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復職後は、戦略的いい人で働く

こんにちは!

復職後は、病気前と同じように働くことはできない。

少なくとも、僕はそう思っています。

ここで言う「同じように働くことができない」には、2つの意味があります。

ひとつは、休職前と同じ仕事や役割に戻れるとは限らないということです。休職期間が長くなると、自分が担当していた仕事は誰かに引き継がれます。戻ったときには、以前と同じポジションやプロジェクトにそのまま戻れないこともあります。

もうひとつは、仮に同じ仕事に戻れたとしても、病気前と同じペースや負荷では働けないということです。残業で押し切る。多少無理をしてでも仕事をやり切る。そういう働き方を、病気後も同じように続けるのは、病気の制約上かなり難しいです。

つまり、復職後は「仕事の内容」も「働き方」も、病気前と同じ前提では考えない方がいいということです。

もちろん、以前と同じポジションに戻り、病気前と同じように働ける人もいます。でも、全員がそうではありません。そして、たとえ同じ仕事に戻れたとしても、病気前と同じようにがむしゃらに働けるとは限りません。

だから必要なのは、病気前の自分に戻ることではなく、病気後の自分に合う働き方を作り直していくことだと考えています。

この記事では、そのための一つの選択肢として、「戦略的いい人」という働き方について書きます。

もとになる本はこちらです。 #pr

『戦略的いい人 残念ないい人の考え方』
著者:けーりん(唐仁原けいこ)

この本の考え方をもとに、今回は「復職後に働き続けるための考え方」として、僕なりに解釈して書いていきます。僕がこの本を読んで、復職後の働き方として特に大事だと感じたのは、次の5つです。

① 相手やチームが得をし、最終的には、自分も得をする流れを設計すること
② 競争に勝とうとするのではなく、一緒に進める仲間を増やすこと
③ 得意なことで貢献し、苦手なことは人に頼ること
④ 周囲の人が成果を出しやすいように、いいパスを出すこと
⑤ 手柄を積極的に周囲の人に渡して、チームとして勝つこと

どれも、一人で抱えて、気合いで押し切る働き方とは違います。復職後に必要なのは、自分一人で強くなることではありません。人の力を借りながら、チームの中で自分の役割を作り直していくことです。

ここからは、復職後の働き方としての「戦略的いい人」について考えていきます。


復職後は、仕事とキャリアがリセットされる

休職期間が長くなると、自分がもともと担当していた仕事は、誰かに引き継がれます。

これは、ある意味では仕方のないことです。会社としても、仕事を止めるわけにはいきません。自分が休んでいる間も、プロジェクトは進みます。担当者は変わり、組織内の役割分担も少しずつ変わっていきます。

僕自身の話をすると、僕は開発職をしています。製品の開発スパンが3年、4年単位の部署にいますが、僕が復職したタイミングでは、休職前に取り組んでいたプロジェクトはすでに終わっていました。そして、次の世代のプロジェクトがすでに始まっていました。

復職したタイミングでは、その次世代プロジェクトの役割分担もすでに決まっていました。そのため、自分が主担当として持つプロジェクト業務はありませんでした。当時の上司も、僕に持たせる業務がなくて困っていたようで、「何をやってもらおうかな」と何度も言われたことを覚えています。

復職はした。でも、自分の主担当業務はない。

一方で、周囲の人は次のプロジェクトに向けて、忙しそうに仕事をしています。ずっとやりたいと思っていた業務には、後輩たちがアサインされています。その状況を見て、当時はかなり複雑な気持ちになりました。居場所がないような孤独感もありました。同期や後輩に置いていかれる焦りもありました。

本当に働いていけるのだろうか。自分のキャリアはこれからどうなるのだろうか。休んでいた時間を、これからどう取り戻していけばいいのだろうか。

いろいろな感情が混ざった状態で、復職後の仕事が始まりました。

もちろん、休職前の仕事に戻してもらえる人もいます。一方で、戻してもらえない人もいます。

ただ、ここで補足しておきますが、戻してもらえないことが、必ずしも悪いことだとは限りません。病気を経験したことを踏まえて、今の体調に合う仕事を用意してくれている場合もあります。いきなり高負荷な仕事に戻さないための配慮として、新しい役割を用意してくれている場合もあります。

だから、「戻してもらえなかった=評価されていない」と決めつける必要はありません。

それでも、本人としては複雑です。

休む前に積み上げていたものが、一度止まる。自分の手元にあった仕事が離れている。周りが先に進んでいるように見える。自分だけが、元の流れから外れてしまったように感じる。

休職で止まったように感じるのは、目の前の仕事だけではありません。キャリアの流れも、一度止まったように感じます。

僕は、仕事には複利のような面があると思っています。

若い頃に経験した仕事が、次の仕事につながる。そこで得た信頼が、もう少し大きな役割につながる。その役割でまた経験を積むことで、さらに次のチャンスにつながっていく。

もちろん、キャリアは投資のように計算通りにはいきません。運もあります。職場の状況もあります。上司や人間関係にも左右されます。

それでも、前半で積み上げた経験が、中盤以降の働き方に影響することは確かにあるはずです。だからこそ、休職でその流れが止まったように感じるとすごく苦しいです。

休んだ分を取り戻したい。遅れたキャリアを挽回したい。迷惑をかけた分、早く役に立ちたい。

そう思うのは、自然なことです。

ただ、ここで問題になるのは、その焦りに押されて、病気前と同じ働き方に戻ろうとしてしまうことです。

キャリアの流れが一度止まったように感じるからこそ、早く取り戻したくなる。でも、その焦りのまま無理をすると、また体調を崩してしまうかもしれません。

だから復職後は、失った時間を気合いで埋めようとするのではなく、病気後の自分に合う形で、もう一度積み上げ直していく必要があります。

復職許可が出ても、病気前の自分に戻ったわけではない

復職するとき、主治医から「復職してもよい」という診断書や意見書をもらうことになります。会社によっては、産業医や人事部との面談や復職判定を経て、ようやく職場に戻ることになります。

