ChatGPT Pulseで「仕事の“取りこぼし”を減らす」:朝5分のレポート運用(プロンプト全文あり)
0. 免責・注意事項
本稿は、筆者の個人的な運用例です。内容の正確性・有用性・業務での利用可否・関係法令や社内規程への適合性は、ご自身でご判断ください。
ChatGPT Pulseは2026年1月9日時点では、Pro版ユーザーのみ利用可能です(Plus、無料ユーザーは利用不可)
1. はじめに:情報収集の難しさと「取りこぼし」のコスト
仕事における情報収集は重要と言われつつもなかなか難しいです。
例えば、私は法務・内部統制・コーポレート系の仕事ですが、所掌範囲が広く、今後も増える可能性があります。
海外への拡大、隣接領域(データ、サプライチェーン、制裁、ガバナンス、危機対応)など、守備範囲は年々広がっています。
日経を読む方は多いと思いますが、あまり仕事に関係のない記事や、同種の記事が続くこともありますし、内容が重いと目が滑る日もあります。そうなると、適切に情報収集できているか、やや不安になりますよね。
そんなときに、Pulseは自動的に自分の興味のある内容を"拾わせる"ことができます。
すべてを網羅するわけではありませんが、他の複数媒体と合わせて網にかけることで、「知っておかなければいけないこと」を逃すリスクを低くできます。
1.1 本稿の結論
Pulseは「ニュースを全部読む仕組み」ではなく、朝、情報収集の目星をつける仕組みとして使うと強いです。
具体的には、毎朝Pulseに届いたカードを朝5分で仕分けして、深掘りはChatGPTに追加質問したり、別媒体で調べます。
拾ってほしい領域は、Pulseの「Curate(キュレーション)」で翌日の観点を指定して寄せます。
また、この「朝イチは軽く整地して、重い思考は後ろに残す」発想は、以前書いた「契約審査で脳を溶かさない:System2を温存する生成AIの登板管理」とも同じです。
1.2 超要約
やっていることは、だいたいこれだけです。
毎朝Pulseを開く(夜間のリサーチ結果が“朝に届く”前提)
カードを流し見
重要度の高いものを保存し、必要に応じて追加質問
プライベートに関するカードで息抜き、業務上重要なものは業務時間で深堀り
1.3 まずはプロンプト短縮版
読み物は後で良い、という人向けに、先に短縮版を置きます。
次の内容を定期レポートしてください。
1) 居住地(例:東京)の今日+1週間の天気
2) 政治・経済:日本/米国/その他地域
3) 市況:自分の資産に影響しうる話題
4) 自分の業界に関するニュース
5) 自分の業務に関するニュース
6) プライベートや趣味に関するニュース
【出力ルール】
- 可能なら一次情報リンク(官公庁・当局・裁判所・公式リリース等)を優先。
- 推測が混ざる場合は「推測」と明記。
2. ChatGPT Pulseとは(利用条件/仕組み)
ChatGPT Pulseは、ChatGPTが夜間に非同期でリサーチし、翌日にカード(visual summaries)として届けてくれる機能です。
カードは流し見しやすく、必要なものだけ深掘りできます。
Pulseは、過去の利用状況(Memory、過去チャット、フィードバック)を材料にして、徐々に“自分向け”に寄ってきます。
(=「自分の関心に合わせて、だんだんチューニングされる」タイプの機能です。)
2.1 利用条件(公式の説明をざっくり)
2026年1月時点の公式ヘルプ上は、PulseはProユーザー向け(Web / iOS / Android)として説明されています。Pulseはデスクトップアプリでは利用できず、また、Memoryをオンにする必要がある旨も書かれています。
※このへんはアップデートで変わり得るので、気になる人は公式ヘルプを確認してください(最後にリンクを置きます)。
2.2 イマイチな日の扱い(調整ループ)
Pulseは万能ではないので、イマイチな場合や、内容が薄い日もあります。
私は、次のループで調整しています。
まずは1〜2日、同じ設定で様子を見る(単発で薄い日はある)
数日間ほぼ見ていない項目があれば、思い切って削る(読む負担を減らす)
削った分の枠に、いま困っている仕事/いま興味がある趣味を1つ足す(“今の自分”に寄せる)
