中3でブラスロックにハマった男の話


中学3年のとき、

浅井君から借りたレコードがあった。

『Saturday in the Park』

言うまでもなく演ってるのは Chicago。

彼の高校生のお兄さんのシングル盤やった。

たぶん浅井君本人より、兄貴の趣味やったんやと思う。

この曲が、

ブラスロックChicagoにどっぷりハマる

最初の一曲になった。

あのイントロ、

軽やかなのに都会的で、

ブラスが鳴ってるのに騒がしくない。

中学生の耳にしては、

ずいぶん背伸びした音楽やったかもしれない。


名前が似てる、というだけの理由で

Climax Chicago

これにも手を伸ばした。

サウンドはまったく違う。

当時はイギリスのバンドやとも知らんかった。

けど、このクライマックス・シカゴも

サックスをけっこうフィーチャーしてて、

なぜか違和感なく耳に入ってきた。

今思えば、

この時点でもう

ジャンルとか国とかやなく、

音そのもので音楽を聴き始めてたんだと思う。

さらに追い打ちをかけるように、

あの恐ろしいライヴ盤に出会う。

『Memphis 1975』

演ってるのは The Doobie Brothers。

これも中3のときや。

ブラス、ホーン、黒さ、

そして職人みたいな演奏。

中学生が聴くには、

どう考えても渋すぎる。

中学生でブラスにハマるって、

今考えたら

かなり老けてたんやな🤣

……いや、違うか。

老けてたのではなくて、

たぶんその頃にはもう

戻れない音楽の森に

迷い込んでしまってたのだろう。

一度あの音にやられたら、

もう単純な音では満足できない。

音の隙間、

鳴ってないところ、

ブラスが入る「理由」まで

耳が勝手に聴きにいく。

それだけの話。

そして今、

深夜3時に

またChicagoを聴いてる自分がいる。

結局、

あのとき中3で入った森から

一歩も出てないのやろな、と思う。

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