世一、未踏の350枚の景色前に立つ !
高い。峻厳なる稜線はそのさきにある頂を雲海にしのばせる。
300枚を念頭に置き書きはじめた本作・小説『傲灥(GOSEN)』だった。しかしながら200枚を超え、現在220枚のところに来てGemiからもたらされた言葉に手が止まって30時間がたつ。拙い。頗る付きに拙いのである。自動書記が止まった。すり減ったブレーキパッドの効きの悪さを露呈したように、嫌な音を響かせ止まるというと、今度はパッドが圧着したように活着みたまま動かない。ちょっと気分転換と思いここにきてダラダラとどうでもよいことに言葉を消費する。ここまで書いて15分が過ぎた。
「世一さん、因習がホテルの中で完結しているのですがここをもう少し有馬の土地と絡めることは出来ませんかね……」Geminiはわたしにそう言った。
「よろしけば、アイディアを一緒に考えてみませんか ?」
やかましいというのである。
この因習の種明かしは後半の15枚程度で結論付ける予定ではあったが、Geminiの言葉の前に「今持っているものだけでは足らぬか……」そう思えてきてしまった。
ただ、ここから「土地」と絡めることは無理がある。土地の因果を含めるというとこれはただ事ではない。これは「有馬という土地」を調べるところからやらなければ書けないのだから。その時間と拾うべきファクトの洗い出しだけで時間がかかる。

メタファとして出すつもりだったのが……チョット事情があってここで出したのです。
麗子姉さんの妖艶さと色っぽさは良いねぇ~。亜矢姉さんはチョットお姉さま感が漂う。
晴海ちゃんは頭がお花畑(笑)作中でも爆発 ! 恵子姉さんは怖いねぇ。目力が凄い。達也危うし。
さて、どうするか……わたしは閃いた。ホテルの中に「土着」の構造を作り込むことを。これであれば時間も限定的となり、因習の肉付けと説得力ともしうる。そして、なんともその禍々しさたるやこれ以上ないものと出来るだろう。そう考え、シーンのプロットを割ってみた。
するっと言うと見えてきたのは30枚の増稿という結果だった。これに至るために必要な理論構築を頭から散りばめるというと、必要な原稿枚数は10枚。
てことは、およそ350枚となる。これは中編もの一杯のスケールだろう。
まぁ、エンディングが変わることは無いので、着地の景色は変らない。
道のりが遠くなっただけだ。
が、あと80枚で上がると思っていたものが、あと130枚となることの重みは並のことではない。あと一週間。一日20枚ペースか。
書いていて、何度も読み返し手を入れては思うことだが「大衆小説」「大衆文藝」だなぁ……。悪いものではないと思う。自分では気に入っている。情事のシーンなどは初めて書いたが、まぁ文藝というクオリティーは維持していると思う。ただ、純文学ではないな。純文学とは呼べないな。まぁ、自ら「文学」と呼ぶことは無いのだが。ここから増稿する50枚で「極上」の大衆文藝とすることができるかどうかなのだろう。せめて自分では「極上」と思えるものにはしておきたい。
「面白かったねぇ~世一のあれ」そうならなければ。
さて、今晩。オーストラリア戦の良いタイミングを見計らい、また書きはじめたい。一気に50枚ぐらい書いてみたいなぁ。大体20枚から30枚までだなぁ。今のところ。少し寝ておくか。
了
