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母と眠狂四郎

いつものように母と図書館へ行く。
最近私はあまり借りることはしないのだけども、ぶらっと歩き回る。ぶらっと回った後に母を探す。文庫の前にいた。手に一冊持っている。柴田錬三郎「眠狂四郎」である。

「柴田錬三郎なんか読むの?」
(「なんか」とは! ごめんなさい!)

「昔な、田村正和がやっててん」

「田村正和が? 眠狂四郎を?」

「そう」

それは知らなんだ。
というか眠狂四郎そのものが名前しか知らない。

昔を振り返ることは認知症にも悪くないらしい。懐かしいドラマや映画を、母と一緒に観てみたいと思っていた。

自宅に帰ってから検索してみた。
確かに田村正和は眠狂四郎を演っている。
製作されたのは全26話。

サブスクか、あるいはDVDでないかしらん。
と、探すんであるが。
田村正和バージョンはなかなかみつからないのである。市川雷蔵バージョンならよくみかけるんだけども。

(お。時代劇チャンネルでやってるやん)

と思ったのも束の間。
「3月〜5月の配信」。

(なんで期間限定なんだよぅ)

TSUTAYAで配送レンタルは?
あ、最近はこれもサブスクなんか。
サブスクでもいいけど。
田村正和バージョンの眠狂四郎があるのかどうか、イマイチわからない。

うーーーーーん。

東映がYouTubeで1回目と2回目を無料配信している。
とりあえず、これを観るかな。
懐かしむだけなら十分かも?

というわけで、翌週。
母の部屋でYouTubeを観る。

それがコレである。

田村正和って、わかります?

最初に見たとき「え? 誰?」と思いましたがな。
もしかして、URL間違えた?と思ったり。

でも。

セリフを言うと、わかった。
田村正和でした(笑)。

若すぎる。
いや、若いにすぎるということもないが。

「若いなぁ、20代?」

「20代っていうことはないんちゃう?」

「ほな、30代?」

「そんなもんちゃうかなぁ。」

いったい、幾つだったんだろう。

えーっと。
ドラマの放送期間は、
1972年10月3日 - 1973年3月27日

田村正和の生年月日は
1943年8月1日

1972−1943=29

29歳!
ギリギリ、まだ20代!

眉は描いてるのかなぁ。
描いてるだろうなぁ。
上瞼のアイシャドーが真っ青で。

でも、横顔のアップなんぞは、それはもう綺麗な二重瞼で。

ふーーん。
確かに男前ではある。

とても有名な方ではあるのだが。

考えてみれば、古畑任三郎しか知らんかも………。

2作目には竹下景子と大原麗子も出演していて、大原麗子もまた話し方でわかったという……。
山城新伍も話し方でわかったな。

ドラマは、というと。
これはもう、バリバリ昭和というか。

人はバサバサと切られ
女性はホイホイと胸をはだける。

女悪漢を成敗するときなんぞは刀で帯を解き、襦袢を切り、やっぱり胸をはだける。男性を成敗するときにいちいち裸にはせんやろに。

女が小刀を持って立ち向かえばこうなる。

「切るか」

「・・・」

「ならば切れ。だが、しそこなったらそなたの体をもらう」

そして、そうなるんである。

うーーーん。
人はよう死んどったような気はする。
女性はそんなにホイホイと胸をはだけていたかどうか。少なくとも他の時代劇ではそうそう脱いではおらんかったような気がする。田村正和バージョン以外でもお色気たっぷりなのかどうかも気になるか。

さて、ドラマでは。
夜間、あるお屋敷に巨大な長持ちが持ち込まれようとしている。なんで夜間なんだろう。しかも突然として現れる。なんの予兆もなく。

「この中に眠狂四郎が入ってんのかな」

私がそう言うと、母は嬉しそうに答えた。

「あんたもそう思う? 私もそうやと思った」

そう言い合って、顔を見合わせて笑う。

久しぶりに観るとこれはまた新鮮ではあった。
新鮮ではあった………が。
26話全部観るかと言われると微妙な。

母は映画もよく見に行っていたらしいんだが、母の独身時代の映画ともなると、なかなかみつからない。

1950年代から1960年代あたりの映画がたっぷり観られるサブスクって、どっかにないですかね。


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