四面楚歌と宇宙のファンタジー

 前回「さらば我が愛 覇王別姫」を見たという記事を書いたのですが、「覇王別姫」といえば、項羽と虞美人の物語、四面楚歌の由来となった物語です。
 映画とはなんの関係もないのですが、「四面楚歌」と聞くと、私の頭の中には、「宇宙のファンタジー」が流れるのです。

 高校生の頃、私は吹奏楽部に属していまして、1年の締めくくりに公民館の大ホールを借りて単独コンサートを開くことが恒例になっていました。当時コンサートは3部構成で、2部にミュージカルをやっていました。1年生、2年生合わせて部員が60名ほどいたのですが、劇団と楽団の二手に分かれて、自分たちで、脚本を書いて、自分たちで演奏して、その音楽に合わせて、自分たちで演じ、踊っていました。私はミュージカルが恒例になっていることを知らずに吹奏楽部に入ったので、踊るために吹奏楽部に入ったんじゃない、楽団で演奏したいと主張したのですが、そこは力関係、先輩に私楽団、あんたは劇団、と言われ、1年生の時は、泣く泣く劇団で端役に甘んじました(笑)苦節1年、2年生になって1年の締めくくりのコンサートを迎えた私は、1年生を当然のごとく劇団に送りこみ、念願の楽団に所属することになりました。

 その時のミュージカル演目が、「項羽と劉邦」だったのです。

 私は、脚本に携わっていなかったので、どうしてその年の演目が「項羽と劉邦」になったのか定かではないのですが、多分、顧問の先生が社会科の先生だったことと、ちょうど歴史の授業で、この辺りの時代のことを習っていたのではないかな、と思います。(ちなみにミュージカルには、顧問の先生も本人役で出演してくださってました。)

 最初は、権力を謳歌し、劉邦を倒すチャンスがあったにもかかわらず、部下の忠告も聞かずみすみすチャンスを無駄にしても余裕たっぷりの項羽でしたが、形勢逆転、徐々に追い詰められて、自らの力を過信していたことを悟ります。そして、これまで邪険に扱ってきた虞美人のことも本当に愛していたことに改めて気づきます。愛を確かめ合った二人をひたひたと劉邦軍が取り囲みます。虞美人を先にあの世に送り、項羽は雄叫びをあげ、孤独に劉邦軍に向き合い・・・・・・・
 というところで、オーボエのソロからイントロが始まり、「宇宙のファンタジー」と共に、項羽は劉邦軍相手に鼓舞奮闘し、曲の終わりと同時に命果てるのです。

 「宇宙のファンタジー」とはアースウィンド&ファイヤーの有名な楽曲で、1977年に発表されたそうです。1977年当時は生まれてはいたもののまだ子どもだったので、日本での盛り上がりっぷりは知らなくて、単純に「かっこいい」という選曲だったのだと思うのですが、かなり年上のOBの先輩が「勘弁してくれ・・・・・・」と呟いていたのをなんとなく覚えております(笑)当時は、そうでなくても、コンサートのためにたくさんの曲を覚えてないといけないのに、こんな難しい曲を選曲するなんて、勘弁してくれっていう意味だと思っていたのですが、歌詞を知ってみると、うーん、そういう意味ではなかったのかも・・・・・(笑)
 大人になってから、よくライブに一緒に行っていた音楽友達にこの話をしたら、「全然違うのに・・・・・」と呆れかえられてしまいました。確かに、鼓舞奮闘する歌ではないわな・・・・でも、項羽にとっては、虞美人が先に行ったファンタジーの国への飛翔の歌だったと言えなくもない、か、も・・・・・・・(無理やり)

 ちなみに私は選曲にも関わっておらず、原曲のことも知らなかったので、この曲を使うと決定してから原曲を初めて聴いたのですが、ベースラインのかっこよさに痺れまして、そりゃあもう必死で練習しました。あの頃の精一杯。
 本番では、曲の終わりと同時に項羽が倒れ、舞台が暗転した瞬間、観客席の赤ちゃんが泣き出しました(笑)赤ちゃんには申し訳なかったけれど、迫力あるいい場面になったんじゃないか、と自画自賛です。
 もうウン十年も前の話なのに、割と細かいところまで覚えているのが不思議ですね。そのうち、当時の録画発掘して見てみようっと。

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