★【選手育成】メンタル・感情のコントロール
(このnoteでは、”強い高校野球チームを作る”方法を仮想の高校を見立て様々な角度から具体的にシミュレーションしております。野球に関わる全ての方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。)
「工藤note高校 野球部」甲子園・日本一までのチーム育成プロセス を考える|工藤康博

「メンタルが強い(弱い)」「感情をコントロールしている」というのは、目に見えるものではないですが”選手の特徴”としてプレーに大きな影響を与えます。
野球では常に100%良い結果が出るということはなく、”良い結果”も”悪い結果”もあります。良い結果のときは”ポジティブな思考状態”になるので問題ないですが、悪い結果が出て”ネガティブな思考状態”に陥ってしまうとさらに悪い結果につながり悪循環へ入ってしまう可能性が高いです。
”ミスしてしまうと、さらにミスが続いてしまう” のがこの状態で、この場合メンタル面に起因(メンタルが弱い)していることが多いです。
一度ミスをしたことでメンタルが沈み、感情をコントロールできずそれを引きずってうまくいかなくなる… さらにそれがチームメイトにも伝染する… という状態になりがちで、メンタルが弱い選手が多いチームだとこういう傾向になってしまいます。
逆にメンタルが強い選手が多ければ多いほど試合で好結果に導くことが多くなるので、選手”個々”でなく”チーム”としてメンタルを鍛え感情をコントロールすることができれば、チームの大きな”武器”になります。

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メンタルは「強くしろ!」「コントロールしろ!」といって出来るものではないので、メンタルコントロールのコツになるような方法をいくつか伝え、その中から自分に合ったものを選んで実践してもらうようにします。
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★【選手育成 ここからスタート】”成長する選手”のパターンを作り、チーム全体に浸透|工藤康博
メンタル・感情は試合を大きく左右する
チームには様々な選手がいますが、その中には
A 体力・技術で劣っているが、試合では活躍し結果を出す選手
B 体力・技術で優れているが、試合ではなかなか結果が出ない選手
がいます。公式戦等大きな舞台であればあるほどその差が顕著に出たりします。
この要因は”メンタル”であることが大きく、試合では当然Aの選手のほうが試合への出場(起用)が多くなります。
Bの選手は頑張っているのですが、どうしても悩みすぎ・考えすぎの傾向 である選手が多いです。これが試合だとベンチの中で他の選手に伝染しチームの結果(=敗戦)に影響してしまう可能性もあります。そのくらい”メンタル”の要素は大きいです。
トーナメントの一発勝負である高校野球において、このメンタルで負ける…ということは絶対に避けなくてはいけません。
よく夏の大会で勝ち上がるためには必要なことは
どれだけ勝ちたいと強く思っているか?
ということを聞きますが、
これは ”相手が強いか?弱いか?” という”自分たちでコントロールできないこと”よりも ”勝ちたい” という”自分たちでコントロールできること”に意識を持ってメンタルを高め試合・大会に臨む…ということです。メンタルをチームとしてコントロールできれば、結果もより良いものに向いていく確率が上がっていきます。
強いメンタルは”好不調の波”を抑える
「好不調の波が少ない」とは「成功・失敗による気分の上がり下がりが少ない」とも言えます。気分屋でないということです。野球はメンタルの影響が大きいスポーツなので、気分の上がり下がりを抑える効果はプレーに大きな影響を与えます。
ただしこれは単純に「感情をなくせ!」ということではありません。人間の感情は無意識に出てくるものなので、その感情を自分の中でコントロールする強いメンタルを持つことができれば、気分の上がり下がりを抑え好不調の波が少ない安定したプレーをすることができるようになります。
好不調の波が少ないほうが良い理由
好不調が多い選手は試合で起用する際に戦力としての計算が難しいため(使ってみないとわからない)、起用しにくくなってしまいます。特に先発(スタメン)での起用はしにくいです。
起用した時にある程度結果を計算できると、起用しやすくなります。
強いメンタルは”継続する力”になる
目標がその日その日を支配する
毎日の練習を継続して行なうことは、考える以上に難しいことです。
