「完璧な親になれない私へ」——子どもに向けた言葉は、いつも自分への言葉でもある
🧐 なぜこの本に興味を持ったか
子育てをしていると、自分の心の中でいくつもの声が浮かんできます。
子どもが癇癪を起こしたときに思わず「そんなことで泣かないで」。
あるいは、配偶者に対して「また怒鳴って…」と心の中で責める自分。
親も人間なので、仕方がないことです。
けれど、ふと立ち止まって考えることがあります。
——この声は本当に、子どもにとって適切なのだろうか。
私の考え方は、子どもに悪い影響を与えていないだろうか。
そんな不安や心配を抱えていたときに、タイトルに惹かれて手に取ったのがこの本でした。
子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本
フィリッパ・ペリー (著), 高山真由美 (翻訳)
「自分の親に読んでほしかった」という言葉に、
子どもの目線から見た“理想の親の姿”を教えてくれるのではないか——。
そんな期待を抱きながら、ページを開きました。
👤 この本はこんな人におすすめ
結論から言うと、この本は「正解」を教えてくれる育児書ではありません。
けれど、「自分の内なる声」と向き合う勇気を持ちたい人にとって、
確かな道しるべになる一冊です。
子どもとの関係をよくしたいのに、うまくいかないと感じている親
つい自己批判や罪悪感にとらわれてしまう人
夫婦関係の中で「相手を変えたい」と思いがちな人
そんな方々に、ぜひ手に取ってもらいたいです。
💡 一番の学び
本書の中で繰り返されるメッセージがあります。
「最良の方法をとれなかったとしても、後悔する必要はない」
この一文に、私は深く救われました。
親である前に、人として未完成でいい。
大切なのは、今この瞬間から関係を“やり直す”勇気だと。
そのうえで、特に印象に残った3つの視点を紹介します。
💭 自己批判の声に負けてはダメ
「また怒ってしまった」「ちゃんとできなかった」——
そんな声が頭の中で響くこと、ありませんか?
私はしょっちゅうです。
ペリーはそれを“内なる批判者”と呼びます。
この声は、私たちを律しようとする一方で、しばしば自信を奪い、親としての心を疲れさせます。
大切なのは、この声を「敵」として戦わないこと。
ただ“そこにある”と気づき、「ああ、また言ってるな」と静かに受け流すこと。
議論も否定もしない。ただ、認識する。
まるで、厄介な上司の長話をやり過ごすように。
やがてその声は、少しずつ小さくなります。
そして不思議なことに、自分へのまなざしが変わると、
子どもへのまなざしもやわらかくなっていく。
親が自分を責め続ける姿を、子どもは無意識に学んでしまいます。
だから、まずは「自分を許す練習」から。
完璧でなくていい。
ペリーが教えてくれたのは、子育てとは“自己受容の訓練”でもある、ということでした。
🧩 身近にいる人の関係が、子どもに影響する
ペリーは言います。
「家族の形は子どもの発達を決めない。けれど、身近な人の関係の質は、確実に影響を与える」と。
つまり、夫婦の関係、祖父母との関係、親の友人関係——
子どもはそれらを通して“人とどう関わるか”を学んでいきます。
私はこの本を読んでから、「妻を味方として見ているか?」と自問するようになりました。
相手を変えることはできない。変えられるのは、自分の態度だけ。
だから、意識的に「ありがとう」を言うようにしています。
もう一つ印象的だったのは、
「片方の親の悪口を、子どもの前で言わないこと」。
子どもにとって、パパもママも“自分の一部”です。
どちらかを否定すれば、子どもは自分の一部を否定されたように感じる。
親の関係性は、子どもにとって世界の縮図。
完璧でなくていい。
ただ、互いを尊重しようとする姿勢こそ、何よりの教育になる
——そう教えられました。
🤝 子どもに共感してみよう
子どもが泣いたとき、癇癪を起こしたとき、
つい「大丈夫」「そんなことで泣かないの」と言ってしまいがちです。
でもペリーは、それこそが親子関係を遠ざけるといいます。
大事なのは、子どもの感情を“正そう”としないこと。
ただ「そう感じたんだね」「嫌だったんだね」と共感の言葉を返すこと。
それだけで、子どもは安心して感情を表現できるようになります。
私も、息子が友達との遊びで泣いたとき、
「そんなことで泣かない」と言いそうになって、
代わりに「悔しかったんだね」と声をかけてみました。
すると、しばらくして息子は涙をぬぐい、「うん、でも次はがんばる」と言ったのです。
共感は、問題をすぐに解決する魔法ではありません。
けれど、感情を「受け止めてもらえた」という経験は、
子どもの中に“自己肯定感”という土壌を育てていきます。
癇癪や涙は、成長の練習。
その瞬間を、焦らず一緒に歩ける親でありたいと思います。
📚 もっと知りたい方へ
親子関係を見つめ直したいとき、
この本は“解決法”ではなく“立ち止まる時間”をくれます。
過去の痛みも、未熟さも、ぜんぶ抱えたままでいい。
それでも、今日から関係をよくしていける——。
そんな希望を、静かに灯してくれる一冊です。
この記事は、note大学「教育子育て部」10月のコンテストに向けて執筆しました。
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