【超完全版】適応障害体験記②。復職から再休職しないために知るべき7つのこと。
はじめに
会社に近づけば近づくほど、心臓の音は大きくなりました。復職日の朝のことです。体調は戻ったものの僕は再び社会の一員になれるのだろうか。最初はそんな不安に襲われていましたが、復職から1年間無事に走り切れました。いくつかのことに気が付けたからです。
このブログでは適応障害やその他精神疾患により休職した方、復職後も悩んでいる方に向けて、僕の体験談を共有します。復職後の過ごし方にまつわる7個のテーマごとに詳しく書きましたので、再休職防止・復職後のキャリア形成のモデルケースとして参考にしていただければと思います。
休職から復職までの体験談は以下記事に書いています。こちらも合わせて読んでいただけますと幸いです。
復職について
僕は部署異動という形で復職しました。休職の原因が元々上司や業務内容が自分に合わなかったことだったので、なかなか元の職場にそのまま戻るということは難しかったです。僕はIT企業に勤めているのですが、元々はアプリケーション開発部に所属していました。休職中は部長と2週間に1度面談をする時間があり、そこで復職先を調整していきました。違う部署に異動できかどうかも知りませんでしたから、部長から部署異動の話をしていただいたことは大変嬉しかったです。当然部長からは「何かやりたいこととかありますか?」と質問されたのですが、当時の僕は何も答えられませんでした。その時は「わからないです。ただ今の開発の仕事はやりたくないので、営業や管理系の部署に行けると嬉しいです。」と答えました。そこから数週間後、部長が各部署に新規メンバーの受け入れ状況を連携してくれました。そこで出てきたのがシステム運用部とインフラ開発部でした。インフラ開発部はアプリケーション開発部は業務上連携をとることがあったので、業務内容や雰囲気などなんとなくわかっていましたが、システム運用部は未知の部署でした。システム運用か、全然やりたい仕事ではないなぁ。そう思ったのですが、僕は全く新しい環境を求めていたので、消去法でシステム運用部に異動することにしました。
転職も考えましたが、僕は2年目社員で実務経験があまり積めていないことや自分の心の状態が全開でないうちに転職活動を進めることが得策ではないように思ったので、転職はしないことにしました。しかし、小さい会社であるなどの理由により部署異動が困難である場合は復職時に転職することはアリだと思っています。とは言いつつ、休職中の転職は普通の転職と比べて悩むことが多いのではないかと思います。僕は今後そういった休職者の転職サポートができたら良いなと思っています。
振り返ってみると、僕の復職は部長に任せきりでした。それでよかったと思っています。復職時に大切なことは周囲の力を借りることでしょう。上司、部長、人事、産業医、カウンセラー、キャリアアドバイザー。こういった人たちの力を借りて復職への環境整備をしていくことをお勧めします。
復職後の仕事について
僕の仕事はシステム運用です。システム運用とは企業や組織が利用するITシステムの安定した運用を支える仕事です。具体的な業務としてはサーバー、ネットワーク、アプリケーションの監視、障害対応、セキュリティ対策などです。今は金融系の企業の基盤システム運用をしています。開発と異なる点としては、スピード感よりも確実性が求められることです。確実性が求められる分、運用部の業務のほとんどは顧客と合意が得られた手順書に従った業務です。システム開発は日々試行錯誤し、バグの原因がわからない時に業務が詰まってしまうことも多々ありましたが、今では業務が詰まることはありません。システム運用の仕事は開発よりも比較的簡単なのです。もちろん管理者となると、1人1人の担当者にミスをさせない業務管理をしなければならないのですが、現状管理者ではないのでかなり楽です。
毎日毎日手順書に沿った同じことを繰り返す仕事ですので、やりがいは少ないです。また、大規模システムの開発案件に比べると売上も少ないですから会社からの評価が下がるのもデメリットです。しかし、それ以上に毎日安心して出社できる、精神衛生上優しい仕事なのです。僕は適応障害を経て、周りからの評価や将来の安定よりも、今自分が安心して楽しく生きているかが何よりも重要であることを学びました。したがって、消去法で選んだシステム運用の仕事ですが、僕は気に入っているんです。
復職後の職場環境について
復職後の職場は人に恵まれました。開発部と運用部では職場の雰囲気が全然違ったんです。開発にいるのは、いわゆる技術系の人。新しい技術が好きで、新しいものを作るのが好きな人でした。一方で運用にいる人はコミュニケーションを重視する事務系の人です。業務の特性上そうなるということが今ではわかります。個人タスクを振り分けて仕事をする開発と24時間365日同じ仕事をチームでシェアしながら回す運用では必要なヒューマンスキルが異なるからです。運用部の人はマネージャーから現場の担当者の人まで、のんびりした人が多いです。障害が起きた時以外は基本的にピリつくこともなく、穏やかな職場です。開発の頃はマネージャーが毎日終電間近まで残る人でしたが、運用に来るとマネージャー陣も普通に定時で帰るので驚きました。
