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住宅地のアズマモグラ……?

とある東京都の住宅街を歩いていると、気になる土の盛り上がりを見つけました。
こんな自然とはかけ離れた場所に、まさかね……。

そう思いながら気にしていたのですが、2年目にもやはり土は盛り上がっていました。
これは、2025年から2026年にかけての記録です。


2025/03/30(1年目)

土のある場所といえば、各家庭の庭ぐらいしかない住宅街を歩いていたところ、ふと気になるものがありました。

いつもは草がボーボーに生えていた場所が、きれいに除草されています。
そのきれいな土の上に、何やら違和感がありました。

遠くから見ると、土の色が変わっているところがありました。
もう少し近づいてみると、それはモグラ塚のようでした。

えぇ!?
こんな場所にモグラがいるの?

そう思うぐらい、ほんの少しだけ残った土の場所です。
この後も、たまにのぞいてはいたのですが、モグラ塚が新たに作られることはありませんでした。

やっぱり、モグラじゃなかったのかな……。
そう思って、がっかりしてしまいました。

2026/03/25(2年目)

1年前と同じ3月末。
アズマモグラが活動を始める季節です。

今年はどうかな?
そう思い、また住宅街に様子を見に行ってみました。

すると……。

おぉ!
土は乾いてしまっていますが、なんだかモグラ塚っぽいではありませんか。
木の周りや、境界石の真横に沿った土を見ると、かなりモグラ塚のように見えます。

でも、こんな場所で繁殖なんてできるのだろうか?
周りはコンクリートで囲まれています。
小さな道路を挟んだところに、庭があります。

この周辺にも別の個体が生息している可能性は、ゼロではありません。
ただ、アズマモグラの縄張りの広さから考えると、地表に見えている土の面積では、多くても3〜5匹ぐらいが限界だと思うんですよね。

もしかしたら、この住宅街に残っている数少ないアズマモグラの一匹なのかもしれません。

仮説

モグラは、土があり、餌となるミミズや昆虫がいる場所に生息していると考えています。
では、今回の住宅街はというと、餌はもしかしたらいるかもしれません。
なぜなら、年中草がボーボーに生えているからです(笑)。

問題となるのは、生息するための土ですが、かなりの面積がコンクリートに覆われています。
しかし、考え方を変えると、「コンクリートは土の上に敷かれている」のです。

道路に敷かれるコンクリートは、一般的に15cm〜30cmの厚さがあるとのことです。
さらに、住宅の駐車場は、より浅く10cm程度とのことです。

一方、モグラは冬になると、20〜30cmほど深い場所まで潜ることが知られています。
また、モグラは実は、ほかのモグラが作った坑道を使い回すことがあるそうです。

この2つを総合すると、次のような仮説が立てられます。

  1. 住宅街のアズマモグラたちは、先代が作った坑道を代々引き継いでいる可能性がある

  2. 本道は道路の下にある可能性がある

  3. 通常のアズマモグラの縄張りよりも狭い縄張りを持っており、予想よりも多い個体が生息している可能性がある

希望的な仮説ですが、これであれば、なんとか繁殖して住宅街に住み続けることは可能かもしれません。
とはいえ、もちろん確かめる方法はありません。
しかし、地上からは見えない場所に、代々つながる坑道があるのだとしたら──そう想像するだけで、この小さな土の盛り上がりが少し違って見えてきます。


<参考>

  • 川田伸一郎(2009) . 『モグラ博士のモグラの話』 . 岩波書店 .


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