ただ、ここで誤解しない方がいいことがあります。「復職許可が出た」=「病気前の自分に完全に戻った」という意味ではないということです。

あくまで、働き始めてもよい状態になったということです。病気前と同じ負荷で、同じペースで、同じように働けることを保証しているわけではありません。

僕自身も、復職したからといって、病気前の自分に戻った感覚はありません。心も体も、以前とは違います。

ストレスを前より強く感じやすくなっている。疲れが抜けにくい。集中力が続かない。判断に時間がかかる。睡眠が乱れると一気に崩れやすい。

そういう変化を感じながら、職場に戻っていきました。

病気前は、多少無理をしても何とかなっていたかもしれません。残業で帳尻を合わせる。仕事を抱え込む。人に頼らず、自分一人でなんとかする。気合いで乗り切る。

でも、病気後にその働き方を続けるのはかなり難しいです。頑張るためのエネルギー量が、病気前とは変わっているからです。

もちろん、回復の程度には個人差があります。病気以前と近い状態まで回復する人もいます。以前に近い形で働けるようになる人もいます。

それでも、復職直後から「もう元通り働ける」と考えるのは危ないです。むしろ、最初は「病気前よりも使えるエネルギーは少ない」と見積もっておいた方が安全です。

病気前の自分が100だとしたら、復職直後の自分は60くらいかもしれない。あるいは、日によって40の日もあれば、80の日もあるかもしれない。そのくらい波がある前提で働き方を考えた方が、長く働き続けられると思います。

だから、復職後に必要なのは「病気前と同じように頑張ること」ではありません。今の心と体に合わせて、働き方を作り直すことです。

焦りで働くと、病気前より無理をしてしまう

復職後に危ないのは、「前と同じように働こう」とすることです。さらに危ないのは、「休んだ分を取り戻さなきゃ」と思って、病気前以上に頑張ってしまうことです。

早く役に立ちたい。遅れを取り戻したい。迷惑をかけた分、前より頑張らないといけない。

そう考えてしまうのは自然なことです。

でも、その焦りのまま働くと、病気前よりも無理をしてしまうことがあります。

病気前と同じように残業で押し切ろうとする。頼まれた仕事を断れない。弱音を見せずに「もう大丈夫です」と振る舞う。苦手なことまで抱え込んで、自分一人でなんとかしようとする。

一見すると、前向きに頑張っているように見えます。でも、病気後の心と体でそれを続けるのは、かなり危ないです。

復職許可が出たとしても、病気前の自分に完全に戻ったわけではありません。使えるエネルギー量も、回復力も、ストレスへの強さも、以前とは違っていることが多いです。

その状態で、休んだ分を一気に取り戻そうとすると、負荷が大きくなりすぎます。だから復職後に大事なのは、気合いで取り戻すことではありません。

何度も言いますが、病気後の自分に合う働き方を考えることです。

もちろん、働き方にはいろいろな考え方があります。仕事の管理方法を見直すこと。やることを減らすこと。重要なものに絞ること。少ない力で成果に近づく方法を考えること。

どれも、病気後に働き続けるうえで大事な考え方です。

その中で、僕が今かなり使えるのではないかと感じているのが、「戦略的いい人」という考え方です。

病気前のように、一人で抱えて、気合いで押し切る働き方ではない。人の力を借りながら、自分も相手もチームも得をするように働く。復職後に働き続けるためには、こういう戦い方が必要になるのだと思います。

残念ないい人は、自分を削ってしまう。

戦略的いい人の前に、まず避けたい働き方があります。

それが、残念ないい人です。

これから戦略的いい人について書いていきますが、その反対側にいるのが、残念ないい人だと思っています。自分が残念ないい人になっていないか、少しだけ振り返りながら読んでみてください。

僕の中での残念ないい人は、周りに嫌われたくなくて仕事を引き受ける人です。頼まれると断れない。苦手なことまで抱え込む。人に頼るのが苦手で、「自分がやった方が早い」と考えてしまう。

一見すると、責任感がある人に見えます。周りからも「助かる」と言われるかもしれません。

でも、復職後の働き方としてはかなり危ういです。

なぜなら、残念ないい人は、周囲には優しいけれど、自分には優しくない働き方だからです。

体調が戻りきっていないのに、頼まれた仕事を受ける。疲れているのに、相手に合わせる。苦手な仕事で消耗しているのに、「これくらいできないと」と自分を追い込む。

この働き方は、短期的には評価されることがあります。でも長期的には、かなり不安定です。自分の余力を削りながら成立しているからです。特に、病気を経験したあとの働き方としては、かなり相性が悪いと感じています。

僕も、病気になる前は、人に頼るのは申し訳ないと思っていました。自分で抱えるのが責任感だ。弱さを見せたら評価が下がる。そんなふうに考えていたところがあります。自分でやり切ることを、大事にしすぎていたのだと思います。

また、他人との境界線も曖昧でした。本来なら自分がやらなくてもいい業務でも、頼まれると無条件に受け入れていたように思います。

でも、その働き方で限界を超えたのだとしたら、同じ働き方に戻るのは危ないです。復職後に必要なのは、いい人をやめることではありません。自分を壊すいい人でいることを、やめることです。

戦略的いい人は、競争から降りる働き方

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