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【エッセイ】11月を終える

 十二月はどんな月になるのだろう。 
 ここ数年の十一月の終わりはいつも、そんな気持ちで満ちていた気がします。

 4年前の2021年11月末、そして1年前の2024年11月末。わたしは詩集を発刊しました。人生において二度も素晴らしい経験ができたことを、そのご縁をありがたく思います。

 十一月の終わりと共に、ことばたちが詩集という器を得て世に出ていくと、急に自分の心身の輪郭がシャープになるような。発刊までは身の内、そこからは別物となるのだ、と強く思ったのを憶えています。詩集は我が子という人もいますが、出産と別離に例える感覚も、何だかよくわかるような気がします。 
 発刊から1年あるいは数年が経った今でも、不意に詩集への感想を頂くことがあります。その度にありがたく思うと共に、ことばは既にこの身を離れ、今は遠くをひとりで歩いていっているのだという、その後姿を見守るような、不思議な気持ちになります。

★2025年12月号の「現代詩手帖」に、第二詩集に収録した詩「とどけもの」が掲載されています。誌面でも、あるいは書面でも。この機会に、雪柳の詩をご覧になっていただければ幸いです。

 十一月を終え、身の内にしかなかったものが放たれていったあとに来るのが、十二月。
 詩集を出したあの二度の鮮やかな気持ちと、そこはかとない快い虚脱を忘れずに。ことばと今ひととき、軽やかに手を取り合い続けていけるこの先の創作のあり方を考えながら、わたしなりに十一月を終えていきたいと思います。
 十二月はどんな月になるのだろう。今年もそう思いながら。
 



シロクマ文芸部のお題「十二月」と、素敵なイラストをお借りました。ありがとうございました。

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