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大阪府市へ「特区民泊」廃止を求める動きが加速する~ ちょっと待て !

国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関するガイドライン
https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/34853/guideline19.pdf  
3 善良な風俗、治安の保持参照

◆民泊を巡り噴出している課題とは
①ゴミなどを施設周辺に勝手に遺棄する
②煙草を禁煙区域で吸い、吸い殻を遺棄する
③大きな声で騒ぎ立て、地域住民の安寧を阻害する
④施設周辺の住環境における公序良俗を著しく悪化させる
⑤是正を勧告しようにも、ゲストには言葉が通じず、事業者や管理者には連絡が取れず、住環境が悪化

特区民泊管理団体をはじめとする、公的ガバナンス機関が無い
⑦民泊事業登録時の「入り口」はハードインフラとソフトインフラ面の書面化は進んでいるが、ソフトインフラ面の「実効性」と「日常的確認」は、ほぼ形骸化しており、寧ろ行政からの許可が出た後は「地域自治体」からのクレームが出ない限り等閑にされる場面が少なくない。
⑧民泊事業者が『海外在住』という事例が少なくなく、事業者・管理者・行政の連絡・連携に課題が大きい。
⑨行政側のソフトインフラ面の「履行状況確認システム」に大いに課題がみられ、罰則を科しにくい状況となっている。

◆民泊を止めるな ! !
◆民泊が悪いのではない ! !
◆行政の未熟さ、オーナーと管理者の未熟さ ! !
ともすると民泊が悪者呼ばわりされる昨今だが、民泊が悪いのではない。課題を見ても判るように、制度の運用システムが脆弱であり、お手盛り感が強い。これは制度策定時の「リスク」への詰めの甘さが起因となっている。
観光立国化し日本への旅がポピュラー化してゆく上でも、宿泊施設の選択肢の充実は大きな要件となって行くことは疑いようは無い。
 残念ながら問題と課題は、制度策定側の姿勢と脆弱な運用ガバナンスということに過ぎない。
 行政自らが問題と課題に対し即時動けないのであれば、特区民泊管理団体を設置又は外部委託し、当該地域内の民泊施設を統括管理する仕組みとする必要があるだろう。同時に「警察」「入管」をはじめとする関連諸官庁との横断を構築し、悪質なゲストの即時送還をはじめ、ビザの停止をはじめとする「ペルソナ・ノン・グラータ」等への取り組みも積極的に進めてゆかねばならない。
 そもそもだな、海外在住者に特区民泊事業参加への裁量権を与えていること自体が意味が不明なのであるよ行政。
 もっと言えば、当該自治体在住であり、いついかなる時も必要な場面に応じて連絡が取れることを前提としなくば事業者として管理責任義務の遂行とはなるまい。

◆廃止を求める動きをしている者達とは ! !
▼大阪府簡易宿所生活衛生同業組合と▼大阪府旅館ホテル生活衛生同業組合の二カ所が共同して特区民泊条例の廃止要望を申し立てている。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20250829/2000096573.html

さて、有体に申し上げるなら「コンペティター」側からの廃止要望提出である。NHKの原稿にオモシロイ箇所を見つけることが出来た。

さらに大阪・関西万博を契機とする一時的な宿泊需要の増加への対応策として(民泊は)機能してきたが、ことし10月の万博の閉幕に伴いその制度的意義は薄れつつあるとして、「特区民泊」の廃止を求めています。」

いかがだろうか。必要な時はその役割を担ってもらうことは吝かではないが、市場規模が小さくなったときは邪魔だから民泊は廃止してもらいたいと読めるではないか。
まぁ、困ろう。
ベッド貸が基本の宿泊施設にとっては、家族やグループで利用が可能な民泊施設というのは実に厄介だろう。

しかし、両組合に対して申し上げたいのは、短兵急に「廃止」方向に誘導するのは急ぎ過ぎだということだ。
先ずは「制度の運用是正の申し入れ」からはじめて然るべきである。
どうにも、先様達にも痛くない腹ばかりではないように感じられてしまうのである。

◆失敗を無知なる旅行者の責任にするべからず ! !
そもそもだ、民泊施設を運営している事業者の、どれほどの事業者が「宿泊者」と相対、対面で鍵の受け渡し、宿泊者の確認をしているだろうか。
鍵は郵便ポストの中に置き、ポストの開錠番号を教え、勝手に部屋に入ってもらうシステムが常態化している。
 そういういい加減なことをしている以上、旅行者ばかりの責任には出来ない。ネットでの申し込み、ネットでの注意事項説明~
さて、ではどれほどの事業者が注意事項の説明に対し、罰則を含めた説明に利用者から「承諾署名」を取っているだろう。
利用者全員分のパスポートコピーを取るようになっているはずだが、誰がそれを確認、現認しているのだろう。

申し訳ないが、現状を招いてしまったのは制度を作った行政の制度汎用状況の確認姿勢にも落ち度があるのである。
同時に事業者と管理会社の運用ガバナンスの構築にも大いに問題がある。

文化の違う国の人たちの行いを責める前に「どうしたら理解を得られるのか、理解が得られない場合は法的にどうすべきであるのか」これが本来の入り口である。


折角、良い制度を作ってみても適切に運用されなければ何の意味もなさない。本来国益に資するところ大なるはずのインバウンドも、制度構築者、制度汎用者、制度参加者のリテラシーが低くては、効果的な出口を見出すことは出来ない。

特区民泊_________入り口は作り込んでいるのだが
さて、この特区民泊が観光立国日本を何処の出口に誘おうとしているのか
今のところ、わたしには全く見えてこないのであります。
判っていたことではありますが。


文責 国際観光政策研究所 鳥井信宏 (筆名 飛鳥世一)
(17~19年 国土交通省・観光庁 広域観光周遊ルート専門家事業 専門家)

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