『冒険の書』を読む|作り手の道を照らす言葉に出会う
『冒険の書 AI時代のアンラーニング/孫 泰蔵』を読みました。
作り手として「こんな世界だったら嬉しいなあ」
と思う表現があり、書きとどめておこうと思うんです。
さて。
子どもにとって大きな問いでもある、
「学校ってなんだ?」「なんで学校に行くんだ?」
という問いは、大人になった私たちも然り。
モヤモヤしてますねえ。
子どもに「これだ!」というものも答えられないまま
凡々と日々は流れてるなーという実感があります。
12才の息子から「この本って、どんなこと書いてあんの?」
って訊かれて、お母さんなりに読み解くと、こうだよ。
っていうのを、作り手&おかーさん視点で記しておきます。
さてさて。
『冒険の書:孫泰蔵-著』は、
そんな「どうして学校の勉強はつまらないのか?」という
誰もが感じる問いから始まり、
人はなんのために学ぶのか?に向かっていきます。
歴史に残るたくさんの先人たちの言葉・考えを、
孫さんなりに丁寧に読みほぐし、
読み手となる私たちにたくさんの発見を与えてくれます。
「ああ、これはわかるぞ!」と腑に落ちたり、
「だからこうなったんだ!」と過去から見渡して現状を理解したり、
閉じちゃってたまなこが、グルン・グルンと見開いていく感覚です。
カーネギーさんの言葉
そのなかで、これは!という人物の言葉に出会いました。
作り手として、自分の作ったものを使ってくれる人たちがいる。
という仕事をしている身にとって、これほど嬉しい言葉はないなあ!
まさに、作り手の道を照らす「言葉・考え」だな、と。
それは、アメリカの作家デール・カーネギーの言葉です。
「誠実に、心をこめて、相手の良さを認める。」
Give honest, sincere appreciation.
アプリシエーション(appreciation)とは「ある人や物をきちんと理解する」という意味で、相手の良いところを理解してほめるというあたたかいまなざしがある。
辞書を見ると動詞のappreciateには、鑑賞する、感謝するの2つの意味があり、この2つの意味の間には切っても切り離せない密接な関係がある。
と、書かれており、
お?これは芸術とかアートに相通じるものなのかな?と読み進めていくと・・・
どんな芸術作品でも、それを鑑賞する人、すなわち「わかる人」がいなければ、意味も価値も生まれない。工芸や学問、製品やサービスも同じで、アプリシエイトする人がいてこそ「つくる人」はそれが励みとなって、さらに良いものづくりができる。
まさに、使ってくれて観てくれて喜んでくれて、ありがとう(作り手の想い)
そして、作ってくれて観せてくれて好いものを感動を、ありがとう(わかる人・使い手の想い)
これらが循環して、モノづくりは昇華していく。そう思うんです。
良い「つくり手」は、良い「使い手」であり、良い「わかり手」であることが多いのは偶然ではありません。多様な存在である人間が、お互いに尊敬しあい、高めあい、愛情によって支えあうことによって、私たちの創造はどんどん素晴らしいものになっていく。
これは物を作る態度にとどまらず、
人と向かいあい、人ともに高めあい学びあう場にも流れてきたら、
きっとそこは、あたたかく真の学びに近づける場へと育っていくのではないだろうか、と思うのです。
そして、冒険の書のラストに向かって出てくる「対話」にも相通じるものなのではないかと思うのです。
「対話」ってなんだろう?
対話は一人では成り立ちません。
わかりあえる人、わかりあえない人、多様な人と。
ともに、話す。
対話を通し過去を咀嚼し、未来へのまなざしを模索していく。
答えを求めるのでなく、問う。
問うて考え、行動する。
わたしは、「対話」をそんなふうに捉えています。
答えのある問題を解いて高得点を取る。
そんなような学びは、簡単です。
でも、答えのない問いを、もちゃもちゃ、
話しの合う人、合わない人、向き合って対話する。
って、本当にむずかしいと思うんです。
でも、12才の息子をみてると、
いや?そうでもないかもな?
って、フラットに思えてくるんです。
彼らは、サクッとフワッとしてます。
大人が変な昔のしがらみでダメだーって、勝手に思いこんでる垣根を。
彼らはひょいと越えていけそうな、そんな気がするんです。
なぜ学ぶのか?
それを、子どもに問う前に
自分たち、大人はどうなんだろう?
なぜ学ぶのかな?
それを問うてくる本だったように思います。
わたしは、なぜ学ぶのか?
というよりも、むしろ、これから、何をどんなふうに学ぶのか?
って、考えると、ワクワクします。
作って、作り終わると、わかることがあったり、
わからないことがあったりして、
また、次の「作る」につながっていきます。
ぐるぐる、ぐるぐる・・・
まわってめぐって、考えて。
これで終わりってなるまで、ぐるぐるしながら
作っていけたらいいなあって、思うんです。
*おまけ*
この本を読み終えて、2年前、試行錯誤しながら、みんなに協力してもらって、哲学対話のワークショップをひらいたことを思い出しました。
またやりたいな~、なんて思うよ。
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