割と業務中の雑談なんかも発生する中で、僕はあまり雑談はしません。業務のない空いた時間も1人でぼーっとしています。それは、全員に対して完璧な自分でいる必要はないと思っているからです。できる社会人でいたい。できる大人でいたい。できる男でいたい。こんな欲が必要以上に強いことに休職中気がつきました。しかし、自分にとってそれが本当に必要かと聞かれるとそうではないんです。会社でやることをやって、家に帰って家族と温かい時間を過ごすことが僕にとっては1番重要なのです。
僕の父親はお酒を飲んで不機嫌になると怒鳴りながら暴れる人でした。今ではすごく落ち着きましたが、若い頃はストレスも多かったのでしょう。なので、僕は小さい頃から父を怒らせないことに全神経を注ぐ毎日を過ごしていました。その影響で、学校ではよく周囲を観察して器用に振る舞うタイプでした。するとちひろ君は優しいと言われて、僕は周囲に気を遣うことが生きがいになりました。どんな人にも不快な思いをさせない態度で接する自分を誇りに思っていました。これは幼少期から無意識に僕の中にできた価値観です。今でも誰に対しても優しく接することは素晴らしいなと思ってはいますが、どうやらその固定された価値観のせいで悩むことが多くなってきたようなんです。したがって、僕は自分自身に「無理して周囲みんなに気を遣わなくても大丈夫だよ」と言い聞かせることにしました。そうしてからは、人間関係で悩むことがずっと少なくなりました。別に嫌われてもいいやって心の中で思っているからですかね。
復職後の職場環境は重要です。僕は人に恵まれて本当に良かったなと思っています。しかし、もっともっと重要なのはそういった職場で過ごす自分自身の心のあり方だと思います。同じ職場、同じ業務でも、その人の心のあり方で良いとも悪いとも取れますからね。
働き方について
システム運用の仕事は開発と比較して極端に残業時間が少ないんです。開発の頃は多くて月50時間の残業がありましたが、今では10時間もありません。シフト制であることが大きいです。イレギュラーが発生したとしても、夜勤の方が引き継いでくれたりするんですよね。また、シフト制だと次の月の休みを前月に申請するのですが、定期的に有休を取得するようにしています。有休って忙しいとなかなか取らなくて結局数年後に消滅すると思うんです。取れるなら取っていこうということです。
日々の仕事ですが、「ゆるく働く」をテーマにしています。開発にいた頃は必要に駆られていた部分はありますが、とにかく技術を学んで1日でも早く成長!と意気込んでいました。出社時間の1時間前と退勤後の1時間学習時間を設けたりしていました。それが無駄だったとは全く思いませんが、焦りすぎていましたね。世の中には寝る間も惜しんで努力して結果を残す人がたくさんいるそうですが、僕はゆっくり進んでいく方が良さそうです。
先ほど述べたことと重なる部分がありますが、適応障害をケアしながら生活するためには外的環境と内的環境を整える必要があります。外的環境というのはストレスのない仕事、十分な睡眠、食事、運動、リラックスできるプライベート空間、時間のことです。内的環境とは外的環境下で過ごす自分の心のあり方のことです。転職やライフスタイルの変革をしても自分の心のあり方が変わっていなければ、しばらくすると休職前と同じようなことで再び悩むことでしょう。僕は休職を経て、仕事に対する考え方が変わり、働き方も変わりました。その結果、復職後も再休職せずに続けることができたのだと思います。
プライベートについて
前述の通り、仕事面では残業時間を減らすことと有休取得を意識していました。その分プライベートの時間が増えるわけですが、このプライベートの時間の過ごし方について話そうと思います。
結論、仕事同様プライベートもなるべくシンプルにしました。予定を密には入れず、人間関係も限られたものとし、何もないゆったりとした時間を作るようにしていました。
まず、SNSを整理しました。SNSを見る時間やっぱり多すぎるなと思ったからです。LINE,YouTube,Instagram,X,TikTok,Treads,Lemon8,BeReal。元々はこれほどのアプリがスマホにインストールされていましたが、LINEとYouTube以外は削除しました。流行りの音楽やファッション、飲食店、旅先を見つけるのに情報源となるSNSですが、家でのんびり過ごす分には必要ありません。必要な時に調べる分にはYouYubeで足ります。また、今はAIチャットツールが目まぐるしいスピードで発展していますから、AIに聞けばSNSに乗ってる流行りの情報を集約して教えてくれそうですね。試したことはありませんが。特に僕はInstagramを見る時間が多かったのですが、本当に消して良かったと思っています。何も困ることなく、時間が増えたからです。
