サイに乗りたい
私はよく花や草木の写真を投稿しますが、実は動物もすごく好きなんです。
犬や猫はもちろんですが、小学生のときは学校にいるうさぎや、にわとりの世話もしていました。野鳥も好きです。もちろん身近な存在のハトだってスズメだってカラスにだって分け隔てなく接することができる。いつかは、えっ?何でこんなとこに居るのって場所にいた亀さんをおそらく棲み家としているだろうと思われる付近の川まで連れて行ったこともあるし、道路でひっくり返っている蝉(昆虫だけど)に人差し指を差し出してしがみつかせて木に戻してあげたり、ザリガニが全力で威嚇してきてもニコニコしていられるし、みんなみんないきているんだともだちなんだ〜♪って、とにかく生き物が好きなんだよってこと。
そうなると当然自分で飼ってみたいって思うのだけど、私はこれまで犬は飼っていたことがありますけど猫はないのです。出来ることなら今すぐにでも一緒にくらしたいのですが、私はどちらにもアレルギーがあると思われるので、一緒に暮らすとなるとそれなりに大変なこともあったりするし、何より人間がたくさん住むような都市や住宅密集地では犬や猫のような所謂ペット動物でものびのびとは暮らしづらいですよね。猫は外に出すなって言われるし、犬だって散歩以外は一日のほとんどを室内で暮らすことになるし、生まれてからずっとそんな環境で育ててればストレスもないのかもしれないし、何より飼い主の愛情があればどんな環境でも幸せなのかもしれないけど、やっぱり自由に動いて遊び回れる牧場みたいな広い土地で一緒に暮らせるなんていうのが私の理想です。
子供の頃は昆虫や、金魚、トカゲやイモリや、カエルなんかも飼っていて、とにかく図鑑に載っている小さい生き物、その中で自分で捕獲出来るような生き物は何でも一度は飼っていた記憶があります。ゲンゴロウとか水中を泳ぐ姿が可愛いのですけど私の住む地域ではもう生息していそうな場所は無くなってしまいました。オニヤンマなんかも昔はビュンビュン飛んでいる姿を見ましたが今は全く。蛍も見ませんね。そのうち地球は人間とゴキブリだけになるのではないかと危惧しています。
大きな動物は飼いたくても飼えません。
可能なら黒豹とかジャガーみたいな大型の猫と暮らしたいです。
馬もいいですよね。日本でも昔は馬で移動することはあったし、ちょっと身分が高かったり、裕福な家だったら家に馬を飼っていただろうし、農家でも牛や馬飼っていたんだから、割と人の暮らしに身近な存在だったのだろうけど今は難しいですよね。体も大きいし、世話も大変だし、何より一緒に暮らすための敷地がないですから。ポニーですら無理です。
でも一番飼いたい動物はサイです。
サイというのは🦏です。
サイは生息数が少なくて絶滅の危機に瀕している動物ですが、その大きな原因は人間です。
特に高価で取引されるサイの角を目当てにした密猟が大きな問題となっていますが、私がサイをころして角を奪っていく密猟者に伝えたいのは、サイの角は折れちゃっても生きていればまた伸びてくるそうですから、角目当てにサイをころすのはではなくて、どうせ銃を使うなら麻酔銃とかにして眠らせているあいだに角だけ切って持って行ってください。生かしておけばまた子供も生まれてくるし、サイの生息数が増えればお望みのサイの角も増えるのだからそうしてください。できれば密猟自体をやめて、サイの保護活動をしてください。ということです。ですが、私がサイを飼うときはやはり密猟者によって母親をなくして、みなしごになった子サイを保護することになるでしょう。子サイは見た目はすでにサイそのもので重戦車感がありますが、無邪気に走り回る姿はとてもかわいいです。
子サイから育てて毎日コミュニケーションをとりつつ、信頼関係を築き上げて、大きく成長した暁にはサイの背中に乗って散歩をするのが夢です。誰もいない草原をゆっくりと進みながら、日が登るのと、日が沈むのを見届けて、暗くなる頃には家に帰って、寝て、また朝になったらサイの背中に乗って散歩をする日々を送りたいのです。ときには私とサイを見かけたひとが声をかけてくるかもしれません。
「こんにちは」
「こんにちは」
「何をしているのですか?」
「わたしはサイの背中に乗って散歩をしているのです」
「いつもそうしているのですか?」
「そうです。わたしは毎日サイの背中に乗って散歩をしているのです」
「どうしてそんなことをしているのですか?」
「わたしはサイがとても好きなのです」
「どうしてそんなにサイが好きなのですか?」
「どうしてでしょう、とにかくわたしはサイがとても好きなのです」
「うらやましいです。私はひとりでさびしくて…」
「あなたはひとりじゃありませんよ」
「そうなのですか?」
「そうですよ、こうしてわたしもいるのですから」
「そうですね」
「では、またあいましょう」
「さようなら、また会いましょう」
ときにはそのまま旅に出るのもいいかもしれません。サイの背中に乗って旅をする。
「こんにちは」
「こんにちは」
「私、サイにのっている人なんてはじめてみました」
「そうですか、わたしはとてもサイがすきなのです」
「こわくはありませんか?」
「こわくはありません、それになれれば安定感も抜群です」
「どこかへいかれるのですか?」
「サイにのって気のむくままに旅をしているのです」
「うらやましいです。でも、サイはとてもゆっくりでしょう?」
「そうですね。ですが、わたしはいそいではいませんので。あなたはどこかへいくのですか?」
