見出し画像

【移民大国ニッポン】年間30万人流入──藤田文武が暴く“人口戦略欠落”の真実【前編】#13

※2025年4月に収録した対談を文章化したものです。実際の対談動画はこちらから。

東:では、藤田さん。本日はありがとうございます。

藤田:よろしくお願いします。

藤田 文武(ふじた ふみたけ)
1980年生まれ。2019年に衆議院議員に初当選し、現在3期目。2021年より約3年間、日本維新の会の幹事長を務めた。

東:よろしくお願いいたします。藤田さんは、四條畷市を含む大阪12区選出の国会議員という方で、今日このような形でお招きをさせていただいて、お受けいただいてありがとうございます。

藤田:まさかこんな日が来るとは思わなかったんだけど(笑)選挙はね、やっぱり政治なので色々あるけれども、僕らはちょっとね、どちらかというと対決する側にいちゃったけれども。でも、地元の市長として本当にちゃんと市民のためにやってた東市長の姿は僕も見させてもらって、そういう意味で仕事の面で非常に信頼のおける地元市長ということで、我々の仲間が挑戦して敗れたこともあったけれども、でも本当に地元代議士としても立ててくれたし、本当にお疲れ様でした。感謝してます。

東:ありがとうございます。出会いは、実は私が高校生の時で、保健の先生?

藤田:保健・体育で、1年生の時に僕が非常勤講師で行っておそらく教えてるんですよね。

東:そうですよね。2人ともの母校である四條畷高校このことはちょっと今日言うか迷ったんですけど、大変おモテになられててですね(笑)バレンタインが、男子生徒みんなから藤田さんが嫌われるぐらい大変なことになって…

藤田:それは否定しないんですけど(笑)非常に、縁というかそういう若い頃からすれ違ってきた、すれ違ったと言うのか触れ合ってきたのか、そういう縁を感じて貴重なご縁だなというふうに思っています。

東:今日はですね、このチャンネル自体が身近な課題から制度全体を俯瞰していこうというのがコンセプトになっておりまして、特にいま多く国民の皆さん、市民の皆さんも、外国籍の方が身近に増えてきたなっておそらく実感を持って感じてきておられると思います。客観的数値としてもそうかなと。この問題は、実はそういう身近なものだけではなくて日本国全体の制度として見つめなきゃいけない問題かなというふうに思っております。

直近、特に藤田さんにおかれてはよく国会の方でもご質問をされておられますので、この問題を今日は伺っていきたいと思っています。

東 修平(あずま しゅうへい)
1988年大阪府四條畷市生まれ。京都大学工学部卒業、同大学院工学研究科修士課程修了(原子核工学)。外務省、野村総合研究所インドを経て、当時の最年少となる28歳で四條畷市長に就任。
「市民中心のまちづくり」をビジョンとして、市民との対話を徹底して実行。組織運営理念として「日本一前向きな市役所」を掲げ、11年ぶりの人口の社会増、31年ぶりの財政構造の健全化を実現した他、全国初事例を多数創出。公約の達成を機に、3期目には出馬せず、2期8年にて退任。
現在は、より良い社会の在り方を探究すべく、YouTubeやVoicyなどにてパーソナリティを務めている。

藤田:よろしくお願いします。

東:よろしくお願いします。外国籍の方の課題というのはいろいろあると思うんですけど、あんまり広い論点からいくとあれですので、まずは在留資格のある方々の問題と、無い方々ってまずカテゴリできると思うんですけど、まずこの在留資格を持たれている外国人の皆さんおいて、今まさにここが課題じゃないかって思われてるところから教えてもらっていいですか?