継続するメンタルを持ち続けるポイントは「必ず●●に!」という目標に対する強い気持ちを持つことになります。新チームスタート当初に時間をかけてでもチームの年間目標をしっかり定め「目標達成に向けた強いモチベーション」持った上で練習を行なうと、努力が継続できるメンタルを養うことができます。
継続は自信になる
このような目標→計画→実行というサイクルを継続できるようになると、目標が達成されるだけではなく「努力を継続できた!」という自信にもつながります。
高校生にとっては成功体験から来る自信ほど大きいものはなく、試合での結果も伴えば大きな成長へとつながります。継続するメンタルをトレーニングすることはこのくらい重要なことになります。
PDCAサイクル
一般的にはこのような取り組み方法をPDCAサイクルと言います。
Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の仮説・検証型プロセスを循環させ、マネジメントの品質を高めようという概念。
PDCAサイクルの各プロセスにおいて、具体的に何が行われるのかを見ていきます。
Plan(計画)
目標・目的を設定し、実行計画(アクションプラン)を立案します。なぜその目標を立てるのか?なぜその実行計画を立てるのか?論理的なプランを組めるよう検討します。
Do(実行)
計画を実行に移します。
Check(評価)
実行した内容の検証を行います。特に計画通りに実行できなかった場合、なぜ計画通りに実行できなかったのか、要因分析を行ないます。
検証は必ずしも定量的なデータでなく、定性情報が活用されることもあります。
Action(改善)
検証結果を受け、今後どのような対策や改善を行っていくべきかを検討します。Checkで仮説の検証、要因分析がしっかりと行えないと、誤った対応策を立て失敗することがあるため、注意が必要です。
チーム(組織)としての理想形は、PDCAサイクルを強化することで選手一人ひとりが目標達成に向け設定したミッションを達成すると、結果としてチームのミッションを達成できる仕組みにすることです。この際、評価方法(選手起用・選考方法)も検討しなおすことが大切です。

メンタルを強くする(感情をコントロールする)方法例
メンタルを鍛え感情をコントロールする とは、気分の上がり下がりを少なく気持ちの波を抑える ということになります。
感情をコントロールできるための具体的な行動は科学的に証明されているものもあるので、それを実践することが良い方法になります。
≪試合の中で≫「勝てない」「かなわない」とは絶対に言わない
試合の中で 勝ちたい気持ち を維持するためには、ベンチの中では発する言葉も意識する必要があります。
試合をしていると、現在のスコアとは別に肌感覚として相手チームの強さを感じることがあります。特に強いチームと対戦しているときは
「△△高校にはかなわない…追いつけそうにない…」
「◇◇選手にはかなわない…追いつけそうにない…」
と感じるときがあります。
この時を「勝てない…かなわない…追いつけそうにない…」を言ってしまうと、言った本人のメンタルにマイナスなだけでなくチーム全体のメンタルにマイナスの影響を与えてしまいます。
仮に勝てない…かなわない…と思うことがあっても絶対に言わないようにチームの決めごと としておいたほうが良いです。これだけでも、選手のメンタルは強く維持して試合に臨むことができます。(試合の際に相手に対して…だけでなく、普段の練習の中でライバルとなるチームメイトに対しても同様)
≪試合の中で≫ポーカーフェイスを演じる
ポーカーフェイスを演じる とは、役者になる というイメージです。結果に一喜一憂すると、どうしてもパフォーマンスに波ができてしまうからです。特に良くない結果が出たときの以降パフォーマンスに影響が出ます(悪い状況が続いてしまう)。
野球は成功よりも失敗のプレーとなることが多いスポーツです(特に打撃、打率3割なら優秀と言われるが逆に言うと7割は失敗)。
また、1つ1つのプレーの間に”間”がありその時間でいろいろ考えることができます。当然良いときであればポジティブな考えになり悪いときであればネガティブな考えになってしまうのですが、失敗のほうが多いスポーツであればネガティブのケースの方が多くなります。
結果に一喜一憂し感情が出てしまうと、チームに対しネガティブな感情を見せることが多くなるため周囲のチームメイト・チーム全体を良い方向にすることはできません。それよりもポーカーフェイスでプレーを進めるほうがチームにとってマイナスが少ないと言えます。
試合では、相手を見て相手が嫌がることをして戦っていきます。また、プレーの結果が出た瞬間すぐに次のプレーの対策を考えます。1つ1つのプレーに喜んでいる時間的余裕はなく、常に万全の準備をして次のプレーに向かうためにはポーカーフェイスで自分の感情は切り離し、良くも悪くも気持ちを切り替えて臨んだ方が良いです。
