裏金をもらったことは明らかなのに不起訴はおかしいと検察審査会に申し立て 和田義明元衆議院議員と会計責任者
和田義明元衆議院議員が代表を務める国会議員関係政治団体「信和会」が安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー収入の一部をキックバック(裏金)していた、いわゆる裏金問題で、和田元衆院議員と会計責任者の二人が東京検察審査会に起訴相当または不起訴不当の議決を求めて3月に申し立てをされていたことが分かった。申立てたのは、神戸学院大学の上脇博之教授。
〇裏金をもらったことは明らかなのに・・・
和田元衆院議員らは、2024年12月に東京地検が不起訴処分としていた。和田元衆院議員は嫌疑不十分だったが、会計責任者は被疑者が犯罪を犯したことが証拠上明白とされる起訴猶予だった。東京地検は、会計責任者を政治資金規正法違反に該当し、起訴できる証拠があるにもかかわらず、何らかの事情で起訴しなかったと思われ、その理由は明らかになっていない。
一連の裏金事件は、会計責任者だけの独断でできる判断ではなく、安倍派に所属しており「信和会」の代表である和田元衆院議員こそが、政治資金収支報告書に記載しなくてもいい裏金であると知っていて、事務方の会計責任者に伝えたと上脇教授は申立書で主張しており、和田元衆院議員に対しても起訴相当を求めている。

〇起訴相当を求めて
今後、有権者の代表11人で構成される東京検察審査会で審議され、11人中8人が起訴を支持すると起訴相当の議決が下される。11人中6人が不起訴に対して異議を唱えた場合、不起訴不当の議決となる。東京検察審査会が、どのような議決を出すのか、注目される。上脇教授は、起訴相当の議決を求めている。
申し立てをした上脇教授のコメント
「会計責任者も不起訴理由は“起訴猶予”なので、東京地検特捜部は有罪にできる証拠があると判断したのですから、東京検察審査会は安心して“不起訴は不当であるから起訴すべきである”と議決して欲しいと思います。
一方、和田元議員については、会計責任者が独断で裏金にすることはできませんから一緒に共謀しているはずなので、“起訴すべきである”と議決して欲しいのですが、証拠不十分だというのであれば、“不起訴は不当であるから再捜査すべきである”と議決して欲しいと思います」

〇2018年よりも前から裏金は作られてきた
和田義明元衆院議員は、2018年から2022年までの5年間で合計990万円のキックバックを安倍派から受け取っていた。この事件が政治資金規正法違反にあたるとして、和田元衆院議員らは2024年7月に上脇教授に刑事告発をされていた。2018年分については公訴時効が完成しているため告発には含まれていない。2019年分には公訴時効が迫っているため、上脇教授は公訴時効が完成した場合には、2019年分については取り下げるとしている。
しかしながら、裏金事件が政治資金規正法違反にあたることが証拠上明らかで、裏金が長年つくられていたことを軽視してはいけないと申立書で上脇教授は主張している。
〇直近の選挙では落選した和田義明氏
和田元衆院議員は、1971年に大阪で生まれで大学卒業後、三菱商事を経て2014年に自民党公認候補として義父の町村信孝元衆院議員の死去に伴う北海道5区の補欠選挙に立候補し当選した。その後、菅内閣で内閣府政務官、岸田内閣で内閣府副大臣を歴任。2023年には、岸田内閣で防衛大臣補佐官に就任したが、裏金事件の発覚を受けて、23年12月に辞任した。2024年の総選挙では、石破茂総裁が裏金問題に関係していた議員は比例重複候補を認めない方針を出したことから比例重複ができず、小選挙区で落選したため落選した。

