外国人労働者について
こんにちは。
長々とインドネシア記事が続いてましたが、最後にこの「外国人労働者について」を書いて一旦終了します。
本当は前回の記事で「感動して終了」とした方がいいのかもしれませんが、そこは私が許しません。綺麗事だけでは済まされない現実があります。
前回の記事の最後に、
「ワクワクする気持ちで日本に来て欲しい」
と書いたけど、その反面恐れている事がある。
それは外国人労働者に向けての日本人による差別と偏見だ。
今回のインドネシア訪問について私は父に話した所、
「外国人なんて雇って大丈夫なのか?
逃げるんじゃないのか?
悪い事するんじゃないのか?
仲介業者はちゃんとした所なのか?
騙されるんじゃないのか?」
ちょうど行く前だったので、
うるせーよジジイ!!!
と思ったけど勿論言わなかった。
お願いだから水を差す事を言わないで欲しい。
こっちがどんな思いでこれまで準備してきたのか、社長である兄がどんな気持ちでいたのか、
老いぼれが口を出すんじゃねーよ、と思ったけど言わなかった。
「行ってきます」
とだけ言って私は家を出た。
ただ、これは父だけが特別に差別や偏見の持ち主ではなくて、日本人の多くがこのような価値観を持っている事を私は知っている。
正直、自分もそのような人間だったかと言われると否定出来ない。
道ですれ違う東南アジア人を見ると、何かされるんじゃないかと怯えた。
貧困の国から出稼ぎに来ている労働者を、憐れむような目で見ていた。
自分は日本人というだけで、彼らよりも偉いと勘違いをしていた。
これらの事に当てはまる人は多いと思う。
口には出さないけど、恐らく未だにこういう考えを持っている日本人は多いと思う。
わかるよ、だって私もそういう人間だったから。
でもね、私は変わったんだよ。
ある人と出会った事で変わったんだよ。
日本で外国人労働者として働くある人と出会って、私の価値観は大きく変わった。
最初はもちろん怖かった。
見るからに東南アジア人の見た目に、
「あなた何人(ナニジン)ですか?」
と言い放ったらある人はキレた。
「何で自分はそんな風に言われなきゃならないんですか。日本人だからってガイジンをバカにしてるんですか」
感情を剥き出しで話すある人に私は言った。
「友達になってくれるかな?」
ある人は快くOKしてくれた。
その時私は、今後の自分が大きく変わる事を予想した。
私とある人は友達になり、外国人には日本人がどのように見えているかを知った。日本人に対する不満や鬱憤を聞いた。バカにしていること、バカにされていること、いつになってもどこにいっても、心が通い合わないことを聞かされた。
「そんな事ないよ」
と言っても通じなかった。通じる訳がない。
何年にも渡って多くの日本人から、差別や偏見の目で見られていたある人には、私の言葉なんて伝わるはずがなかった。
無言で拳をグッと握り、肩をガタガタと振るわせる姿を見た時に、私はそれまでの価値観を捨てて、これからは寄り添っていこうと心に決めた。
その後何年か経って、ある人は日本人になった事を聞いた。
帰化の手続きを自ら法務局に出向いて全て自分でやったと聞いたから、日本人よりも日本人らしいと思った。今でも元気でいる事を願っている。
*
差別や偏見の目を変えるのは容易ではない。
特に私達くらいの年代は、親世代の影響を受けているのもあって平気で外国人を差別する。恐らく自分達アジア人は、欧米に行くと同じような目にあうのを想像できないからだと思う。
それならせめて、自分達の代でそれを終わらせてもいいのではないかと思う。私の高校生の娘は国際人になりたいと希望しているけど、それは単純に、
「世界中の人と友達になりたい」
というのが理由だった。
世界の色々な事を知りたい、国を知りたい、人を知りたい、好奇心旺盛の娘にとってそこに偏見や差別の目は存在しない。
メディアでは政治家が叫ぶ。
「日本人による日本人の為の政治を」
「外国人雇用には課税を」
「移民反対」
どの口が叫んでいるんだと思う。
建設現場に外国人がいなくなったらどうするんですか。
老朽化したビルで仕事しますか?
古いマンションで生活できますか?
崩れそうな商業施設で買い物したいですか?
介護現場で外国人がいなくなったらどうするんですか。
あーんとゴハンを食べさせてくれなくて大丈夫ですか?
誰もいない施設で一日中天井見上げて過ごせますか?
今更糞尿垂れ流して死ねますか?
札束で建物は建てられないし尻も拭けない。
もはやマンパワー不足はどうにもならないとこまで来てる。
だから今一度考えるべきだと思う。差別や偏見を口にする前に、一呼吸置いて、考えて、想像して、モノを発するべきだと思う。彼らに対する汚い視線は、彼らがどう受け止めて、どう蓄積されるかを想像して欲しい。
*
私は1月にインドネシアから来る実習生達に言うつもりだ。
「あなた達はしっかり税金を払って、高い社会保険料も払って、日本の為に仕事をして日本を支えている。だから堂々と誇りを持って欲しい。汚い視線を向けてくる日本人には、絶対に負けないで欲しい」
これが受け入れる側の覚悟だ。
私は彼らを守る側に回る。
だって私はJapaneseマザーになると決めたのだから。
