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夫婦で泣けない、弱音を吐けない時~不妊治療でひとりで抱え込まないための30の対話・第7回

不妊治療を続けていると、心が限界に近づくことがあります。

診察の帰り道。
検査結果を聞いた後。
判定日を待つ時間。
周りの妊娠報告を見た時。
また次の周期を考えなければならない時。

本当は泣きたい。
本当はつらいと言いたい。
本当は「もう疲れた」と言いたい。

でも、夫婦の前でさえ、弱音を吐けないことがあります。

「泣いたら相手を困らせてしまう」
「自分が崩れたら、二人とも崩れてしまう」
「また同じ話をしていると思われるかもしれない」
「励まされるのも、正論を言われるのもつらい」
「弱音を吐いたら、治療を続けられなくなりそうで怖い」

そう思って、平気なふりをしてしまう。

でも、平気なふりを続けるほど、心の中では孤独が大きくなっていきます。

強く見える人ほど、限界を言えない

不妊治療中、周りからは「しっかりしている人」に見える方がいます。

診察の内容を把握している。
スケジュールを管理している。
薬の時間を守っている。
仕事も家事もこなしている。
パートナーにも説明している。

でも、しっかりしていることと、傷ついていないことは違います。

むしろ、何とか保っている人ほど、弱音を吐く場所を失いやすいのです。

「私がちゃんとしなきゃ」
「私が調べなきゃ」
「私が決めなきゃ」
「私が崩れたら進まない」

そう思い続けると、不妊治療が一人で背負うものになってしまいます。

弱音は、相手を責める言葉ではない

夫婦で弱音を吐くことが難しい理由の一つは、相手を責めているように聞こえるのではないか、という不安です。

「つらい」と言えば、相手が「自分のせいだ」と感じるかもしれない。
「もう疲れた」と言えば、治療をやめたいと言っているように受け取られるかもしれない。
「分かってほしい」と言えば、責めていると思われるかもしれない。

だから、言葉を飲み込んでしまう。

でも、弱音は本来、相手を責めるためのものではありません。
自分の状態を伝えるためのものです。

「あなたが悪い」ではなく、
「私は今、こう感じている」

この形で伝えるだけで、会話は少し変わります。

アドバイスがほしい時と、ただ聞いてほしい時は違う

つらい気持ちを話した時、相手がすぐに解決策を出そうとすることがあります。

「次は大丈夫だよ」
「そんなに考えすぎない方がいいよ」
「先生に聞いてみれば?」
「まだ可能性はあるんだから」
「落ち込んでも仕方ないよ」

言っている側に悪気はないかもしれません。
励ましたい。
支えたい。
何とかしてあげたい。

でも、言われた側は、さらに孤独になることがあります。

今ほしいのは、正解ではない。
解決策でもない。
ただ、このつらさを分かろうとしてほしい。

そういう時もあります。

だから、弱音を吐く時には、最初にこう伝えてもよいのです。

アドバイスはいらないから、今日はただ聞いてほしい。

この一言があるだけで、相手もどう受け止めればよいか分かりやすくなります。

泣ける関係は、弱い関係ではない

夫婦の前で泣くことに、抵抗がある人もいます。

迷惑をかけたくない。
重いと思われたくない。
相手まで暗くしたくない。

でも、不妊治療の中で一度も弱音を吐けない関係は、かなり苦しいです。

泣けることは、弱さではありません。
安心して感情を出せる場所があるということです。

もちろん、相手にすべてを受け止めてもらう必要はありません。
夫婦だけで支えきれない時は、カウンセラー、看護師、信頼できる友人、専門職の力を借りてもよいと思います。

大切なのは、つらさを一人で密閉しないことです。

今日の使える一言

解決してほしいわけじゃなくて、今は少しだけ気持ちを聞いてほしい。

この言葉は、相手を責めるものではありません。
自分が今必要としている関わり方を伝える言葉です。

支える側も、「何をすればよいか」が分かると、寄り添いやすくなります。

今日の小さなワーク

今日は、次の3つを考えてみてください。

  1. 私は、どんな時に弱音を飲み込んでいるか

  2. 本当は、どんな言葉をかけてほしいか

  3. ただ聞いてほしい時、どう伝えればよいか

たとえば、

「今日は励まさなくていいから、聞いてほしい」
「今は原因を考えるより、つらかったねと言ってほしい」
「すぐに次の話をせず、少しだけ一緒にいてほしい」

こうした言葉を、自分の中で持っておくことが大切です。

今日の問い

私は、相手の前で弱音を吐けているだろうか?


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