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mirecat
【エッセイ】銃口
銃口にさらされたら、人は上のステージへいけるのだろうか。人生の銃口を、だ。
そもそも人生の銃口とは、つまりそれは、ある種の人間らしさであったり、莫大な富を得て、人間から解脱していくライフステージを横目で眺めていながらも、それをこちらは何一つ実現していない空しさが、銃弾に変わり、さも銃口を突きつけられているかのような侘しさが、心の底からじわりと着火し、ついにはそれが心身を蝕み、苦しむようなものに移ろっていくものなのだろうなあ、とは思う。
年齢を重ねるにつれ、この人生の銃口を突きつけられていると怯える機会が明らかに増えた。
若ければ許されたあの傍若無人のような勢いが体内からは抜け、周りの視線からも若さバリアーのような微笑ましい温かみが抜け、ついには自らの体毛に白い一本を見つけた時、強烈に数多の銃口をどこからともなく、感じる。
その恐怖が、焦りが、人として上の世界に導く眩い一筋なのか、はたまた地獄に突き落とされる蜘蛛の糸なのか。当然、分かってなどいないし、分かりたくもないが、とにかく日常で、銃口を突きつけれているような錯覚を抱く機会は格段に増えた。
それが成長の証だとは信じたい。
老化の証左であるなどとは、絶対に信じたくない。
