでも成果が出たら、会社に席を置く内にそこを突き詰めれば、何か新しいことが見えてくるはずです。
それを第二の人生の「自分の居場所」と考えて実践していくのです。
実は私の著書「ゴルフで覚えるドラッカー」ゴルフダイジェスト社もこうして生まれました。
私が問題解決をするときに、真っ先にとる行動は「課題発見力」と「人を巻き込む力」で、実はこの二つの「強み」は現役時代から、周りからよく言われていた私の「強み」です。
56歳になったとき、ドラッカーのマネジメントをゴルフに取り入れ、「課題発見能力」を活かして79を出すことができました。
更に「人を巻き込む力」を活かして出版社に企画を持ち込み、60歳になってから出版に至りました。
今振り返ると好きなゴルフに、仕事でやってきたマネジメントを導入しただけで、それがたまたま誰もやっていなかったことだったので出版できました。
しかし、これは特別なことではないと思います。
きっと皆さんも、自分で当たり前にできることが、他人にとっては「あんなこと良くやれるよなぁ」と言われたことがあるはずです。
それを自分の興味の対象に活かしてみると、誰もやっていなかったことになる可能性があります。
まずはやってみてダメでもいいじゃないですか。
やり続けていれば、必ず「強み」を活かせる「自分の居場所」が見つかります。
それができれば第二の人生を楽しむことができます。そうなれば歳を重ねるのも満更悪くないものですよ。
