茂木派を裏金事件で検察審査会に審査申立て 不起訴は「不当な政治的忖度」か?
茂木派(平成研究会)が政治資金収支報告書に政治資金パーティー収入のうち、20万円を超える明細を記載していなかった事件、いわゆる裏金事件で茂木派の会長だった茂木敏充元外務大臣、事務総長だった新藤義孝元大臣ら4人が9月19日東京検察審査会に申し立てされた。
申し立てをしたのは、一連の裏金事件の追及を続ける神戸学院大学の上脇博之教授。
●茂木氏、新藤氏に「起訴相当」を
東京地検は、茂木元大臣と新藤元大臣を「嫌疑なし」、会計責任者と事務担当者を「嫌疑不十分」、として2024年に不起訴処分としていた。 これに対して申立人の上脇教授は、裏金作りは組織的なものであり、派閥のトップであった茂木元大臣や事務総長だった新藤元大臣の指示なしに裏金をつくることは難しかったのではないか、と指摘している。
上脇教授は、検察の不起訴処分が不当な政治的忖度によるものだと指摘した上で、茂木元大臣と新藤元大臣も含めて「起訴相当」と議決するよう求めている。
●茂木派の裏金事件とは?
申立書によると、被疑事実は大きく分けて二つ。
一つ目の被疑事実は、政治資金パーティー券収入の不記載や虚偽記載。
茂木派は2018年から2022年にかけて、複数の政治団体から受け取った政治資金パーティー収入のうち、20万円を超えるものについて、政治資金収支報告書にその収入明細を記載しなかったり、その収入金額を過少に虚偽記入したりしたとされている。その金額は5年間で706万円。今回の申し立ては、公訴時効になった2018年、2019年を外し、2020年から2022年までの3年間が対象とされている。その金額は376万円。

2つめの被疑事実が裏金のプール。
茂木派は裏金事件の発覚を受けた2024年1月に政治資金収支報告書を訂正した。その際、280万円が政治資金収支報告書に記載されず、いわゆる裏金としてプールされていたことが明らかになった。申立書では、東京地検が捜査をした後に、政治資金収支報告書を訂正したことを茂木派の「自白」として強く非難し、東京検察審査会に「起訴すべき」との議決を求めている。
●安倍派・二階派と同じ「組織的裏金づくり」の構図
申立書では、安倍派(清和政策研究会)や二階派(志師会)で有罪となった事務局長(会計責任者)の判決内容の一部を引用している。
「収支報告書の虚偽記載の前提となるノルマ超過分の処理については清和研会長や幹部らの判断に従わざるを得ない立場にあり、被告人自身の権限には限界があった」(安倍派)
「雇われの身としてできることに限界があった」(二階派)
つまり、安倍派や二階派と同様、茂木派の会計責任者や事務担当者も、会長だった茂木元大臣や事務総長だった新藤元大臣に従わざるを得ない立場だったというわけだ。
●280万円は少額ではない
茂木派の不記載や過少申告が事務方の単純ミスだったという見方についても、申立書では否定している。280万円を銀行口座で保管していたとしたら、銀行口座で確認すれば政治資金収支報告書の残金が間違っているとすぐに気づくはずだとし、今回の不記載と過少記載が単純なミスであるはずがないと断じている。それが現金で保管していたとしても、280万円を見落としたり数え間違えたりするだろうか。

280万円という金額は決して小さい金額ではないことを強調している。
申し立てをした上脇教授のコメント
「安倍派や二階派の裏金事件で、20万円を超えるパーティー収入の明細の不記載が行われ、それが裏金づくりの入り口になっていました。両派閥の事務局長の各判決では、有罪になった事務局長は、その権限には限界があり、派閥の会長や幹部の判断に従わなければならない立場にあったと判断されました。
同じ自民党の派閥であった茂木派も以上の点は同じに違いありません。そうであれば、会長(当時会長代理)だった茂木元大臣や事務総長だった新藤元大臣の判断に基づいて事務方が裏金をつくったというのが真実でしょう。
東京地検は安倍派や二階派に比べ裏金の金額が少ないので事務方さえも起訴せず嫌疑不十分と判断しましたが、明らかに不当ですし、茂木元大臣と新藤元大臣を嫌疑なしと判断したのは、明らかに異常です。
検察審査会には、是非とも、不起訴は不当であり、起訴すべきと議決してほしいと思います。」

茂木派は2024年4月に解散を決め、12月に正式に解散している。
