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二階氏ら二階派幹部の「嫌疑なし」はおかしいと検察審査会に申し立て~「組織的犯罪」の真相解明なるか

二階派(志師会)の裏金事件が不起訴となっていた問題で、告発をしていた神戸学院大学の上脇博之教授が、会長だった二階俊博元自民党幹事長、山口壮元環境大臣、武田良太元総務大臣と二階派の事務担当者の4人について検察審査会に24日、審査申し立てをした。

二階派が、政治資金パーティー収入の一部を所属の政治家らにキックバックしていたにもかかわらず政治資金収支報告書の明細に記載していなかったこと、プール金を貯めこんでいたにもかかわらずこれもまた政治資金収支報告書に記載していなかったことが政治資金規正法違反だとして刑事告発したにもかかわらず、2024年7月に東京地検が不起訴処分としていた。

自民党派閥裏金事件での検察審査会申し立ては、茂木派(平成研究会)、岸田派(宏池政策研究会)に続き、二階派が三派閥目。

2021年の二階派パーティー「ワンチームで時代を前へ 輝け日本」(勝沼栄明元衆院議員の公式Xより)

東京地検が出した処分は次の通り。

・二階俊博(二階派会長)嫌疑なし。

・山口壮(二階派2020年分事務総長)嫌疑なし。

・武田良太(二階派2021年・2022年分事務総長)嫌疑なし。

・事務担当者、起訴猶予。

()内は今回の申し立て対象となった2020年~2022年当時の二階派での役職。

2019年の二階派パーティー「新しい時代に進める強靭な国づくり」(平沢勝栄衆院議員の公式HPより)

会計責任者についてはすでに起訴されており有罪判決が下されているため、今回の申し立てからは除外されている。

●「雇われの身に限界」 幹部らの関与を指摘

この東京地検の処分について、申立書は厳しく批判している。

対象となった2020年からの三年間、現役の政治家だった二階氏らの「嫌疑なし」という処分については、有罪判決が下された会計責任者と起訴猶予とされた事務担当者だけでできる犯罪ではないと断罪した。会計責任者について「雇われの身としてできることに限界があった」と東京地裁判決で認定している以上、現役の政治家が「嫌疑なし」というのは「不自然どころかむしろ異常」「明らかな政治的忖度」だと不起訴処分に異を唱えている。その上で、検察審査会に「起訴相当」の議決を求め、二階派の一連の裏金づくりは、会計責任者や事務担当者だけの判断でできるものではなく組織的に行われたと指摘。

事務担当者は、「犯罪を犯したことが証拠上明白」なのに何らかの事情で起訴しなかった「起訴猶予」だったことから、申立書では証拠上明白なのだから「起訴すべき」と主張している。萩生田光一元文部科学大臣の公設秘書は、東京地検の捜査では起訴猶予で不起訴処分だった。しかし、検察審査会が「起訴相当」の議決を下した結果、有罪となった。二階派の会計責任者も、検察審査会の議決で不当な処分を是正するよう求めている。

●二階派の二つの裏金

二階派に対する政治資金規正法違反の被疑事実は二つある。

一つ目は、所属議員の政治団体や政党支部へのキックバックの不記載事件だ。

二階派は、所属の政治家の政党支部や政治団体に政治資金パーティー券収入からキックバックをしていたが、二階派の政治資金収支報告書に記載していなかった。この不記載が2020年から3年間で6,633万円に上る。

年別のキックバック額

  • 2020年: 2,524万円

  • 2021年: 3,045万円

  • 2022年: 964万円

2022年の二階派パーティー「志師会と同志の集い」(岡下昌平元衆院議員の公式Xより)

●疑惑幹部による「組織的犯罪」を問う

二つ目は、二階派自身がお金を貯めこんでいたのに、その事実を政治資金収支報告書に記載せず、裏金として処理をしていたことだ。これは、2023年末から2024年1月まで東京地検が捜査をした後、二階派が政治資金収支報告書を訂正したことで明るみになった。捜査が行われなければこの事実はわからなかったことから、申立書ではこれを二階派の「自白」だと指摘している。

二階派にプールされていた裏金

  • 2020年末時点: 1億4,118万2,445円

  • 2021年末時点: 1億3,244万4,862円

  • 2022年末時点: 1億4,837万3,554円

2022年の二階派パーティー「志師会と同志の集い」(小泉龍司衆院議員の公式HPより)

●自民党の不十分な調査を批判

二階派だけでなく、自民党派閥の裏金事件を受けて自民党自身が裏金について調査をしたのは2018年から2022年までの5年間だけ。そのため、刑事責任が問われたのは5年分だけだった。しかし、2017年以前も裏金が作られていたという可能性が高く、自民党の聞き取り調査では安倍派が「遅くとも10数年前から行われていた可能性が高い(場合によっては20年以上前から行われていたことも窺われる)」と証言されている。申立書では、自民党が5年間しか調査をしなかったことについて「2017年以前については個々・具体的な調査は行われていないので、いまだに自民党として裏金づくりの全容解明の説明はなされていません。主権者国民に対して説明責任を果たす責務があるにもかかわらず、あまりにも無責任です。十分な反省も十分な責任をとるという姿勢がないからでしょう」と強く批判している。

検察審査会に申し立てをした上脇教授のコメント。

「二階派は少なくとも2018年と2019年にも裏金をつくっていました。私は2020年分~2022年分の収支報告書が訂正され、裏金の具体的金額が判明したので、刑事告発しました。自民党の調査で二階派の裏金議員の2018年と2019年の裏金額がわかったので、時効が完成していなかった2019年分についても追加で刑事告発をしました。

東京地検は昨年7月に、起訴済みの会計責任者を除き全員不起訴にしました。私は当時、安倍派の裏金議員の刑事告発、二階派と安倍派の裏金議員らの検察審査会への申立てに専念しており、二階派の2019年分収支報告書が訂正されていなかったこともあって、二階派幹部の審査申立てを先送りしてきました。その結果、2019年分は公訴時効5年が完成しましたので、東京検察審査会には2020年~2022年に限定して審査申立てしました。

 二階派の会計責任者について有罪判決を下した東京地裁は会計責任者が『雇われの身としてできることに限界があった』と認定していましたので、当然、会計責任者は会長ら幹部の判断に基づいて裏金をつくっていたはずです。

 裏金づくりは二階派の幹部らによる組織的犯罪なのに、このまま幹部らが処罰されなければ、世間では会計責任者の単独犯だったと思われたままでしょう。真相を解明するためにも、東京検察審査会には、起訴猶予だった事務担当者だけではなく、会長ら幹部についても『起訴すべき』だと議決してほしいと思います」


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