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第57回 対話と合意を導入するために何ができるか

EQ、CQ,マインドフルネス、アサーションとNVCを統合し日本的心理的安全性をめざすマインドコンパスです。人と組織にポジティブな変化を起こそうとしている皆さん向けのお役立ち情報をメールマガジンとして発信してきましたがそれを再編集してnoteに投稿しています。
 

第57回 対話と合意を導入するために何ができるか


 
前回は、日本文化やこれまでの教育が、対話や合意の導入を難しくしているのではないかという話をしました。しかし、それだけでは希望が無いので、ではどうすればよいのかを考えてみたいと思います。
私自身、これまで10年以上にわたり、さまざまな組織でファシリテーターとして対話の導入に取り組んできました。うまくいったこともあれば、多くの失敗も経験しています。その中で感じているのは、日本の組織で対話が難しい理由は、次の3つに集約できるのではないかということです。
・異論を出すコストが高い
・結論を急ぐ圧力が強い
・最後は権威で決まる
逆に言えば、日本の組織で対話を導入するためには、
・リスクを下げる
・時間を増やさない
・権威と衝突しない
といった工夫が必要になります。
 


◯権威と衝突しない—むしろ権威者の迷いをサポートし、議論の余地をつくる


この中でも、日本の組織で対話と合意を阻害する最も大きな要因は、「最後は権威者の意向で決まる」という点です。しかし、ここにも可能性はあります。ホフステッドの6次元で見ると、日本の「権力格差(Power Distance)」は54と中程度に位置しています。一見すると「ほどほどの上下関係」とも見えますが、実際にはそう単純ではありません。日本では、強い階層志向(ヒエラルキー重視)と、強い参加志向(現場の声を重視する姿勢)が同時に存在しており、その結果として平均的に中間値に見えているのです。
例えば、階層志向の側面としては、年功序列や肩書を重視する文化があります。上司・部下の関係では役職が発言権や意思決定力に直結し、会議での発言順や席順にも配慮がなされます。一方で、参加志向の側面としては、合意形成(コンセンサス)を重視する意思決定があります。会議では全員の意見を聞き、「根回し」や水面下での調整に多くの時間をかけることが一般的です。上司であっても「みんなが納得していないと動けない」とされる場面も少なくありません。
 
このような文化特性を前提にすると、対話と合意を導入するための余地は実は多くあります。上位者も、単純な指示命令だけでは人が動かないことを理解しています。そのため、会議前に関係者と打ち合わせを行う、いわゆる「根回し」は自然な行為として受け入れられています。事前に議題についてファシリテーターが話をすることに対して、強く拒まれることはあまりありません。
ファシリテーターとしては、この事前の場で上位者に対して、次の2点を確認します。
①どこまでの自由度があるのか
②その根本目的は何か
変化が激しく不確実性の高い時代においては、実は上司自身も「正解」を持っていないことが少なくありません。特に②の「根本目的」を明確にすることは、上意下達を対話と合意に変える大きなチャンスになります。
 
例えば、上司が「残業を月間10時間削減する」という方針を持っていたとします。これをそのまま指示命令として伝えると、部下は「仕事量を変えずに残業を減らすのは無理だ」と強い反発を感じるでしょう。しかし、その背景に「残業が多いと新入社員の定着率が下がる」「採用にも影響が出るため改善したい」という上位者の意図があるとします。この“真意”が共有されると、話の前提が変わります。
「残業を減らす」ことは目的ではなく手段の一つとなり、「どうすれば人が定着するか」「魅力的な職場とは何か」といった、より広い視点での議論が可能になります。その結果、残業削減以外の選択肢も含めた多様なアイデアが生まれ、上司・部下双方にとって納得感のある議論につながります。
 
ファシリテーターの最も重要な役割の一つは、会議のオーナーに対して「なぜこの議題を扱うのか」を確認し、その背景や意図を丁寧に掘り下げることです。そして、できるだけ議論の自由度を確保しておくことです。
ファシリテーターの仕事は当日の進行だけではありません。「段取り八分」と言われるように、会議前の準備が非常に重要です。
 

『ニッポンの外で見つけた「新しい働き方」の物語』


 
日頃の感謝も込めて、今後開催する対談やセミナーを無料で公開しています。ご興味のあるテーマがありましたら、お気軽にご参加ください。

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会社には肩書や役職があります。しかし人生100年時代と言われる今、会社以外の人とのつながりや居場所も大切になってきています。退職後のためだけではなく、現役世代にも役立つ「社会資本」という考え方について語り合います。


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「海外に視点を広げると、人生の選択肢はもっと増える」


『海外移住は人生や社会にイノベーションを起こす』著者・足利弥生さんとの対談です。
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企業研修でも扱っている内容をもとに、職場・家庭・地域活動など、さまざまな場面で活用できる形でご紹介します。
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7月29日(水)20:00〜21:00:相手が話したくなる「聴き方」
7月30日(木)20:00〜21:00:1on1・組織コーチング実践入門
※1回のみの参加も歓迎です

これからも、学んだことや考えたことを少しずつ発信していきます。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
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