翌日からは「Curate(キュレーション)」で、拾ってほしい観点を短く指示して微調整する
プライベートはスポーツニュースからイベント情報まで幅広く対応できます。
XなどのSNSやYoutubeでよく見るトピックから項目をつくったらいいかなと思います。
それこそ、ChatGPTで項目化するのが楽ですね。
2.3 朝5分で回す運用(流し見→保存→深掘り)
ここが一番「真似しやすい」ところなので、私の回し方を固定しておきます。
① 流し見(まず“仕分け”だけ)
Pulseのカードをざっと眺め、高/中/低の3段階で瞬間仕分けします。
高:今日の自分 or 自社に刺さる(後で必ず深掘りする)
中:今週中に見たい(保存して寝かせる)
低:今は不要(保存しないで流す)
② 「高」と「中」だけ保存
後からカードを見返すことは可能ですが、掘り出すのが手間なので、高と中だけ保存します。
③ 深掘りは“別チャット”でやる(朝はやり切らない)
保存したカードは、必要に応じてチャットで「問い」を立てて深掘りします。例えば:
自社影響(どの部署・どの会議体が関係するか)
論点(争点は何か/一次情報はどれか)
次アクション(確認先、必要な社内情報、期限)
④ 明日のPulseに寄せたいなら「Curate」
今日のカードで「ここ弱いな」と思ったら、Curateで“明日はここを厚めに”と指示して、翌朝の網の目を調整します。
3. 私のプロンプト全文
短縮版は上に置いたので、ここではフル版を置きます。
3.1 私のプロンプト全文
次の内容を毎朝レポートしてください:
①居住地(例:東京)の当日と今後一週間の天気
②日本の政治・経済ニュース
③アメリカの政治・経済ニュース
④日本・アメリカ以外の国の政治・経済ニュース
⑤私の保有資産に影響しそうな投資信託・株式市場動向(eMAXIS Slim全世界、S&P500、TOPIX、ゴールド…)
⑥自分の会社の業種におけるニュース
⑦法改正情報(自分の会社における重要法令など。海外法含む)
⑧判例・事件速報(海外含む)
⑨同僚と話す話題(スポーツ、ドラマ・映画等)
⑩国内外のアート・建築・デザインの話題
⑪今週末の居住地(例:東京)での家族連れ向けイベント情報
⑫過去話題と無関係な刺激的トピック
3.2 プロンプトの設計思想
法改正・事件・市況は私にとって重要ですが、朝イチでそれだけ読んだら、目が滑ります。
あえて「外す」枠として、以下の内容を加えています。
アート/建築/デザイン
スポーツ/ドラマ
週末イベント
無関係な刺激的トピック
この外しが、結果的にインスピレーションになったり、頭のウォームアップになったりします。
また、Pulseを“情報収集”としてだけ見ると、続かない可能性があります。
「何が出てくるかな」枠があると、読む習慣にもなりますし、雑談のネタとしてもいいですね。
法務の強みは法律知識や経験、事業理解…というのは当然ですが、雑談による関係構築も効くというわけです。
3.3 地味に重要な天気
陳腐ですが、天気は重要です。
雑談ネタとしてはもちろん、服装や雨具の準備などをスムーズに行えるようにして、無駄なことに時間を割かないようにしています。
体調管理にも直結しますからね。会社の中で重要性が増すほど、自分がボトルネックになることは避けたいですし、病欠した後のリカバリーも大変になっていきます。
4. まとめ:Pulseは“情報収集”だけではなく朝の“ウォーミングアップ”
Pulseを使って良かったのは、「情報が増えた」よりも、朝の頭が起動しやすくなった点です。
仕事ネタで脳を業務モードにする
天気・気温推移で、服装・準備と体調管理に関する意思決定を終わらせる
流し見→保存→深掘り、の型ができると「朝5分」が安定する
プライベートネタがあると、習慣化しやすい上に、雑談ネタにすれば関係構築にも寄与する。
Proを使っていない方も、Pulse機能が開放されたら、ぜひ活用してみてください。
参考(公式)
ChatGPT Pulseとは(日本語)
https://openai.com/ja-JP/index/introducing-chatgpt-pulse/
ChatGPT Pulse概要(英語)
https://help.openai.com/en/articles/12293630-chatgpt-pulse