年間30万人増の衝撃データ

藤田:まず、ミクロの問題とマクロの問題は分けるべきだと思っていて、ミクロの問題というのは、いまの在留資格の話とか、実際に働いて子どもさんどうするのかとか、教育問題どうするのかってこういうミクロの問題はあったり、あとは不正の問題とか、制度の誤用・濫用の問題。こういうことはしっかりと対応していくというのが前提で、その話はちょっと後で、もし時間がそればできたらいいんですけど、僕の一番は、やっぱりマクロの課題意識が一番大きくて。

というのも、コロナ中はちょっとしぼんでたんですが、その後、毎年30万人ずつぐらいのスピードで総量が増えていると。直近、2024年でいうと370万人。前年度比10%増。こういう状況で、おそらく来年も再来年もさらに早いスピードかなというぐらいで増えていくと。いま全人口の3%ぐらいが在留外国人の人口というところが、このこともかなり増えてきたんだけど、僕の試算というか直近の数字をもとに試算すると、2040年代後半ぐらいに10%超えてくると。このことが現実なんだけれども、でもその現実を全然直視できてなかったり、または国民の皆さんにちゃんと理解醸成ができていないというのがかなり問題で。

もっと言うと、僕はそのスピードが本当に果たして社会の制度とか国民心理的な受け入れとかがちゃんとできていくのか?という非常に危機感があって、なし崩し的に増えていっている。そして増えていっていることに対して明確な方針がないまま進んでいるのに一番の危機感があるというのが、マクロの総量がもの非常にスピードで増えていってるというのが、一番のまず僕の問題意識ですね。

東:なるほど。私はこの問題に関して、日本国として「移民」という言葉をどう定義してるのか?というのが非常に問題なのかなと。日本の定義って非常に特殊なのかなというふうに思っていて、これだけ働く形で多くの方が来られているのに、移民じゃないんだというこのロジックが、私は成り立たなくなってきてるんじゃないかなと思ってるんですけど、どう思いますか?

「移民じゃない」政府ロジックを斬る

藤田:僕も全く同じで、この間も国会の質疑でそれを取り上げさせてもらって、移民って諸外国だったり、例えば国連のような国際機関では、1年以上、他の国で生まれた人がある国で滞在することを広義の「移民」として定義付けられているんだけれども、日本の場合はいわゆる、人口政策的に一定のボリュームを支えるために、もともと定住を目的として入ってくる人を受け入れることを移民とおそらく言うんだろうから、うちがやってるのは移民じゃないよということを言っていて。

でもそのロジックで言うと、今度2024年に成立して27年から実質スタートする育成就労制度。このことは明らかに定住を見据えられる制度に変わっていて、おそらく入ってくる時点からもうずっといたい人がほとんどになってくると。なので、入り口から定住を目指す人のボリュームが圧倒的に多いというのがまず一つ。

それからボリュームで言うと、あと20年ぐらいで人口規模の10%ぐらいになるかもしれないというそういうシミュレーションで言うと、一定人口を支えているというふうに定義づけてもいいんじゃないかと。こういう現象を見た時に、いや移民じゃないんだよと、だから皆さん安心してくださいというのは詭弁で、日本政府にありがちな話なのかもしれないけど、本当それはまず問題だなと僕も思います。

東:そうですよね。1990年の日系の方を受け入れていくということと、研修という形で迎え入れると。だから移民じゃないというこのロジックが、30年以上経ってもずっと残ってきていて、つぎはぎ、つぎはぎで何とかロジックを作って、移民じゃないって言ってきてる。いまそういう現状かなと思ってるんですけど、このことを変えていこうと思った場合に、どこが一番センターピンって捉えておられますかね?

