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腎臓は壊したが、生活は壊さず生きている【213】

電車内の「ちいかわ占い」に、一喜一憂する大人でいたい

仕事柄、電車に乗る機会が比較的多い。

移動中、スマホを見ることにも少し疲れると、なんとなく車内のドア上にある液晶画面を眺める時間が増えた。

そんなとき、ふと画面が切り替わる。

始まるのは「ちいかわ占い」だ。

可愛らしいキャラクターたちが動きながら、その日の運勢を教えてくれる。

普段なら数秒で通り過ぎるような小さな情報なのに、不思議と目が離せなくなる。

自分の星座は何位なのか。

今日はどんなアドバイスが書かれているのか。

気づけば、画面をじっと追っている自分がいる。

1位の表示が出れば、たったそれだけのことなのに少し嬉しくなる。

「今日は何か良いことがあるかもしれない」

そんな根拠のない期待を抱きながら、少しだけ足取りが軽くなる。

逆に最下位だったりすると、

「なんだかなあ」

と、ほんの少しだけ気分が沈む。

そして、ラッキーアイテムをこっそり覚えようとしている自分に気づいて、少し笑ってしまう。

たかが、電車の中で流れる数秒の占い。

でも、その数秒で気持ちが少し動いている。

よく考えれば、不思議なことだ。

大人になると、物事を冷静に見ることを覚える。

期待しすぎないこと。

一喜一憂しないこと。

感情に振り回されないこと。

それは確かに大切なことなのかもしれない。

けれど、何でも「ただの情報」として流してしまうのも、少し寂しい気がする。

小さなことで嬉しくなったり、少し残念に思ったりできる。

そんな感覚がまだ自分の中に残っているということは、悪いことではないのかもしれない。

画面の中で動く小さなキャラクターに、ほんの少し心を動かされる。

それくらいの余白を持った大人でいたいと思う。

今日も電車に揺られながら、液晶画面を眺める。

1位なら「今日は良い日かもしれない」と思い、最下位なら「まあ、そんな日もあるよね」と笑う。

そしてまた、いつもの日常へ向かっていく。

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