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imasu_haneco
すいか泥棒──道の駅で売る気満々?豊作スイカと三女の夏の企み
夫はスイカが大好きだ。その熱が高じて、毎年スイカを作るようになった。年々収穫量も甘みも増し、趣味とは思えないほど立派だ。
今年は特に豊作で、孫が駆け寄ってきて報告してくれた。
「じいじ、手押し車いっぱいのスイカを運んでたよ!」
私は暑さに弱く、普段は外に出ない。だがある日、庭に出てみて驚いた。作業台の上も、横の手押し車の中もスイカだらけ。
そして夫は毎日家に運び込み、昼も夜も切っては食べさせてくれる。ご近所や娘たちにも配るが、そんな日々が続き、どうやら皆もう食べ飽き気味だ。
本業はネギ農家なのに、ネギの作業場はすっかりスイカに占領されていた。
三女は苦笑しながら言う。
「この1歳と2歳が暴れてる中でスイカなんて切れないのよ。……つまり、一口サイズにして持ってきてほしいのよね」
夫は食べきれないスイカを並べ続ける。その光景を見た三女は目を輝かせた。
「お父さんすごいね! これ売ったらいいんじゃない?」
夫は「重たいだけでしんどいわ」と笑って流したが──数日後、娘は私に真顔で言った。
「あれからずっと考えてるの。道の駅に持っていったら売れると思うのよ」
その顔はもう、売りさばく気満々だった。
私の脳裏には来年の夏の光景が浮かぶ。たくさんのスイカを車に積み込み、孫を連れて道の駅に立ちニンマリ笑う娘の姿を。
──ああ、きっと彼女は“すいか泥棒”になるのだろう⸻
ちなみに、私のリクエストで植えてもらったネットメロンもある。けれど夫にはあまり愛されていないようで、見た目も味もいまひとつ。私は本当は、スイカよりメロンを食べたいのだけれど……。