人口戦略なき国家の危機

藤田:まず二つあって、一番やらないといけないのは、まず外国人の問題はイコール人口政策であり人口戦略だから、この大方針をまず決めないといけないと。このことは政治的意思決定におそらくなるので、しかも外国人の問題って入管庁、つまり上部団体は法務省が管轄しているけど、彼らに方針を決める権限はないので、それはやっぱりトップに近い総理に近い組織で決めないといけないという方針の話。

もう一つは、それを部門横断的にマネージできる組織体を、いきなり省庁を作るというのは大変だけども、昔でいう経済財政諮問会議のようなところからでもいいから始めて、方針を作りながら指令塔機能をちゃんと総理官邸にまず置くというのが一番最初にやらないといけないことで。

このことはいち早くやるべきで、なぜなら人には営みがあるので、入ってきたらその日から生活が始まるし、日日非常にスピードでボリュームが増えていってるということなので、気づけばものすごいボリュームになってしまって、はたと考えた時に、その人たちに対していったん受け入れて理不尽にいきなりボリューム増えたんでみんな帰ってくださいというのは、僕は絶対できないと思うし、やるべきでもないと思うので、そこをまず方針を作る議論をちゃんと表でして、そして方針ができ、そして部門横断的に司令塔機能を果たせるようなヘッドクォーターがちゃんとあるということをmまずやらないといけないかなと思うんですね。

東:なるほど。その場合、先ほど人口の10%以上になってくるというお話もあったと思うんですけど、国立社会保障・人口問題研究所、国立とはいえ政府の外の機関が、しれっとというか気づけば10%ぐらいになるんだよというシミュレーションが、ぬるっと出てきて、このことをもとにいろんな計算をされていると。でも、国の方はこれは社人研が出した数字なんで使ってるだけのようなトーンだというふうに思っていて。このことを、イメージでは総理直轄の何らかの組織で人口推計のようなものを出していくべきだというお考えですか?

藤田:細かなシンクタンク機能というのは、そういう社人研のような、厚労省の外郭団体、シンクタンクのような扱いなんですが、そういうところに研究してもらうというのはいいけれども、それをちゃんと中で機能として持つというのもいいし。それをちゃんと承認し、これが公式見解だということからスタートすべきだと思っていて。

さっきの社人研のデータで言うと、例えば年金財政の話。僕も国会でも取り上げて、年金財政を裏打ちするバックデータは社人研を使っていて、これって厚労省が正式に認めるんですか?というと、これはあくまで社人研、外部シンクタンクの数字を使っているので、根拠はそっちに聞いてくださいと。

まさに言っているように、ちょっと責任逃れしてるんだけど、でもそこで使われているデータというのは、2070年に10%を超えるという数値で、実は出生率、日本人の子どもがどれくらい生まれるかという出生率が1.3ぐらいで組まれていて、いま実際には1.15ぐらいなんで高く組まれてしまっているのと、あと外国人の流入がどれくらい増えていくかという話でいくと、毎年16万人ぐらいを設定していて、それが一応公式見解なんですよね。でも実際には、日本人は想定よりももっと早く減る。外国人は想定の、今でも足元でも倍以上のスピードで増えていってるので、僕がそれを数字を置き直して計算、うちの事務所で社人研のデータを使ってやると、2040年代後半だから20年後ぐらいに10%、つまり3倍以上になる。

このスピードに果たして耐えられるのかというのがあって、その時にやっぱり先行指標として見ないといけないのは、ヨーロッパ諸国のようにたくさん受け入れた国がどういう問題が噴出したり、または乗り越えたりしているかということを研究すべきだと思っていて。私が一番恐れているのは、みんな労働力が不足しているから人を入れたいんでしょうと。うちの地元企業でもそうですよね?介護とか障がい福祉もそうだし、工場さんもそうだし、僕も交流あるから非常にいい感じに働いてくださってるのは認めるし、むしろ歓迎したい。

でも、そうやっていろんな領域にもっともっと緩和してくれというふうに要請を受けて、ボトムアップでどんどんどんどん増えていって、気づけば総量がものすごいボリュームになる得る可能性があるという時に、そこをボトムアップだけでなし崩し的に、実は気づけばこんなことになってましたというので、果たして人口の問題とかはいいのかなというのが一番の疑問で。

東:そうですね。どっちかというとコップの水がまだこぼれないなというのを、ずっと足されていってる状態で、おそらく間もなく臨界点を迎えてしまわざるを得ないのかなと。もう少しマクロの話を聞きたいんですけど、先ほど欧州等の先行事例を見ていくべきだというお話だったと思うんですけど、そういう先行事例を見ていった場合、日本だとどういう部分を良き例として、もしくは反面教師として見ていったらいいとお考えですか?

