「ストーリーを伝えましょう」では、広報は機能しない。
最近、「ストーリーを発信しましょう」という言葉をよく見かけます。
実際の事例では、
星野リゾートは、3,400本を超える記事を積み重ね、現場のスタッフが地域の魅力や仕事への思いを発信したことで、「この記事を書いたスタッフに会いたい」という宿泊客まで現れた。
また、地方自治体のnote活用事例でも
「イベントがあります」と告知するのではなく、準備している人、支える人、終わった後の振り返りまで発信することで、地域を「自分ごと」として感じてもらえるようになった。
ここだけ読むと、「やっぱりストーリーが大事なんだ」で終わってしまいます。
でも、私は少し違うと思っています。
本当に価値があったのは、ストーリーなのか?
例えば、星野リゾートの記事を読んだ人が宿泊を決めたのは、「ストーリーがあったから」ではありません。
そのホテルで働く人の価値観や、その土地への向き合い方が伝わったから。つまり、ストーリーが価値を生んだのではなく、もともと存在していた価値が、ストーリーによって見えるようになった。
ここを勘違いすると、多くの地域企業は下記のように考えます。
「うちもストーリーを書こう」
「創業秘話を書こう」
「社長の想いを書こう」
そしたら、どうなるか?
伝わらない。
なぜなら、ストーリーを書けば伝わるわけではないから。
地域企業には、もともと伝えるべき価値があります。
長年、取引が続く理由
お客様から、何十年も選ばれてきた理由
社員が、辞めずに働いている理由
地域から、信頼されている理由
本当に必要なのは、新しいストーリーをつくることではなく
その会社に、すでに存在している価値を見つけること。
ロカリエールでは、広報=発信とは考えていません。
価値を見つけて整理し、相手に伝わる形へ翻訳することだと考えています。
なので、「何を書けばいいですか」という相談には、すぐに答えられません。
まず先に、考えるべきことがあります。
この会社は、なぜ選ばれているのか
お客様は、何にお金を払っているのか
社員は、なぜ働き続けているのか
地域は、この会社に何を期待しているのか
そこが整理されると、発信する内容が決まります。
広報は、文章を書く仕事ではない。
会社の価値を言語化する仕事です。
発信は、その方法でしかありません。
ロカリエールは、「ストーリーを発信しましょう」とは言いません。
まず、自社の価値を見つけましょう。
その価値が見つかれば、発信は変わります。
そして、「機能する広報」が育つと、経営に返ってきます。
