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北へ行く、最終日- 八幡平と岩手銀行赤レンガ館

青森から盛岡へ

 青森から直接自宅へ帰るのは辛かったので、二日目の宿は隣県の岩手県盛岡の盛岡駅付近で一泊することに決めた。盛岡で泊まったのだから、この近辺でどこかに立ち寄ろうと思った。そこで、以前盛岡に来たときに観ることができなかった岩手銀行赤レンガ館(以下赤レンガ館)を観たいと考えた。加えてどこかもう岩手県内で1、2ヶ所見て回ることにする。


盛岡城跡公園と櫻山神社

 まず三日目の早朝、遅咲きの桜が映える盛岡城跡公園(以下公園)とそこに隣接する櫻山神社に向かう。この時刻、仕事へ向かう人たちに混じって、ホテルから公園へ向かう。公園ではソメイヨシノがほぼ全て散ってしまっていた。枝の周りに僅かに残る花弁を見て、ここへ来るのが一週間くらい遅かったと推察する。だが、ソメイヨシノとは異なる種で名前は分からないがピンク色で小ぶりの桜が迎えてくれた。

盛岡城公園の桜
盛岡城公園
櫻山神社入口
櫻山神社の烏帽子岩


もう一ヶ所どこか

 続いて赤レンガ館に向かったが、到着したのが9時を少し過ぎた頃。ここの開館は10時からで、まだ1時間近く待たなければならないことが分かった。
「やれやれ」
 そのため目の前にある観光案内所、ここは9時から開館していた、でどこか適当な場所を探すことにする。数ある観光地案内から、目に止まったのは八幡平(はちまんたい)を紹介する雪の壁のパンフレットだった。それを見て僕はまず「え? 黒部」と思った。そのパンフレットには、道路脇に聳え立つ壮大な雪の壁の写真が掲載されていた。似た光景として黒部ダムが有名だが、同様の景色がここ岩手県でも見れるらしい。僕は「今いる場所からは約50km。現地で過ごす時間を含めて、大体3時間ちょっと。それに帰りに食事休憩を挟んで4時間くらいかな?」と見積もった。しかもその雪の壁を見ることができる期間は5月初旬までのようだ。それじゃぁ、ここは見るしか無いだろう。こうして、赤レンガ館を観る前に、まずは八幡平の頂上へ向かうことにした。


八幡平アスピーテライン

 盛岡駅前から一部東北自動車道を経由して約1時間、岩手県と秋田県の県境に聳える八幡平の麓、岩手県側にやってきていた。そこから目当ての展望台までは約20kmある。僕はまず、自分の乗る軽自動車には酷な登りを走る前に、車外に出て空気を吸い込んだ。4月末とは言えまだまだ空気は冷たく、軽装の身には肌寒かった。しかし「これからあの雪の壁が見えるのか」と思うと僕の興奮は高まった。そうしてそこそこ急なヒルクライムばはじまった。最初のうちは雪は無かったが走りはじめて10数分もすると、道の脇にへばりつくような残雪が見え始めた。それが徐々に増えていき、頂上に着く10分くらい前には、十分に『壁』と言ってよいほどの高さになっていた。

八幡平山頂駐車場からの風景1
八幡平山頂駐車場からの風景2
八幡平山頂レストハウス
八幡平頂駐車場からの風景3
八幡平山頂駐車場付近の雪壁1
八幡平山頂駐車場付近の雪壁2
八幡平山頂駐車場
八幡平山頂駐車場前の県境標識


帰りは秋田県側から

 雪の壁を堪能し、盛岡まで戻ることにする。しかし、車に乗り込んだ瞬間「やっぱり知らない道を走りたい」という欲求に駆られる。この選択については、予定していた時間から大幅に遅くなるという失敗はあった。一方、ダウンヒルを走るという意味では秋田側の道のほうがずっとスリリングで面白く、ドライブという意味ではこちらの方が断然楽しかった。

ドライブルート

 そして途中、田沢湖に寄ってみたが……。
 人が居ない。「おぃ今ってゴールデンウィークだよな?」とつい声が漏れてしまった。まぁ、確かに田沢湖は湖以外に特に何も無い。地味だ。でもそれは他の湖だって同じはずだ。ただの水溜まりじゃぁ人は来ないのだろうか?
 僕は何も出来ず、しかたなく味噌きりたんぽを食べてその場を去る。滞在時間は15分くらいだろうか?

田沢湖1
田沢湖2

ふたたび赤レンガ館

 なんだかんだで盛岡駅付近まで帰ってきた。その朝赤レンガ館前の観光案内所を出てから5時間近く経っている。若干見積りが甘かった。まぁ秋田方面に行かなければ余裕があったのだろう。

 この岩手銀行赤レンガ館(赤レンガ館)は1911年に竣工し、その年から盛岡銀行として営業を開始しる(1933年に営業許可取り消し)。その後、何度か屋号をかえつつ、1960年から2012年まで岩手銀行まで営業していた。その間、1994年には国の重要文化財に指定されている。
 この大理石による白いラインと赤レンガ作り、「東京駅舎に似ているな」という印象を受ける人もいるだろう。それもそのはず、このビルのデザイナーは帝国大学工学部(東京大学工学部の前身)の学部長も勤めた辰野金吾とその弟子の葛西萬司で、辰野は東京駅舎のデザイナーなのだ。日本の洋風建築の歴史上、とても貴重な建物である。
 美しい。だが、良い立地にあるので「銀行でなくても良いので、一階だけでも何かのお店が入ったら良かったなぁ」とも思った。というのも、東京駅舎や日本銀行本店(同様に辰野のデザイン)が改築を行い、現在もその職務を全うしている。存在自体がとても貴重ではあるのだが、建物の本望はその職務を全うすることだと考えると、盛岡市が管理運営しつつも貸し店舗として運営出来ていれば価値は高かったのではないだろうか?
 そんなことを考えつつも、以前盛岡を訪れた時に観ることができなかった赤レンガ館を楽しんだ。

赤レンガ館 - 入口
赤レンガ - 館裏
赤レンガ館 - 側面
赤レンガ館 - 館内


鉈町

 時間はもうすぐ17時、赤レンガ館からは少し離れている古い住宅地『鉈街』にやってきた。ここがこの旅で訪れる最後の観光スポットだ。ここでは豊富な湧水、大慈清水の共同水場と満開の満開の八重桜を観た。
 このような古い街並みはこれからも残っていってほしい。だが時代の流れとともに消えてゆくのだろう。似たような都市環境ばかりでは、きっと旅もつまらなくなるはずだ。

鉈町の風景1
鉈町大慈清水 - 共同水場1
鉈町大慈清水 - 共同水場2
鉈町の風景2

終わりに

 ゴールデンウィークに思いつきで車を走らせたが、かなり面白い旅になった。旅の醍醐味はその土地でしか見ることができない景色を見ることで、いつか旅がコンスタントに文章化していけたら良いなぁと思った。


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