移民政策における2つの論点

藤田:まずこの外国人の問題、つまり日本では用語として使ってないけど移民政策というので言うと二つあると言われていて、一つは出入国をしっかりと管理する、入りと出の話。悪い人はちゃんと帰ってもらいましょうとか、出入国をしっかりやります よという話。

もう一つは、社会に統合していく統合政策というのがあって、これは実は2種類あるというふうに色分けされていて、一つは「多文化共生」で、自分のアイデンティティとか文化性のようなものを対等に扱うと。これはかなり隔絶が生まれるらしくて、それの失敗がドイツとかフランスとかと言われてたりして。もう一つが「同化政策」的なもので、日本に来ていただいたら日本の文化、もちろん日本語。日本の慣習にやっぱり従ってもらい、学んでもらい。愛着を持ってもらうということを徹底してやりましょうと。もちろんこれをやるべきだと思っていて。

その受け皿をやっぱり作るということと、それこそ自治体の長をやられていて一番大変なのは、国は在留管理をやっていて、県が治安維持を警察とかやっていて、自治体は住民サービスのほぼ全てをやっていて、住民サービスが一番日日のことで。でも情報共有がうまくいけてないし、いきなり問題が現れる。人なので入ってきたらその日から何か問題が起きれば対応しないといけない。ここを部門横断的に、そして基礎自治体と広域(自治体)と国がうまく連携していくというちゃんとした受け皿を作らないといけないんじゃないかなという問題意識があります。

東:なるほど。この「社会統合」という用語が、どうしてもいろんな方々にとって誤解も生みやすい。統合というとすごく強制的なおそらくニュアンスを持ってしまっていると思うんですけど、いま総務省の方で多文化共生、文化庁の方で日本語教育の方針を持っていたり、法務省で出入国在留というバラバラそれぞれ通知が来て、それぞれ対応してのような状況で、おっしゃる通りかなり自治体としてはどうしよう?という、あまり財源措置もない中で困っている状況かなというふうに思っています。

社会統合の問題を実際に進めていく上で。いわゆる同化とおっしゃられましたけど、同化政策というところは国が主体的に見ていくのか、やっぱり自治体に任せていくのか、どんなイメージを持っておられますか?

正義と正義による対立

藤田:これはいろんな考え方があると思うんだけど、僕はやっぱり自治体が主体になって。やっぱり身近なところでやっていってもらわないとワークしないんじゃないかなと。というのは、それぞれの地域の特性もあるので、国が一律にできないんじゃないかなというのはまず一つある。

あと実は、実態としていまはそういう同化政策的なことが行われてて。それは企業がかなり担っていて。例えば、地元の大東とか四條畷の工場を持たれているところに技能実習とかで、来られてて50人ぐらいの社員のところに10人くらいいる企業さんとかがいて、僕も懇親会とか行かせてもらったりすることはあるんだけど、すごくいい雰囲気だし、地元の祭りにも行ってるし、困ったら従業員が助けてるし。つまり民間で、そういうちゃんと生活が困らず、そして何か例えば病気したりとか事故したりとか人生の相談だったりとか、そういうことがちゃんと細やかにできるという意味で、実はいま企業がかなり担ってる部分があって、それは非常に良い事例で、僕は非常に良い会社さんをおそらく見たと思うんですけど、それも並行してちゃんとワークさせながら、自治体がちゃんと支援していく。そこには実質的にはお金もかかるだろうし、そういうものも冷静にやっていかないとというのが一個あると。

