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普段着の京都(18)

幼い頃、デパートと言えば、名古屋の栄にあるオリエンタル中村だった。
デパートに行く日はちょっとしたハレの日で、いい服を着て出かけた。親もいつもよりオシャレをしていて、見上げると、何か他人のようでもあり、こそばゆい思いをしたものだ。

デパートでは、買い物の最後に、屋上遊園地に連れて行ってもらうのが恒例。大した遊具はなかったが、ゴーカートに乗ったり、ゆらゆら揺れる動物のおもちゃにまたがったり。それをいい服を着ながらやるのだから、特別感があった。

最近は、デパートも客足が伸びず、苦労をしているという。デパートの屋上遊園地も閉鎖しているところが多いと聞く。以前記事にしたが、オリエンタル中村の屋上にも今は遊園地はない。


先日、京都の街中で、ちょっと中途半端な空き時間ができた。ふと思い立って、四条烏丸にある大丸京都店の屋上に足を運んだ。
そこには、新しい憩いの空間「ことほっとてらす」が広がっていた。リニューアルしたのは昨年秋。「デパートの屋上を再定義する」というコンセプトで、レストランフロアと緩やかにつながりながら、自由に過ごせる空間になっている。

自由に座ったり、テーブルにしたり
広々とした芝生広場(これは少し前からあったらしい)
見上げれば秋の空 屋上であることを忘れる

この空間には、「親から子へ、子から孫へと、日常の中にあるあたたかい記憶として語り継がれるような空間」「京都の森や、工芸をはじめとした文化、産業を次世代に繋げていく場」にしたいという思いがこもっているそうだ。
見ると、複数の親子連れが、それぞれ思いのままに時間を過ごしている。
そこには、かつて自分が感じていたようなハレの場としてのデパートの屋上公園の特別感はない。
穏やかな「日常」の一コマが広がっている。
この子供達にとって、この屋上がどんな思い出の場所になるのだろう、そう思いながら、カフェのテラス席で時間を過ごした。
「いい暇つぶしができたなあ」と思いながら、次の予定に向かった。