≪試合の中で≫その失敗の仮説・対応策を言葉で出して完結する
ここでいう言葉とは感情的なものではなく自分で予想したプレー(狙い)とその結果を言語化して、すぐに次のプレーの準備に切り替える といいうことです。
(例) エラーをしてしまった
エラーで気分を下げてしまいそれを感情に出すのではなく、なぜエラーしたのか?自分なりに仮説を立てそれを言葉に出します。
(一例) 1歩目で逆をつかれて焦ってしまったな…
次は焦らないよう事前に打球への準備をしっかりしよう…
このように言葉にすることでそのプレーを完結し、次のプレーの準備を進めます。
試合は自分の気持ちと関係なくどんどん進行します。”次はこうすれば成功する確率は上がるだろう” くらいの言葉にまとめ、次のプレーに対して前のプレーの結果を持ち込まないようにします。
≪試合の中で≫マイナスの結果をプラスに転換する
マイナスの出来事を頭の中でプラスに変換し直して、切り替えを行ないます。
(例) 投手が四球を出してしまった
また四球出したらどうしよう… をプラスに転換、
→ 四球を出しても点を取られなければいい
次の打者を併殺に打ち取ればいい
このように頭の中で考えるだけでも、結果は大きく変わってきます。
≪試合後・普段の練習で≫一日の出来事をノートに書き出す
その日の練習や試合で感じたことを、ノートに書き出しまとめることも良い方法です。
失敗したことやうまくいかなかったプレーを自分が何をしようとしたか?と合わせてノートに書き出すことで、自分の頭の中が整理され下がった気分を落ち着けることができます。
今日あった気持ちを明日へ引きずらないようにするための方法で、一日の出来事を振り返り感じたことをノートに書いて頭をすっきりさせ、次の日に向かうようにします。
≪普段の練習で≫瞑想する
基本的な方法は
● 座禅などを組み、背筋を伸ばし姿勢を正す。
● そのままの姿勢で鼻から呼吸を行なう。
● 姿勢と呼吸だけに3分程度意識を集中する。
姿勢と呼吸だけに意識を集中させるのは難しいですが(気がついたら別のことを考えてしまう・視覚情報から意識がそちらに行ってしまう)、瞑想を行なうことでストレスが軽減されまだ起こってもいない不安を考えずに済むようになります。
落ち着きがない・物事に集中できない 選手には特に効果があります。
”切り替える”ことも重要
メンタルを強くする・コントロールする ことは重要ですが、”切り替える
る”という考え方も同じくらい重要になります。
起こってしまった過去の結果を変えることは不可能です。しかし、ゆっくりと反省し次へと生かす…と時間的な余裕は2時間程度の試合の中ではないので、見方や捉え方を変え”切り替え”を行なうことで、より良いメンタルを保ち試合に臨めるようにすることが重要になります。
チームとしては、悪い結果を引きづることがないよう”切り替える方法”を作っておくと(確立しておくと)、メンタルが強いチームを作ることができます。特にインターバル(例 5回→6回)の使い方はチームとしてどう戦略的に使うか?ただ休むだけの時間とするのではなく、使い方を決めておくことが重要です。
ミスをしたら、周りから声かけし切り替える
ミスをした選手は、自分のプレーに対することよりも
チームに迷惑をかけて申し訳ない…
監督に怒られてしまうのではないか…
という感情になってしまいます。その感情により
もうミスは許されない…
自分を追い込み萎縮してしまうため、普段であればミスをしないようなプレーでもミスをしてしまうようになります。
”チームに迷惑をかけて申し訳ない”という感情を周りの選手が抑えてあげる手段として、チームメイトが声をかけてミスをフォローしてあげることが有効になります。
かんたんな一言だけでも良いので、チームメイトが声をかけ言葉を交わすだけでもミスした選手は気持ちの切り替えができることもあります。これはベンチから監督が声をかけるのも有効です。
良いときでも感情をコントロール
失敗したときだけでなく、結果が良かった・試合に勝ったときこそ今一度気を引き締め感情をコントロールすることが重要になります。
勝負の世界では臆病で気が小さいくらいの選手のほうが ”成功を手放しに喜ばない” ”次も成功できるとは限らない…” と考える傾向が強く次への準備を怠らなくなります。当然結果もついてきます。
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— 工藤 (@kud1021) August 30, 2023
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