もう一つ、ちょっとさっき言い忘れたことで言うと。そういう国民的コンセンサスが、特に僕は総量も非常に気にしてるんですが、総量が国民的コンセンサスを得ないまま、移民じゃないと言いながら移民的政策がすごく拡大していく中で、気づけばそれ?非常に多くない?ってなった時に、起こり得るのが様々な分断だと思っていて。

実際ドイツはそれが起こっていて。移民をどちらかというと排除しようというか嫌う勢力、極右勢力と世の中で呼ぶ勢力が、政治的にかなり人気を博して躍進してしまうという。彼らには彼らの正義があると思うんだけど、それが激しい政治的分断になるというのはかなり悲劇だと思っていて。だから、このことは政府と僕も対立するつもりはなくて、方針を作ろうと。司令塔もいるよねと。細やかにいろんな指摘をしながら。やっぱり表で議論するというのが大事だと思っていて、だから国会でも、わざとかなり細かく丁寧に、ヘイト的にならないように気をつけながら、この問題の重大さというものを国民の皆さんにも知ってほしいなという思いでやってるんですけど。

東:なるほど。ということは、やはりマクロ的な総量とおっしゃられましたけれども、正直申し上げて、おそらくもう日本は移民国ってちゃんと言うべきかなと私は思っていて。この速度で増えてるわけですから。しっかりと位置づけた上で。その総量と社会統合の部分を、中央司令がしっかりいた上で各自治体が担っていくというのがイメージでしょうか?

藤田:おっしゃるとおり。

東:なるほど、ありがとうございます 。逆にマクロの話を聞き続けてきたんですが、ミクロにもちょっと踏み込みたいなと思っていまして。ミクロの問題も正直まだまだ様々な課題があるのかなというふうに思っているんですが、ミクロだとやっぱりここ問題じゃないかと思っているところはありますか?

欧州の分断を他山の石に

藤田:ちょっと一つ国会でも取り上げた事例で、自治体が非常に大変な事例の中で、今かなりニュースにも出ちゃっていますが、埼玉県の川口市。私も現地に視察とか行かせてもらいましたが、こういう事例があって。

トルコ籍のクルド人の方が一気に増えていってて、それはだいたいビザで言うと観光ビザですよね。しかもビザ査証免除国。ビザなしで来れると。で、滞在できる期間は3ヶ月なんですけど、それが切れるか切れないかの前に難民申請をする。そうすると審査に2〜3年かかるということで、働き始められるようなビザに変わっていく人もいると。

その時に、在留資格がない人というのがかなり出てきて、その人たちは市中にいる。まず、これがどれぐらいいるのかというのが、市町村がリアルタイムに把握できないから、誰がどれだけいるかわからないから、対応を先手でできないのがまず問題だと。

子どもさんも旅行ビザなので、来たらいらっしゃる場合があって、いわゆる不法滞在、在留資格がない人たちなのに、ピンポンって学校に教育受けたいとか教育委員会にお願いしますって来たら、条約上・人道上の観点から受け入れないといけないということが、いきなりある日突然、学校現場に突きつけられるというのがあって。このことはでも、それこそ市町村で教育も所管してる身からすると、いきなりそういう人が、しかも親は在留資格ない大変な状況で収入もないかもしれなくて、子どもさんは日本語喋れないという人がいきなり来たら、非常に大変ですよね?

そういうことがかなり起こり始めてて、このことは数が増えれば増えるほど非常に問題化していくというか、人々の営みなので、結局、知り合いのところに集まってくると。クルド人もなんで増えたかって、やっぱり一番最初に来た人がいて、その人が非常にまあおそらく甲斐性があったんでしょうね。

東:最近あんまり聞かない言葉ですけど…甲斐性がね。

藤田:いろいろ引っ張ってきて、いまはとりあえずそこにたどり着いたら生きてはいける。そうすると、そこを頼ってどんどん来るということがあって、それはすごく速いスピードで、ググっと恐ろしいスピードで増える可能性があると。

