【ブラックバスのベイト編】カエル|水面を割らせる、夏の大物ベイト
バス釣りで釣果を伸ばす近道は、「バスが今、何を食べているか(ベイト)」を知ることです。このシリーズでは、ブラックバスのエサになる生きものを1種ずつ掘り下げていきます。
今回は カエル。魚でも甲殻類でもない、水面のベイト です。フロッグで水面を割らせる夏の釣りは、バス釣りの中でも特に迫力があります。あわせて「バスはオタマジャクシを食べるのか」という疑問にも触れます。
ベイトになるカエルの種類
バスのフィールドで見かける、身近なカエルを挙げてみます。
・トノサマガエル:体長はオスで4〜8cm、メスで6〜9cmほど。水田や池、川に広くいて泳ぎが達者です。カエルベイトの代表格といえます。
・ヌマガエル:3〜5cmほどの小型。水田や湿地に多く、数の多さが持ち味です。
・ツチガエル:3〜6cmほどで、体のイボから「イボガエル」とも呼ばれます。河川や平地の池で、一年を通して水辺にいます。
・ニホンアマガエル:小型で、草や木の上にいることが多いカエル。水辺に落ちてバスに食べられることもあります。
・ウシガエル(食用ガエル):北米原産で、体長11〜18cm、大きいものは20cmに達する大型種です。水中で獲物を捕らえられる、日本では珍しいカエルでもあります。オタマジャクシも大きく、全長10cmを超えることがあり、オタマジャクシのまま冬を越して翌年カエルになります。日本では特定外来生物に指定され、飼育や生きたままの運搬は禁止されています。
ちなみに、身近な水辺の生きものであるアメリカザリガニは、もともとこのウシガエルの餌として持ち込まれたものと言われています。
▶ ザリガニ|ボトムを制する、赤いレギュラーベイト
なぜバスのベイトになるのか
・大きくて栄養がある:一匹が大きいので、大型バスにとっては効率のよいごちそうです。
・水面という逃げ場のない層にいる:バスは下から見上げて襲えます。水面は上へ逃げられないので、追い詰めやすい層です。
・バスが待つ場所にいる:アシ際、ウィード、オーバーハングなど、カエルがいる岸際は、そのままバスが身をひそめる場所と重なります。
・動きが目立つ:水面をバタバタと不器用に泳ぐ姿は、遠くのバスにも気づかれます。
バスはオタマジャクシを食べるのか
結論から言えば、食べます。ただし「どのオタマジャクシも同じように食べる」わけではなく、種類によって、はっきりした好き嫌いがあるようです。
これを調べた実験があります。オオクチバスにオタマジャクシを与えたところ、ヒキガエルの仲間のオタマジャクシは、経験を重ねるうちに食べなくなっていきました。口に入れても吐き出し、やがて手を出さなくなる。つまり「避けることを学習した」わけです。一方で、アマガエルの仲間のオタマジャクシはよく食べたと報告されています。
理由として考えられるのが 毒 です。ヒキガエルの仲間は ブファジエノライド という毒を持ちます。味が悪く、捕食者を遠ざける働きがあるものです。ヨーロッパのヒキガエルでは、まわりに同種の競争相手が多いほど、オタマジャクシがこの毒を強めることも分かっています。バスが学習して避けるようになるのも、うなずける話です。
ウシガエルのオタマジャクシも、多くの魚にとっては味が悪いとされます。日本のため池の調査では、バスがいる池のほうがウシガエルのオタマジャクシが多かった、という結果も報告されています。ただし、バスがこれを食べること自体は確認されています。
春の岸際が黒く見えるほどオタマジャクシが群れていても、バスが見向きもしないように見えることがあります。それは「オタマジャクシを食べない」のではなく、そこにいるのがバスの好まない種類だからなのかもしれません。加えてオタマジャクシは、大型のバスが入り込めないほどの極浅に固まっていることも多いので、食べないのかもしれません。
なお、ルアーにも オタマジャクシの形をかたどったワーム があります。
カエルは素手で持ってよいのか
毒の話が出たので、あわせて触れておきます。結論としては、多くのカエルは素手で持てます。ただし、注意しておきたい点があります。
・ヒキガエルには注意:耳の後ろにある耳腺(じせん)から、先ほどの毒を分泌します。乱暴に扱わなければ出すことはまずありませんが、触った手で目や口をこすらないこと、触ったあとは石鹸で手を洗うことを守りましょう。犬や猫にとっては特に危険です。
・カエルの側にも配慮を:両生類の皮膚は乾燥に弱く、乾いた手で強く握ると傷めてしまいます。持つなら手を水で濡らして、優しく扱ってください。
・ウシガエルは持ち帰らない:特定外来生物なので、その場で触ること自体は問題ありませんが、生きたまま持ち帰ったり運んだりすることは禁止されています。

季節ごとの動き
春:産卵期です。カエルが水辺に集まり、卵とオタマジャクシが一気に増えます。バスもスポーニングで岸際に寄るため、両者の距離が近づきます。
初夏〜夏:カエルパターンの本番です。カエルが最も活発に動き、アシ際やウィードの上にも乗ってきます。ウシガエルの低い鳴き声が響くのもこの時期です。
秋:水温が下がるまでは有効です。カエルは少しずつ数を減らしていきます。
冬:土の中や水底で冬眠します。ベイトとしての出番は、ほぼなくなります。
カエルパターンの釣り方
主役は 水面 と カバー。カエルはカバーの上や際にいるので、そこを直接通せるルアーが強みを持ちます。
・フロッグ:中空ボディとダブルフックで、ウィードマットやアシの上を引っかからずに通せます。カエルパターンの本命です。
▶ フロッグ系
・フロッグ系ワーム:カエルの形をかたどったソフトルアーもあり、シルエットをそのまま再現できます。
▶ ワーム形状別ガイド
・狙う場所:アシ際、ウィードマット、オーバーハング、護岸際。カエルが水に落ちる場所、水面へ出てくる場所が一級ポイントです。
・誘い方:カバーの上をチョンチョンと歩かせ、開いた穴やカバーの際で 止める。この「止め」が食わせの間になります。バスが出たら、ルアーをしっかり口に入れるまでひと呼吸おいてから合わせます。
・カラー:黒などの濃い色は、下から見上げたときのシルエットがはっきり出ます。ほかにグリーンパンプキンや白も定番です。
ワンポイント:カエルは水面のエサなので、バスからは シルエット で見えています。曇りや朝夕、濁りのある日ほど、黒など濃い色がはっきり見えて効きます。
まとめ
・トノサマガエル、ヌマガエル、ツチガエル、アマガエル、ウシガエルなどが、水辺で身近なカエルのベイト
・大きくて栄養があり、水面という逃げ場のない層にいるため、大型バスが襲いやすい
・オタマジャクシも食べるが、種類で好き嫌いがはっきりある。バスは毒を持つヒキガエルの仲間を、学習して避けるようになる
・ウシガエルのオタマジャクシは10cmを超え、そのまま冬を越して翌年カエルになる
・釣りは夏のカバーが本番。フロッグでウィードやアシの上を通し、止めて食わせる
エサを知れば、狙う場所もルアーも、ぐっと絞り込めます。次回のベイト編もお楽しみに。
