『既製服も、市販の型紙も、なんだかしっくりこない…』 その違和感には理由があります
こんにちは!
Atelier Tensenのムラカミケイコです。
Atelier Tensenのマイパターンアカデミーに
入会された方の、服作りのお悩みは、
大きく4つに分かれます。
・市販の型紙が体に合わず、
シワや着心地が気になる
・独学に限界を感じ、
基礎からパターンを学びたい
・作家として活動したいけれど、
自分の技術に自信が持てない
・すでに販売していて、
オリジナル商品を作りたい
年齢も、洋裁歴も、
住んでいる場所も、それぞれ違います。
洋裁を始めて間もない方もいれば、
20年近く教室に通っている方、
すでに作品を販売している方もいます。
けれど、アンケートの回答を並べてみると、
多くの方が、同じような場所で
立ち止まっていることが分かりました。
「型紙どおりに作っているのに、
なぜか体に合わない」
「襟ぐりや袖を少し変えたいけれど、
どこをどう直せばいいかわからない」
「作りたい服のイメージはあるのに、
自分で型紙にできない」
「何度も修正しているうちに、
服作りが嫌いになりそう」
一見すると、
それぞれ違う悩みに見えます。
けれど、その根本には、
共通する思いがあります。
それは、
自分に合う型紙を探しているのではなく、
自分に合う型紙を作れるようになりたい、
という思いです。
欲しいのは、
新しい型紙を一枚手に入れることではなく、
体型やデザインが変わっても応用できる、
一生使える服作りの考え方を身につけたい。
多くの方が、
そこを求めて
アカデミーに参加されています。

では、なぜ、市販の型紙ではしっくりこないのか….
市販の型紙は、
できるだけ多くの人が使えるように、
標準的な寸法やバランスをもとに作られています。
それは、多くの人に
使ってもらうために必要な仕組みです。
けれど、
一人ひとり顔が違うように、
体型も一人ひとり違います。
同じバスト寸法でも、
肩の傾き 、背中の丸み、
胸の高さや厚み、首の位置 、
腕の付き方 、前後の体の厚みは、
それぞれ異なります。
そのため、サイズ表では
同じサイズを選んでいても、
着てみると、
「首が苦しい」
「襟ぐりが後ろに抜ける」
「腕を上げると袖がつる」
「背中や脇にシワが出る」
「全体的に野暮ったく見える」
ということが起こります。
つまり、市販の型紙が悪いわけでも、
作る人の技術が足りないわけでも
ありません。
もともと、不特定多数の人に
向けて作られた型紙と、
一人ひとりの体が完全に
一致することのほうが難しいのです。
感覚の鋭い方ほど、
そのわずかな違和感に気づきます。

けれど、違和感の原因や、
型紙の仕組みを知らなければ、
「ここをもう少し変えたい」と思っても
どの線を、どの方向へ、
どれくらい動かせばよいのか判断できません。
その結果、何度も作り直したり、
補正を繰り返したりして、
完成までに長い時間がかかってしまいます。
服作りが好きで始めたはずなのに、
いつの間にか、楽しさよりも
苦しさのほうが大きくなってしまう….。
そんなお悩みを、
これまでたくさん聞いてきました。
では、アカデミーで学べば、
すぐに何でも作れるようになるのか
正直にお伝えすると、
アカデミーで1年学んだからといって、
すぐにどんな型紙でも
迷わず引けるようになるわけではありません。
服作りも、
最初はある程度の量を
重ねる必要があります。
線を引く。
シーチングで形にする。
着て確認する。
修正する。
そして、もう一度型紙に戻る。
この繰り返しの中で、
「この線を変えると、シルエットがこう変わる」
「このゆとりが、着心地につながっている」
「このシワは、ここに原因がある」
ということが、少しずつ分かるようになります。
料理に似ているかもしれません。

最初はレシピを見ながら、
書かれている通りに作ります。
けれど、何度も料理をしていると、
自分の好みや、
素材の特徴が分かるようになります。
やがて、
「今日は少し味を変えてみよう」
「この材料でも作れそう」 と、
自分で考えてアレンジできるようになります。
服作りも同じです。
基礎となる理論を知り、
実際に手を動かしながら
繰り返すことで、
少しずつ自分の中に
技術が蓄積されていきます。
アカデミーを卒業して
3年、4年と服作りを続けている
卒業生の中には、
街で見かけた素敵な服を見て、
「このデザインは、
原型からこう展開しているのではないか」
と考えられるようになった方がいます。
気になったデザインをノートに描き、
縮尺の原型を使ってダーツ展開をメモし、
実際のパターンへ起こしていく。

以前は、型紙がなければ作れなかった方が、
見たものを観察し、自分で考え、
形にできるようになっているのです。
それは、一度の講座だけで
得られるものではありません。
基礎を学び、その後も何度も作り、
失敗し、修正してきた積み重ねが
あるからこそ身についた力です。
だから私は、
1着をきれいに完成させることだけを、
ゴールにはしていません。
1着の作り方を覚えるのではなく、
自分で考え、作り続けられる力を育てること。
それが、
Atelier Tensenで大切にしていることです。
次回は、
40代、50代になって、今まで着ていた服が
「似合わなくなった」と感じる
理由についてお話しします。
市販の型紙で作っても、
なぜか体に合わなかった人。
何度作っても、
思い描いていた形にならなかった人。
長く洋裁を続けていても、
パターンへの苦手意識が消えなかった人。
そんな人たちが、何を知り、
どのように学ぶことで、
自分の体や理想に合った服を
作れるようになったのか。
年齢とともに変化する体と、
型紙の関係をひも解きながらお伝えします。
次回も、ぜひお読みください✨