だから、四條畷もある意味、そんな甲斐性のある人がぽっと一人来て、商売やってて給料払える。そういう余力がある人が来たらいきなり増えるという可能性も実はあって。だからそういうことが起こりえるんだよってことは、自治体の皆さんにも、日本全体の話として頭に入れないといけないだろうし、その対策を何か起こってからじゃなくて、前もってサポートできるようにしないといけないんじゃないかなというのがありますね。

東:おっしゃるとおりですね。やはり在留資格があれば住民基本台帳に載りますので我々も把握ができますし、対応が打てる。もう少し言うと、住民基本台帳に載れば地方交付税の算定で計算に入れられるので、ちゃんと国からも財源が来て、そのお金で例えば日本語のサポートができるとか、相談窓口を設けるとか可能なんですが、在留資格がないと基本台帳にも戻ってないので、要は財源も全部持ち出し。

藤田:きついよね。

東:かつ、私の親しい市長時代の仲間から話を聞いてると、持ち出しになる、かつ、おっしゃるとおり、人が人を呼んでくる状態なので、手厚くするほどもっともっと人が来るという…

藤田:これはかなりジレンマで、問題には対応しないといけないけど、対応が上手やったらそこの評判が良くなるのでそういう人がたくさん来る。あと、教会とかも非常に影響する。教会がちゃんとあって、そこに集えたりサポートしてくれるとか、ウェットな人間の生活的な理由でグググっと増える可能性があるのでかなり悩ましいところではあるね。

東:そうですよね。行政だと、今おそらく四條畷市もそうなんですが、日本語教育というのは文化庁が持っているので、社会教育部門が担っていたりするんですよね。でも、受け入れは地域協働のようなものを担当している部門とか、市町村の中でも実はばらけているいう状況で。先駆け的な浜松市さんとかだと、ちゃんと外国人課のようなところを置いて横断で対応されていて、このことは自治体側にも求められてますし、そうするとちゃんと法務省と連携していきやすくなるのかなと。

ただこの問題については、おそらく今回入管法の改正もあって、難民申請というところもいろいろしっかり捉えていきましょうという気運にはなってるんですけど。この教育の部分はあんまりまだ気運が高まってないのかなと思っていて、それはどう見てらっしゃいますか?

制度大転換:育成就労→定住への道

藤田:まず、例えば在留資格のない人の事例をさっき言わせてもらいましたが、この間確認して「へぇ」と思ったのは、在留資格のない人がいきなり来たとすると、普通の日本語を喋れないちゃんと働いておられて在留資格がある家庭よりも、サポート大変でしょう?明らかに。でも、既存制度の日本語を喋れない人たちの予算の枠組みの中でやってと。しかも、ある日突然来たら、いきなりやってと言われると。それは大変だよねと。そういうイレギュラーな人をもう受け入れざるを得ないという制度なんだから、それはそれでちゃんと措置を作っておくというのが必要なんだろうというのが一つですね。

東:なるほど。どういうふうにしていけば、本当にこれが受け入れられていくのか?なぜなら、冒頭にお話ししていただいたように、政府としては移民政策を取らないと言っている以上、ここに明確な指針って出しづらいのかなと。

藤田:それはあるかもしれないけど、ただ今の話は、例えば難民申請の話とか在留資格とかの話なので、方針を出して予算を措置するということは、技術上、十分可能だと思うので。

藤田:何を僕が言いたいかというと、総量の話がまず大事で、総量が増えるといろんなところに波及して、さまざまなミクロの問題が連発してくるということになっていて、それはかなり予測できて、どういうところにどういう問題が出て、どこに負担がいくかというのは、まずやっぱりシミュレーションする。だから、そういう司令塔機能で、ここに人口が増えると教育現場には必ず影響がいくよねとか、治安にもいくよねとか、そういう問題というのはある程度モデルケースが諸外国にもあるので、そういうことをちゃんと一元的に管理して、じゃあ都道府県と自治体はこういう連携しないといけないよねという設計を、おそらくこの3〜4年の間に作ってしまわないといけないんじゃないかなと思いますね。

