10分くらいで作ったテキストエディタを公開したらTwitterで700いいねついた話
こんにちは、あとーすです。普段は蓼食う本の虫というWebサイトを運営したりして暮らしています。
先日、蓼食う本の虫のTwitter上で「Tachometer」というテキストエディタを公開したよというツイートをしてみたところ、1日で700を超えるいいねを頂きました。
自身の執筆速度を測定してくれる執筆エディタ「Tachometer」を作ってみました📝
— 蓼食う本の虫 (@tadeku_net) February 7, 2026
- 入力に応じて分速を計算してくれます
- 一定速度を超えると画面が光ります
- 目標字数を設定でき、そこからゴールまでの予測時間と進捗率を計算してくれますhttps://t.co/hl3ZXKXIYJ pic.twitter.com/FoWgV5MG3c
今のご時世、700いいねが付いた程度では「バズった」とは口が裂けても言えません。これが乾坤一擲の力が入りまくったWebサービスであれば、思ったよりも反応が無かったなと肩を落とすところで。しかし、このサービスは、10分くらいで実装から公開までを行ったので、割いた時間の割には多くの方に見ていただけたなと思っています。
これは、普段マーケティングなどで悩んでいる方にとって何かの助けになるのではないか? そう思ったので、エディタの作り方などについてご紹介したいと思います。
Geminiと企画を作ろう
このテキストエディタを作り始める前に、僕の中には「何か小説を書くのに役立つシンプルなWebサービスを作りたいな〜」という漠然とした思いだけがありました。その思いを、次のようにとりあえずGeiminiに投げてみました。
小説を書く人向けの便利なWebサービスの案を出してください。たとえば、与えられたテキストを原稿用紙に換算するようなもの。たとえば、三題噺用のお題をスロットで出してくれるようなもの。たとえば、インスピレーションを湧き起こすような言葉が上からずっと降ってくるようなもの。フロントだけで完結するものが良いです。
Geiminiは、Googleが提供するAIエージェントサービスです。今回は、無料枠で使える「高速モード」を利用しています。
すると、以下のような返答をしてくれました(返答がかなり長かったので、見出しだけ抜粋しています。)。
1. 執筆の「手応え」を見える化するツール
「枚数換算・進捗メーター」
「執筆スピード・タコメーター」
2. インスピレーションを刺激するツール
「滝のように流れる『言葉のシャワー』」
「三題噺スロット・プロンプター」
3. 執筆環境を整える「ストイック」ツール
「一文字も消せない『前進専用』エディタ」
「プロット・シャッフル・カード」
4. 特殊な表示・校正ツール
「縦書きプレビュー専用ブラウザ」
合計7つのサービスを提案してくれたのですが、どれも結構良さそうじゃないですか? 他の方がサービス提供していたら、絶対に1度は使ってみたいサービスだなと思います。
この時点で一番面白そうだなと思ったのは「一文字も消せない『前進専用』エディタ」という案でした。そこで、次のようにGeiminiに指示しています。
「一文字も消せない『前進専用』エディタ」を、提案してくれた内容で作ってみてください
すると、HTML / CSS / JavaScriptのみで構成された良い感じのコードを生成してくれました。
手元で実際に動かしてみよう
コードが生成されたので、まずは手元で動かしてみましょう。
といっても、やり方は簡単で……
適当なテキストエディタを開きます。今回は、Visual Studio Codeを使いました。
index.htmlという名前で保存します。
保存したファイルをダブルクリックして、ブラウザで開きます。
これで実際に動作検証を行うことができます。
ここで、少し不満に思う点が出てきたので、3つだけ指示を追加しました。
リロードしても入力した内容を保持することはできますか?
書き終わった時に内容をリセットするためのボタンをつけてください
リセットする時に、本当に消して良いか確認するダイアローグを出してください
これで、おおよそ満足のいくものができました。手元での検証は終わりです。
Github Pagesで公開しよう
作ったサービスを他の人にも使ってもらいたいので、何かしらの手段で公開します。今回は、Github Pagesを使いました。コードはシンプルな構成なので、これで十分。ちなみに無料で使えます。
公開手順は色々あると思うのですが、今回は僕が行った手順でご紹介します。もっと効率の良い方法があれば教えてください。
Github上で新しいリポジトリを作ります。無料でGithub Pagesを使いたいなら、リポジトリをPublicにする必要があります。
Github Desktop の Add > Clone Repository から、先ほどGithubで作ったリポジトリをローカルにCloneします。
ローカルに出来たフォルダに、先ほど保存したindex.htmlを入れます。
PushしてCommitします。
Githubを見てみると、ファイルがアップロードされているはずです。
GithubのSettingsから、Pagesを開きます。
Build and deployment > Branceh を mainに変更します。
デプロイが始まるので、少し待ちます。たぶん1分くらいで大丈夫です。
Pages上に公開URLが出現します。そこにアクセスすれば、誰でも使えるようになっているはずです。
Twitterに投稿してみよう
誰でも触れるようになったので、これを全世界に公開していきましょう。
というわけで、蓼食う本の虫のTwitterでツイートしていきます。このアカウントは、フォロワーが最近1万人になり、普段の何気ないツイートであればimpは1,000くらいです。
タイムライン上で目立ち、かつサービスの概要が分かりやすいように、箇条書きで内容を説明して、プロダクトのスクリーンショットを付けて投稿してみました。
実際にツイートしたものが以下です。
前進しかできない執筆用エディタ「Stoic」をお試しで公開してみました📝
— 蓼食う本の虫 (@tadeku_net) February 6, 2026
- Backspace / Delete は無効になっています
- 放置していると、画面がどんどん赤くなっていきます
- ページをリロードしたりタブを閉じたりしても、入力した文字は保持されるようになっていますhttps://t.co/67J56BFIiR pic.twitter.com/PnqABAYjd4
2026/02/09の時点で27いいね。impは3,000程度です。普段の投稿よりは見られている感じがしますが、まあなんか微妙ですよね……。
何度も挑戦してみよう
しかし、Geiminiはまだいくつもサービス案を提供してくれています。こういうのは、数を打ってどの機能に需要があるのかを探っていくのが吉です。
続いて、この記事の冒頭でも紹介した「Tachometer」を作ってみます。企画案に対しての最初のプロンプトはこんな感じ。
前に教えて貰ったこれ作って
「執筆スピード・タコメーター」
タイピング速度を測定し、**「今のペースならあと◯分で書き終わります」**と予測表示します。
機能: 直近5分間の打鍵速度を計測し、ゴール(目標文字数)までの時間を算出。
フロントの工夫: 速度が落ちると画面の端が少し暗くなったり、逆に速いとエフェクトが出たりする視覚演出。
以前出力されたものを、ほぼそのまま貼り付けただけです。
できあがったものを見て、次の指示だけ出しました。
「現在速度」は、入力があるたびに計算される仕様のようです。これに加えて、1秒ごとに再計算して、入力が無い場合も計算できるようにできませんか?
