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岸田元総理らの関与はなかったのか?岸田派の裏金事件で「起訴相当」を求め検察審査会に申し立て

岸田文雄元総理大臣が会長を務めた岸田派(宏池政策研究会)が政治資金パーティーの収入で得た2501万円を政治資金収支報告書に記載せず裏金をプールしていたことなどが政治資金規正法違反にあたるとして岸田元総理大臣らが刑事告発された事件を東京地検が不起訴とした。この東京地検の判断が不当だとして、会長だった岸田元総理大臣や会計責任者など5人に対して「起訴相当」などを求めて東京地検に申し立てが22日なされた。

申し立てをしたのは、自民党派閥の裏金事件を追及し続ける上脇博之神戸学院大学教授。

岸田派のパーティーであいさつをする岸田元総理(神田潤一議員の公式Xより)

●岸田元総理らは「嫌疑なし」──検察の判断に疑問の声

東京地検は2024年7月8日、岸田元総理大臣と岸田派の事務総長だった根本匠元厚生労働大臣を嫌疑なしとして不起訴処分とした。会計責任者と2021年、2022年の事務担当者に対しては嫌疑不十分で、2020年の事務担当者には起訴猶予として不起訴処分にした。

すでに略式起訴をされ有罪が確定している2018年から2020年までの会計責任者は今回の申し立てには入っていない。しかしながら、今回の申立書には複数回登場する。

●裁判所が認定した裏金の存在──幹部の関与はなかったのか?

会計責任者が有罪判決を受けたということは、岸田派が政治資金パーティーの販売収入を政治資金収支報告書に記載していなかったり虚偽記載していたり事実や、その一部をプールしていた事実を裁判所は認めているということだ。そうした事実に対して、会計責任者が単独でできたのか、ということを申立書は重要視している。つまりは、会長だった岸田元総理や事務総長だった根本元大臣の許可なしにはできなかったのではないか、と疑問を呈している。

2023年の岸田派のパーティーより(小林一大衆議院議員の公式Xより)

●裏金総額は2501万円──訂正報告書が示す不記載の実態

申立書において、岸田派は2019年までの政治資金パーティー収入において1605万円の過少申告を行っていたと指摘している。これは、東京地検の一連の裏金捜査が終わった2024年に岸田派が政治資金収支報告書の訂正を行ったのだが、その際に「前年からの繰越額」を1605万円増加させていることを根拠とした指摘だ。さらに、2020年の政治資金パーティー収入を896万円増額し、約1億6428万円に訂正した。このことから、岸田派が不正にため込まれた裏金を2501万円と算出している。

政治資金規正法では政治資金パーティーにかかわる収支だけでなく、政治活動にかかわるお金の流れを全て政治資金収支報告書に正確に記載することを義務づけている。告発状ではこれに反して裏金をつくった岸田派を「国民の不断の監視と批判の下に行われるようにする」ことを回避し、「政治活動の公明と公正」を侵害し、「民主政治の健全な発達」を妨げるものであったと断罪している。

2023年の宏池政策研究会(神田潤一議員のXより)

●岸田元総理の不起訴は異常だ

2021年、2022年については政治資金パーティー収入の訂正は行われていないため、新たな裏金は作られていない。新たな裏金はつくられていないとしても、裏金をため込んで繰越額を2501万円過少に記載したことには違いないため、2021年、2022年についても刑事責任を負うべき立場だったと指摘されている。

2020年の事務担当者は罪を犯したことは証拠上明白でたったのに検察官の判断で起訴を見送ったという意味の「起訴猶予」だった。つまり、2020年の事務担当者は裏金をつくったことは証拠上明白だったので、不起訴処分は不当だと申立書は結論付けている。

2023年の岸田派のパーティーの様子(神田潤一議員のXより)

岸田派の会長だった岸田元総理、事務総長だった根本元大臣に対しては、嫌疑なしというのは不自然どころか異常だと検察の判断を厳しく非難している。岸田元総理をはじめとする岸田派の幹部や会計責任者などが共謀して行った犯行で、岸田元総理ら幹部の関与なしに出来ない犯罪とし、こう結んでいる。

「このままでは有罪になった会計責任者の独断で行なった裏金づくりだったことにされてしまい、岸田派の幹部らは法的責任を会計責任者に押し付けて、このまま平然と無責任な政治家を続けることでしょう。逃げ得を許さないでください」

申し立てをした上脇教授のコメント

「幹部である政治家の判断なしに会計責任者一人で裏金がつくれるはずがありません。安倍派と二階派の各会計責任者を有罪とした東京地裁は、いずれも、会計責任者の権限には限界があった旨、判決で述べていました。そうであれば岸田派も同じでしょう。

ですから、東京地検が岸田元総理と根本元大臣を起訴しなかっただけではなく、不起訴理由が起訴猶予でも嫌疑不十分でもなく嫌疑なし、としたのは、政治的忖度だったのではないかと思えてなりません。
東京検察審査会には、事務方だけではなく、この政治家二人の幹部についても、起訴すべきとして起訴相当の議決をして欲しいと思います」

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