いま、制度でいうと技能実習が育成就労に変わります。で、特定技能というのに移行できるようになると。その後、定住ってなるんですけど、特定技能も2段階あって1と2で、2になると家族を呼び寄せられる。ここで僕、必ず出る議論だなと思うのは、2になるまでに5〜6年から7〜8年ぐらいかかってて、そうすると日本の国内で恋愛して子ども産む人もいるし、母国で親が例えば病気になったとか、子どもがもともといるとか、こういう人を呼びたいというのは、人情としては分からんでもないなと。

そうすると家族帯同も拡大されていくという話もあって、するとまさに増えるスピードがさらに加速度的に上がる。そういう人たちは働き手として貢献するだけじゃなくて、社会保障の受け手なのでコストもかかるし、もちろんちゃんと受け入れるなら受け入れてあげた方がいい。だから、まさになし崩し的に問題がバーっと増えて、問題が起こったら何か考えるじゃなくて、まさに人口政策として外国人、いわゆる移民政策として統合していくというか、政策を統合していくというのをまさにやらないといけないんじゃないかなと。

東:これは聞いてくださっている方にもお伝えしたいのが、様々な入り口があるんですよね。まず今おっしゃっていただいたような技能実習。これはあくまで労働力ではなくて、国際貢献といいますか、研修だというような位置づけ。また、いま言われたような特定技能。これはもはや労働力かなと。いま2号がおそらく急速に増えてきている。他にも、いわゆる高度人材もあれば、もともと日系の方で永住権を持ってらっしゃる方とか、あとは韓国とか朝鮮籍の特別永住のようなものもあるのかなというふうに思っています。それに加えて、いま在留資格のない方々で難民申請中とか、国会でも取り上げておられました仮放免の方々とかって、本当に入り口がいっぱいあって。

これを混ぜて議論しちゃうとかなり危険で、在留資格がない人の問題を、ある人に適用したりして、かなりぐちゃぐちゃとなってる議論が散見されるんですけど、これはかなり整理した方がいいのかなと。

今おっしゃられたように、明らかに育成就労から特定技能1号・2号への変化は、もう長いスパンで見た人口移動だと思ってるんですよね。

藤田:定住に近い。まさに趣旨が今回変わってて、去年の入管難民法の改正は僕は支持してるんだけど、どちらかというと今までよりも良くなってるので。これはどういう法律だったかというと、技能実習制度を育成就労に変更するとともに、定住を目指せるようにうまく連結させるという制度設定と、悪いことした人はちゃんと帰ってもらいましょうというのを厳しくしますよという2本立てだったんですよね。だから、制度の作りとしては僕は正しいと思ってて、ここをすごい批判すべきじゃないとまず思っていて。

その上で、すごい大きな変化というのは、さっきおっしゃってたみたいに技能実習は相手国、母国の人たちのためのものという立てつけで、日本で仕事を覚えてもらって、その技能を母国に還元するという体(てい)で始まって、でも実際には労働力として使われていて、でももう堂々と労働力を育成し確保していくということが目的にも謳われたので、これは今日の一つのテーマかもしれないけど、まさに移民的政策なので、それは堂々と…何なのかね?移民と言っちゃダメのような。でも、諸外国で言う移民政策を、僕らは考えないといけないステージに来てるというのは、政治の世界ではあるあるなのかもしれないけど、非常に違和感が、僕はあるけどね。

いいなと思ったら応援しよう!

東 修平|Azuma Shuhei お読みいただきありがとうございました!実は話すことに比べて書くのが苦手です。そのため、気合を入れるべくいつもコーヒーを飲みながら作業しています。いただいたご支援は、書く力を増すためのコーヒー代にあてさせていただきます。