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PMSとは ― 日本の矯正医療が抱える“見えない遅れ”



PMS ― “記録”から“仕組み化”へ

PMS(Practice Management System)とは、 医院の診療・業務・経営を“整理し、つなげて見える化する”ためのシステムです。
例えば、電子カルテは患者一人ひとりの診療履歴を記録するものですが、PMSは医院全体をどう動かすかを設計・管理するもの。
つまり、PMSは単なる記録や請求処理に留まらず、診療運営のあらゆる側面を網羅する包括的なプラットフォームを指します。

たとえば――
「先月と比較して初診相談患者は増えているか」「前年と比較して利益は変化したか」
こうした情報をすぐに確認できることで、医療全体の質を安定させるのがPMSの役割です。PMSの目的は「診療の効率化」だけではなく、「医院運営の見える化と最適化」、つまり臨床を支えるインフラと言えるでしょう。


矯正歯科が抱える、見えにくい課題

矯正歯科医院の多くでは、今も次のような課題が残っています。先生の中にも、心当たりがある項目があるのではないでしょうか?

✔︎治療の運用フローが院長の経験や勘に依存している
✔︎カルテ・画像・技工・会計などがバラバラのシステムや紙で管理されている
✔︎スタッフ間で患者さんの特記事項や治療の優先順位を把握しづらく、共有に時間がかかる
✔︎来院数や単価などの経営データが集約されず、判断材料が限られている

矯正歯科は、診療・教育・経営がすべて密接に連動しています。
にもかかわらず、治療の業務フローは院長の頭の中、予約管理はアポ管理ソフト、利益管理はExcel──などといったた構造では、 院内のどこにも“全体を俯瞰できる視点”が存在しない状態になり、以下のような非効率が日常的に発生します。

  • 同じ患者情報を何度も入力・転記する

  • 患者対応や治療経過の確認に時間がかかる

  • 来院数・売上・コストをリアルタイムに把握できず、経営判断が遅れる

  • 結局、月次の税理士との打合せでしか数字管理ができていない

このような環境では、治療の再現性や教育体制の構築が難しくなり、 結果として医療の質にばらつきが生まれてしまいます。

欧州では近年、医療だけでなく歯科領域でもPMS(Practice Management System)が広く普及し、多くの国でスタンダードとなっています。米国とヨーロッパでは、80%(※参考値)の歯科医院が歯科診療管理ソフトウェア (DPMS) を採用しているともされています。

DPMS = Dental Practice Management System…歯科医院向けの診療・運営支援システム

しかしながら、国内ではそもそもPMSの概念が浸透していないのが現状であり、医療の質を支える仕組みとしてのPMSの重要性、その理解はまだ進んでいないと言えます。

例えば、医療DXの代表例でもある電子カルテ。歯科分野では、導入率が2008年〜2020年にかけて上昇したものの、令和2年以降ほぼ横ばい(約48〜50%)で頭打ちとなっています。
保険歯科医療をメインで行う歯科医院ですらこのような現状ということは、保険診療以外での自由診療を中心に行っている矯正歯科専門医院で実際に電子カルテやPMSが機能している医院は、ごく一部に限られると考えられます。
DX…デジタルトランスフォーメーションの略称。医療分野のDXは、提供する医療の質と効率を上げるためデジタル化を進める取り組みを指します。

なお、上記のデータは保険医登録をしている歯科診療所を対象にした統計であり、自費診療を主とする矯正専門医院は含まれていない可能性が高いと考えられます。
つまり、この値はあくまで「一般歯科」の一部傾向に過ぎません。国が推進・支援している“保険医療の中”ですら、これほどの普及率にとどまっているというのが現状。であれば、公的支援の少ない“自由診療が中心”の矯正歯科では、さらに導入率が低いことは想像に難くありません。

矯正歯科医院のカルテ電子化の導入率が低い理由としては、

  • 医科向けシステムが中心で、歯科特有機能が不足している

  • 認知度の低さ、ドクターやスタッフの抵抗感

  • 小規模院では導入コスト負担が大きい

  • 海外のように国が導入を支援してこなかった

  • 電子化が義務化されていない

等の理由が挙げられます。


矯正歯科においては、検査資料の分析や矯正装置の設計など、診療に関わる業務のデジタル化が大きく進んでいることから「導入意欲はあるが、仕組みが整っていない」という構造的ギャップも、普及の停滞を招いていると考えられるでしょう。
近年は政府も「医療DX推進」を掲げ、「IT導入補助金」や医療DX推進体制整備加算など、電子カルテなどのデジタルツール導入を支援する制度を段階的に拡充しています。

しかし、歯科の現場ではいまだに紙カルテや個別Excel管理が主流「情報の一元化」や「診療データの活用」という点では大きく遅れを取っており、結果として治療の再現性・教育性・共有性に限界が生じています。「技術があるのに、仕組みが追いついていない」──これが今、日本の矯正医療が直面している課題です。