良い感じになったので、先ほどの手順で公開。すると、冒頭でもお話したように、700いいねくらい頂くことができました。impは5万ほどなので、普段の50倍くらいは見ていただいている計算になりますね。
自身の執筆速度を測定してくれる執筆エディタ「Tachometer」を作ってみました📝
— 蓼食う本の虫 (@tadeku_net) February 7, 2026
- 入力に応じて分速を計算してくれます
- 一定速度を超えると画面が光ります
- 目標字数を設定でき、そこからゴールまでの予測時間と進捗率を計算してくれますhttps://t.co/hl3ZXKXIYJ pic.twitter.com/FoWgV5MG3c
僕がやっていることといえば、以下のことくらいです。
Geiminiに企画案を聞いてコードを書いてもらう
コピペしてローカルで動かしてみる
修正指示を数回出す
Github Pagesで公開する
スクリーンショットを撮る
概要とスクショを添えてツイートする
実作業時間は10分程度。これだけで700いいねがつくなら、かなりコスパが良いと思いませんか……?
個人的にはでかい数字が好きなので、それを見るだけでも楽しいのですが、反応があるということは需要があるということ。正直、今回作ったTacometerは見た目も機能も全然足りていないので、これだけ反応があるならば、もっと改良を加えても良いかもと思い始めています。そういう風に、需要のあるプロダクトを探すためのテストマーケ的に使えるのも良いですよね。これが10分でできるんですよ。凄くないですか?
最低限の準備と知識が必要
ただし、誰でも事前準備や知識なしでこれができるわけではないと思います。
たとえば今回の企画の指示の冒頭にある「インスピレーションを湧き起こすような言葉が上からずっと降ってくるようなもの」というのは、Word Casecadeというサービスを知っていたから指示できたものです(余談ですが、このサービスを紹介するツイートをしたら2,000いいねくらい付きました。やはりちゃんと作ってあるサービスは強い……)。
言葉のシャワーを浴びて執筆意欲を高めたい! みたいなことがよくあると思うのですが、「Word Cascade」といううってつけのサービスがあり、とてもおすすめです📝https://t.co/gXUu1U2116 pic.twitter.com/1MCxZJ4GTq
— 蓼食う本の虫 (@tadeku_net) February 7, 2026
蓼食う本の虫という文芸Webメディアを10年ほど運営しているので、小説を書く人たちがどのようなサービスを好みそうなのか体感として分かっている、というのが大きな点なのではないかと思っています。そのため、ある程度はその領域に対する知識があると、テストマーケ的に何かを作るときに上手くいきやすいのではないかと思います。
また、今回はVisual Studio CodeやGithub、Github Desktopなどを使って作業を進めていったわけですが、これらの準備が全くできておらず、使い方も分かっていないのなれば、到底10分では作業を完了させることができません。ここら辺のツールを普段から使い(僕は趣味でしか使っていませんが……)、操作に慣れておくと、ふと何かを公開したくなった時に便利だと思います。
また、Geminiに指示を出す際にも、たとえば「なんかブラウザ側でデータを保存してくれる機能があるよな……」などを知っていると、今回のように「リロードしても入力した内容を保持することはできますか?」という指示を出すことができます。LocalStorageという仕組みを使うとうまくいくようです。勉強になりました。
また、基本的なHTML / CSS /JavaScriptの知識があると、全体の構造が分かり、Geiminiにどのような指示を出せば良いのかも思いつきやすくなります。簡単な変更であれば、自分で書き直すこともできますしね。
といわけで、事前に作るためには事前準備とか知識とかが必要なわけですが、まあそういうのは実際に手を動かしてみれば覚えることがですからね。もしまだGithub Pagesなどを使ったことが無いよという方は、この機会に使ってみていただければと思います。
最後になりましたが、今後も蓼食う本の虫では本好き・物書きの方に向けて幅広い情報をお届けしていきますので、何卒よろしくお願いいたします!!
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