次に人間関係を整理しました。400人ほどいたLINEの友達を40人ほどまで減らしました。家族と親戚と特に仲の良い友人のみを残しています。学生時代のクラスメイト、アルバイト先にいた人、大学時代のサークルにいた人。もちろん良い人ばかりで、嫌いとかではないのですが、わざわざ連絡を取って会う人がいるかなと聞かれたときにどうだろう?と思ったのです。社会人になり、少ない休みで予定を合わせて会う人って数人ではないでしょうか?連絡先を削除した人はいわゆる絶妙な距離感の人です。SNSの発展により、特に若い世代には「絶妙な距離感の人」が多いはずです。Instagramだけ知ってる、みたいな人もそれでしょう。人脈が大事と言う人がいますが、以上のような人を人脈とは言わないですよね。世の中にはいろんな人がいますから、「絶妙な距離感の人」からある日突然変な連絡が来たりすることがあります。僕の場合これが結構ストレスだったので、あらかじめ連絡先を削除しました。中には消すか消さないか微妙な人ももちろんいたのですが、致し方ありません。自分の自由な時間を作る方が優先でした。
サードプレイスについて
サードプレイスという言葉に聞き馴染みのない方もいらっしゃると思います。サードプレイスとは自宅、職場とは異なる第3の場所という意味です。サードプレイスはストレス解消やリフレッシュに効果的であるということで注目されています。本来の意味とは少し異なるかもしれませんが、僕は仕事と遊びのほかにもう1つ、自分の好きな活動を持っておくことがメンタルケアに良いのではないかと思っています。
僕にとってのサードプレイスはnoteです。復職してからなんとなくnoteでの発信を始めました。これは仕事でも遊びでもないです。しかし、毎日記事を書くことがすごくリフレッシュになっています。仕事でも遊びでも使わない脳の筋肉を使っているというか。疲れたなぁと思ったときに、記事を書いていると脳がスッキリして、心が落ち着くんです。
さらに、読者の方から温かいコメントをいただくことがあります。これが仕事でも遊びでも味わえない満足感を味わえるのです。あぁ、世の中の幸せな人はこの嬉しさを定期的に味わっているんだなと実感しました。これはきっと自分の好きな活動で誰かを喜ばせたときに味わえるのだと思います。
サードプレイスというより、サードアクティビティとでもいうのでしょうか。仕事と遊び以外の自分の好きな活動をすることが、僕の場合メンタルケアにかなり役立ちました。そしてその好きな活動で誰かが喜んでくれたならば、それは最高の気分です。そして、その活動に成長の要素が含まれているのなら、人生に希望が現れます。毎日同じことの繰り返しではなんだか物足りなくなったり、寂しさを感じることがあります。希望があると、そんな感情が生まれることはありません。僕はこれからもnoteを続けていきます。
キャリアプランについて
将来への不安は心に悪い影響を与えます。だから、今を生きることに集中しよう。そう考えて僕は瞑想を生活に取り入れたりしていますが、それでもキャリアプランくらいは持っておきたいのです。復職したての頃はキャリアプランなんてものは何も考えていませんでした。ただ毎日仕事ができるかどうかが課題だったので。僕の場合復職から10ヶ月ほど経ち、仕事に慣れてきて生活も落ち着いてきたところでようやくキャリアについて考えられるようになりました。
僕はシステム運用の仕事を続けるつもりです。ITサービスマネージャという資格を取得して、どこの会社でも働ける人材になることが目標です。ITサービスマネージャの平均年収は500万〜800万と言われています。子供がいれば贅沢のできる収入ではありませんが、僕はシンプルでストレスの少ない暮らしを求めています。妻にはもっと頑張ってくれと言われそうですが。。。
以上のようなプランが考えられるようになったのは、システム運用の仕事なら僕はできそうだなと思ったからです。この仕事ならできそうとかって、やってみないとわからないですよね。なので、休職中に無理にキャリアについて考える必要はないと思います。ここで言いたいことは、復職後に落ち着いてくればキャリアプランも自然と考えられるようになり、人生設計もなんとなく組めるようになるから心配しなくても大丈夫ということです。
おわりに
休職中の体験記のおわりにも書きましたが、復職したての頃は休職したことへの後悔がまだ少しはありました。そのときはそれもそれで受け入れようという気持ちでしたが、今では休職への後悔は1つもありません。休職の経験を活かして、今の安定した生活、明るい希望を得ているからでしょう。むしろ人生を見つめ直すものすごく良い時間だったと言えます。
復職してからは、小さく温かい暮らしを心がけています。復職してからもよく自分の今を見つめる機会を持ちましたが、結構僕は普通の暮らしが好きなんだなと気づいたんです。SNSを見なくなったことが影響しているかもしれませんね。SNSはキラキラした生活にありふれていますから。ストレスの少ない仕事で収入は普通、1Kに妻と2人暮らし、たまに本当に仲の良い友人と会って、1人の時間で楽しくnoteを書く人生です。とても楽しい毎日です。
読者アンケートで適応障害で悩む方の回答を見ていると、真面目で努力家で優しい方が多いなという印象です。僕は自分の過去と向き合うことで、がむしゃらに頑張らないといけないという呪縛から解放されました。良い意味で完璧を諦めることができました。努力を諦めることは明るい未来を諦めることだと思っていました。しかし、実際には努力を諦めることが明るい未来のはじまりだったのです。
今回の僕の経験が適応障害含めその他精神疾患、休職により不安や焦りを感じる人のためになることを祈っています。
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