矯正歯科医療におけるPMSの意義

矯正治療は、診断から経過観察、治療完了までに長い期間を要し、多様な診断要素や膨大な画像・スキャンデータを扱う、データ密度の高い医療分野です。その中で、PMSの導入は診療の質と現場の働き方の両面において大きな価値をもたらします。


業務をもっとスムーズに。治療に向き合う時間が増える

予約や会計、画像管理といった日々の業務をひとつのシステム上で連携・整理できることで、作業の重複や記入ミスがの減少も期待できます。これにより、「誰が・何を・どこまで対応したか」が把握しやすくなり、スタッフ同士の引き継ぎや確認もスムーズに。本来集中すべき「診療」にしっかり時間を使える環境を目指せます。
また、診療後に残る事務作業や書類整理の負担が減ることで、スタッフの残業を抑えるだけでなく、文献を読んだり、治療方針を見直したりと、医療の質を高める時間の確保にもつながります。


大切な記録をしっかり守る

PMSでは、診療記録、会計情報、患者さんとのやりとりの履歴まで一元管理が可能です
個人情報保護法や医療情報の管理基準に沿った設計で、記録の保存や共有も安心。医療記録を安全に扱うための基盤として機能します。
また、誰にでも起こり得る小さなミスも、PMSによる記録・確認フローによってリスクを最小化。ミスが減る=患者さんの安全が守られるという点でも、重要な役割を果たします。


経営も「なんとなく」ではなく、データで判断

「最近患者が減ってきた気がする」「スタッフを増やすタイミングが難しい」そうした感覚的な判断ではなく、実際の数値(来院数、売上、治療件数など)に基づいた意思決定が可能になるのも、PMSの強みです。
医院の“今”を把握し、「どこに改善余地があるのか」「次に何をすべきか」が見えてくる。
直感ではなく、数字に基づいた経営判断がしやすくなります。また、来院数やキャンセル率、診療単価、リピート率といったKPI※を見える化することで、目標に対する進捗をスタッフと共有しながら運営改善を進めることも可能に。
Key Performance Indicator…重要業績評価指標。例えば、初診相談数や契約数、キャンセル率など、医院の成長や安定を測るための数値目標を指します。

このように、PMSは単なる業務効率化ツールではありません。診療の質、患者との信頼、チームの働きやすさ、医院の持続性。すべてを少しずつ、確実に支えてくれる仕組みなのです。


吉住 淳(矯正歯科医/b-align開発責任者)

「日本の矯正医療は、技術レベルでは世界のトップクラスにあります。
しかし、治療の質を再現できる形で残す仕組みや、経営の視点から診療を最適化する文化はまだ十分に整っていません。私自身、臨床と経営の両方に関わる中で痛感しているのは、医療の質を守るためには“現場の努力”だけでなく、それを支える情報と運用の仕組みが不可欠だということです。
経験や感覚に頼らず、データに基づいて判断できる環境を整えることが、矯正歯科が発展するための鍵だと考えています。」

b-alignが実現する、矯正専門PMS

b-alignは、現役の矯正歯科医の視点から設計された、国内初の矯正歯科専門のPMS。現場で日々感じる「診療・記録・共有の非効率」を解消するために開発されました。
一般的な電子カルテとは異なり、b-alignでは以下のような“矯正特有の管理要素”を統合しています。

  • セファロ・写真・3Dスキャンデータの一元管理

  • 診断情報と治療経過の時系列比較

  • 予約・会計・カルテの自動連携

  • 技工指示書の作成・オンラインでの提出

b-alignでは、「診断 → 治療開始→ 経過 →治療終了」の一連の流れを、すべてひとつのシステム上で管理可能。これにより、属人化しがちな治療運用が、誰が関わっても一貫した判断と対応ができるチーム医療へと進化します。
矯正医療の現場にとって本当に必要な情報と仕組みだけを残し、日々の診療と教育、そして経営をしっかり支えるPMS──それがb-alignです。



PMSが切り開く矯正歯科の未来

矯正医療のデジタル化は、単なる“効率化”の話ではありません。目指すべきは、治療の質を高め、安定させるための「見える仕組み」をつくること。そしてその中心にあるべきものが、PMS(Practice Management System)です。
b-alignは、現場の課題から生まれたシステムとして「使いやすさ」はもちろん、「経営者である院長先生の判断を支える仕組み」であることも重視しています。効率化のためだけのツールではなく、より良い治療を続けるための環境をつくること──それが、私たちが考える“矯正のDX”です。
b-alignは、矯正医療に関わるすべてをつなぐプラットフォームとして、これからも先生方・スタッフ様の声をもとに、矯正医療にとって本当に意味のあるアップデートを続けていきます。

矯正歯科医院専用に設計されたクラウド型PMS「b-align(ビー・アライン)」の詳細はこちらから。


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