娘にGPSを付けると脅した夜
こんにちは。
昨日のつぶやきの詳細を書かせて下さい。
4月14日 18:45
玄関から入ってきたのは夫だった。
「なんだ、リリーかと思った」
19:00
我が家の夕飯は19時と決まっている。
今日は息子も食べると言っていたけど、恐らく20時頃になるだろう。
私は夫と2人向かい合わせで夕飯を食べる。
「リリー連絡無いんだけど」
「大丈夫でしょ」
「は?何が大丈夫なの?」
「だって…なんかモテるタイプじゃないし」
「ハァ?アンタ何言ってんの?まがりなりにもアンタの娘じゃん。何がモテるタイプじゃないだよ、ふざけんなよ」
「大丈夫でしょ」
「何が大丈夫なのよ!あのね、この辺は穏やかな所だけどね、ナンパとかしてくる輩はいるのよ」
「大丈夫でしょ。リリーちゃんモテなさそうだし」
「あのさ…私みたいな大した事ない顔面でもナンパくらいされたのよ。高校生が夜制服でウロついてたらね、アホだと思われて声掛けてくるのよ」
「・・・」
「リリーもね、勉強は出来るかもしれないけど、あんな短いスカートはいて、キラキラメイクして、茶髪で、どう見ても誰が見ても遊び人みたいな格好して、あんなのが夜にウロついてたら、アホだと思われるに決まってるでしょ!」
「まあ、そのうち帰ってくるよ」
ガチャ
あ、帰ってきた…
って村上かよ!!!
村上なのかよ!!!
「お兄ちゃん、リリーちゃんが帰ってこない」
「連絡してみりゃいいじゃん」
「あ、そっか」
19:38
「今日は遅くなる感じですか?」
待てど暮らせど返信は来ない。
20:30
おかしい。
部活があったとしても、学校に20時近くまで残るはずがない。
「連絡をください」
するとすぐに、
「ごめんなさい」
「友達と会ってしまって」
「喋ってしまいました」
「本当にごめんなさい」
「いいかげんにしろよ」
「何時に帰ってくるんだ」
「9時には帰ります」
私の頭には血が昇っていた。
なぜ連絡が出来ないのか、なぜ一言「〇時に帰ります」とLINEが入れられないのか、何の為のスマホなのか、ふざけんな!
私は一言送った。
「GPSつけるのでよろしく」
20:55
ガチャ
短いスカートの制服を着た、茶髪で、キラキラメイクの娘が帰ってきた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、本当にごめんなさい」
「何やってたの?」
「友達と駅で会っちゃって」
「誰と?」
「中学のレナと」
「レナと何時に会ったの?」
「19時くらい…」
「は?それで今までずっと喋ってたの?」
「はい」
「なんで一言LINEが入れられないのか?」
「ごめんなさい」
「面倒臭かったのか?」
「はい」
「正直かよ」
「ごめんなさい」
それから私はくどくどと説教をした。
うちの夕飯は19時で、ご飯のいるいらないは17時までに連絡をすること、それは村上もきちんと毎日守ってるのに、なんでアナタは出来ないのか。遅くなるなら連絡するのがルールなのに、なぜアナタはそれが出来ないのか。母はアナタが高校生になっても職員室に乗り込まないといけないのか。
「GPSつけるから」
「ごめんなさい、それだけは…」
「いや、もうダメだね」
「ごめんなさい。今度からはきちんと連絡します」
「いやもういいよ、無理だよ、GPS付ければお母さんも気が済むからさ」
「すみません、それだけは…」
「そうだよね、お母さんだって嫌だよ、GPSなんて死んでも付けられたくないよ。自分がやられたくない事を子どもにするなんて、お母さんだってそんな事したくないよ…」
「ごめんなさい…」
一部始終を夫も聞いていた。
翌日
6:00 娘を起こす
7:20 娘がバタバタと家を出る
7:30 夫と2人で朝ごはんを食べる
「なんなのあの子、なんで連絡しないの?」
「あなたが軽く見られてるんだよ」
「は?何?私が舐められてるってこと?」
「そうだね」
「・・・」
「あなたもさ、もう構うのやめなよ。メシの時間になっても帰ってこない、連絡もしない、そんなヤツの為にメシなんて作ることはないんだよ。自分勝手に自由にしたいんだったら、自分で責任もって一人でやれよってこと」
「そ、そんなのかわいそうじゃん」
「あなたね、そんなんだから舐められるんだよ」
「でもさ、私も散々高校時代に親に心配かけたけど、周りの友人達がちゃんとしてたから私もそれに見習ったよ。ご飯の連絡とか、遅くなる連絡とか、わざわざ公衆電話見つけてさ、ちゃんとしてたよ。私がそれをやらないでいると、アヤちゃん親の気持ち考えなよって説教してくる友達もいた」
「あなたはね…意外と真面目なんだよ」
「は?普通じゃないの?」
「俺からしたら真面目だよ」
真面目なのかなんなのか、私の友人達は比較的親が過干渉だっただけに、その親の目を潜り抜ける術を身に着けてたのかもしれない。
それにしても、私は娘を信用していない訳じゃない。
絶対に家に帰ってくるとわかっていながらも、心配で心配で仕方がなくなる。
この気持ちは一体何なのか。
親離れ子離れの前兆で、それを拒絶する自分の心の表れなのか。
わからない。わからないけど…
令和の高校生は明らかに自分の時とは違う。
そんな事はわかってる。
スマホがあって、至る所に監視カメラがあって、何かあったとしても週刊文春に持っていけば女性が勝てる時代だ。
だけど、、、
そんな安心安全な令和の世の中になっても、女子高生が交差点の出会い頭に包丁で刺されたり、クローゼットの中で遺体で見つかったりする。頭のネジがぶっ壊れた無敵の人の前では、スマホも監視カメラも文春も、何の防御にもならない。

街路樹のつつじの花が綺麗に咲いている。
娘が小学生の頃、学校からの帰り道に花のミツをチューチュー吸いながら歩いていたのが懐かしい。オカッパ頭のちびまる子ちゃんみたいで可愛かった。
子どもの成長は嬉しいけど、どこか寂しいと感じている自分がいる。
