【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】女性に多い冷え性、温めても変わらないのはなぜ?
千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。
いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。
「手足がいつも冷たい」
「夏でも冷房がつらい」
「温めてもすぐ戻ってしまう」
このような“冷え性”に悩んでいませんか?
冷えは軽く見られがちですが、
・疲れやすい
・めまい
・生理不調
など、さまざまな不調と関係していることがあります。
東洋医学では、冷えは単なる血行不良ではなく、体全体のバランスの乱れとして捉えます。
この記事では、「温めても改善しにくい冷え性」の背景を、東洋医学の視点からやさしくひもとき、体質からみる原因と鍼灸で整える方法についてわかりやすくお伝えしていきます。
どうぞ最後までお付き合いください。
1.冷えの症例紹介

今回は、まず、よくある冷えのお悩みの症例をひとつご紹介します。
【お悩み】
30代後半の女性 慢性的な冷えと疲れやすさで困って来院。
【お体の状態】
・一年中、手足が冷たい
・食後に眠くなる
・胃腸が弱い
・やせ型体型
・顔色が青白い
・生理後にだるさが出やすい
・つかれやすく、ちょとしたことで息切れする
・少量の軟らかい便
・普段から食欲がわかない、小食
この方の冷えは、体の中でどのようにして起こっていたのでしょうか。
2.体の中では何が起こっていたの?ー東洋医学でひもとくー

お話しを詳しくお聞きする中で見えてきたのは、
「温める力」と「巡らせる力」
の両方がどちらも弱くなっている状態でした。
東洋医学では、このような状態のことを専門用語で、
・脾気虚(ひききょ)
・血虚(けっきょ)
といいます。
※実際には、問診情報とお身体全体の状態をあわせて原因を決定します。
脾気虚とは、消化吸収の働きを担う「脾」の働きが弱り、体を温めるエネルギーを十分に作れない状態です。
そのため、
・食後に眠くなる
・お腹をこわしくやすく、下痢する
・疲れやすい
といったような症状が現れやすくなります。
さらに血虚は、体を栄養する「血(けつ)」が不足している状態で、
・顔色が白い
・末端の冷え
・めまいやだるさ
・目がかすむ
・不安感がある
といったような症状が現れやすくなります。
つまりこの方の場合は、
「脾気虚により温める力が不足し、さらに血虚によって末端まで栄養が届かない状態」
となって冷えの症状がおきていたのでした。
その結果、
「厚着をしても、靴下を履いても、どんなにがんばって温めてもすぐに冷えが戻ってしまう」
という状態になっていたと考えられます。
3.冷え性の弁証分類と考え方

東洋医学では、不調に対する原因を「弁証分類(べんしょうぶんるい)」という考え方で捉えます。
これは、不調の原因を体の状態ごとに分けて考える方法です。
冷えは、東洋医学では「厥冷(けつれい)」と呼ばれますが、これは単に冷たい状態を指すのではなく、体のバランスの乱れとして捉えています。
では、冷えをタイプ別にわけて見ていきましょう。
臨床では、主に、次の4つのタイプとして捉えます。
【① 脾腎陽虚(ひじんようきょ)】
体を温める力そのものが不足している状態
・強い冷え、特に下半身の冷え
・疲れやすい、元気が出ない
・下痢や軟便
👉「温める力が足りないタイプ」
【② 血虚寒凝(けっきょかんぎょう)】
血の不足により末端まで栄養が届かず、冷えが出る状態
・手足の冷え
・顔色が白い
・めまい、動悸
👉「巡らない冷え」
【③ 痰湿内阻(たんしつないそ)】
水分代謝が低下し、体内に余分な水がたまって冷えを生む状態
・むくみ
・体が重い
・天気で悪化
👉「ためこむ冷え」
【④ 肝気鬱結(かんきうっけつ)】
ストレスにより気の巡りが滞り、冷えが生じる状態
・冷えに波がある
・イライラ
・お腹の張り
👉「巡りが止まる冷え」
実際の臨床では、
・脾腎陽虚+血虚
・肝気鬱結+痰湿
といったように、複数の要因が重なっていることがよくみられます。
今回のケースは、「脾気虚を基盤とした血虚」と考えられます。
このように、冷えの背景を丁寧に見ていくことで、その方に合った整え方が、少しずつ見えてきます。
4.鍼灸治療とその過程

施術ではまず、胃腸の働きを高めてエネルギー(体力・精力)を補い、
同時に血の巡りを良くするアプローチを行いました。
すると少しずつ、
・足先の冷えがやわらぐ日が出てくる
・夕方のだるさが軽くなる
・眠りが深くなる
といった変化が見られるようになりました。
さらに継続することで、
「そういえば最近、冷えを気にしていませんでした」
「靴下を履かなくても眠れるようになりました」
と、自然な形で冷えが気にならなくなっていきました。
5.鍼灸だからできること

冷え性というと、「とにかく温める」ことが大切だと思われがちです。
もちろんそれも重要ですが、それだけでは十分ではありません。
大切なのは、
・温める力を回復させる
・巡りを整える
というような、冷えの根本原因にアプローチをすることです。
つまり、鍼灸とは、冷えを一時的に和らげるだけでなく、体質や身体のバランスを整えることで、冷えにくい身体づくりを目指す方法のひとつなのです。
6.日常でできる整え方

冷えを感じると、「とにかく温めること」ことに意識が向きがちですが、
同じくらい大切なのが内側を整えることです。
日常では、例えば、
・冷たい飲み物を控え、常温~温かいものにする
・朝は温かい食事をとる
・甘いものや冷たいものを摂りすぎない
といった小さな工夫の積み重ねが、体を少しずつ変えていきます。
特に今回のようなタイプでは、
・お米やかぼちゃなど消化にやさしいもの
・鶏肉やなつめなど、気血を補う食材
を意識するのもおすすめです。
「全部変えなきゃ」と思う必要はありません。
できるところから少しずつ整えていくことが大切です。
7.鍼灸はこんな冷えの方におすすめです

・がんこな冷え性が長年続いている方
・温めてもすぐ戻ってしまう方
冷えのほかに以下のような『お悩み』のある方
・むくみで悩んでいる方
・疲れやすさがとれない方
・生理不調がある方
・めまいがある方
・不安感が強い方
その他、根本的に体質から整えたい方
8.まとめ

冷え性は、あなたの体からのサインです。
冷えやすい身体には、必ずその理由があります。
ただ温めるだけでなく、「なぜ冷えているのか」に目を向けることで、体は少しずつ変わっていきます。
もし今、
・ずっと冷えに悩んでいる
・何をしても変わらない
そんな状態であれば、それは身体からの大切なメッセージかもしれません。
無理に我慢するのではなく、ご自身の体と向き合う時間をつくってみてくださいね。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!
鍼灸 あやかざり
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参考資料:東洋医学の教科書、WEB版 MSD マニュアル(家庭版)