「私はどこにもいきませんよ。ここに住んでいるのですから」
「そうですか。どこかへいそいでいらっしゃるのかとおもいましたから」
「私はどこにも行くところなんてないのです」
「どこにも?」
「そうです、私はずっとここにいるしかないのです」
「あなたもサイにのって一緒に旅をしませんか?」
「私が?」
「そうです。サイはこのとおり体も大きくて頑丈ですから、あなたが乗ってもびくともしませんよ」
「でも私には少しこわいです。旅はまたいつか」
「そうですか。また私を見かけたらいつでも声をかけてくださいね」
「ありがとう」
「それでは、また会いましょう」
「さようなら、また」
旅の道は風にまかせて
「おい!そこのお前!」
「わたしですか?」
「そうだ、お前ここでなにをしてやがる!」
「わたしはサイにのって旅をしているのです」
「サイなんて危ないだろ!それにここは私の土地だ!今すぐに出ていってくれ!」
「そうなのですか。たいへんしつれいしました。ここはあなたの土地なのですか。とても素敵なところですね」
「そうだ!勝手に入ってきやがって」
「ごめんなさい。このあたりはとても風が心地よくて。それにサイがこのあたりの草をとてもおいしそうにたべているのです。もう少しいさせてもらえないでしょうか?」
「だめだ!このあたりは私の土地なんだ、草でもなんでも私のものだ、勝手に食べたのなら金を払ってもらうぞ」
「ごめんなさい。わたしはあまりお金をもっていないのです」
「なんてやつだ!いますぐここから出ていけ!」
「あなたはどうしてそんなにおこっているのですか?なにかいやなことでもあったのですか?」
「おかしなやつめ!お前が俺の土地に勝手に入ってきて、そのサイに勝手に草を食わせているから俺は怒っているんだ!」
「そうなのですか。それで…そうだ!あなたもサイにのって少し散歩しませんか?とてもいい風が吹いていますよ」
「馬鹿言うんじゃない!俺はこの土地をお前みたいな奴から守るためにずっとここから出るわけにはいかん!さあ、とっとと出ていってくれ!」
「そうですか。わかりました。それではまた」
「二度と来るんじゃない!」
花の咲く方へ
「こんにちは」
「こんにちは、まあなんて大きな…サイかしら」
「そうです。でもとてもおとなしいサイです。こわがらなくてもへいきです」
「そうね。この子はやさしい目をしているわね」
「そうなのです。とても大きくて、おとなしくて、やさしいサイです」
「あなたたちはどうしてこんなところに?」
「わたしたちは旅をしているのです」
「そうなの。いいわね」
「おばあさんはここでなにをしているのですか?」
「私はびょうきでもうあまりながくはないと思うの。だからこうして毎日ここへきて花を見たり、とりのこえをきいたりしているのよ」
「そうなのですか。とても素敵な時間ですね」
「よければあなた達もいっしょにどう?」
「それはいいですね。ではおばあさんもサイにのってさんぽしましょう」
「私、のれるかしら。」
「もちろんだいじょうぶですよ」
「ながいきはするものね。サイに乗れる日がくるなんて」
「いきましょう」
「サイの背中ってとてもおちつくのね」
「サイの背中はとてもおちつきます」
「私、幸せだわ」
「わたしもしあわせです」
「このあたりはとても静かですね」
「そうね。いいところだわ」
「あなたたちこれからどこへ?」
「どこへいきましょう。こんどは森のほうへいってみようかな」
「これをもっていって」
「なんでしょう」
「これはお守りよ。びょうきになってからずっともっていたの。良いことがありますようにって」
「もらってもよいのですか?」
「いいのよ。私にはもう必要ないわ。それにとてもご利益があるみたい」
「ありがとうございます」
「旅をたのしんでね」
「またいつか会いにきます」
「たのしみにしているわ」
「それでは、また」
「さようなら、ありがとう」
森の中で
「こんにちは」
「こんにちは、すごいすごい!」
「どうも、わたしはサイにのって旅をしているのです」
「すごい、すごい!」
「君はまだ小さなこどもでしょう?こんな森のなかでなにをしているのですか?おとうさんか、おかあさんはいっしょではないのですか?」
「あたしはここにすんでいるの。おとうさんもおかあさんもいないわ」
「そうなのですか、きみ、としはいくつ?」
「ごさいだけど、ほんとはもっとよ」
「ほんとは?」
「そうよ」
「きみ、ふしぎな目をしているんだね」
「あたしの目にはうちゅうがはいっているのよ。それでこんななの」
「目にうちゅうが?」
「そう、うちゅう。すごいでしょ?」
「それはすごいです」
「あなたのサイもすごい、とてもおおきくて」
「この子はとてもおおきくて、やさしいのです。よければきみものってみる?」
「いいの?すごい、すごい!」
「あたし、サイにのるのははじめて」
「きみはここでずっとひとりなの?」
「ひとりじゃないわ、たくさんたくさん、お友だちがいるのよ」
「たくさん?」
「そうよ、それにあなたもいるじゃない」
「そうだね」
「あたし、まほうがつかえるのよ」
「まほう?」
「そうよ、それにこのサイさんがなにをかんがえているのかもわかるわ」
「それはすごいです。でもわたしもこのサイの気持ちならすこしはわかるのです。わたしはこのサイが小さいときからとずっと一緒にくらしてきましたから」
「そうなの?じゃあ、あなたもまほうがつかえる?」
「わたしはまほうはつかえませんよ」
「そうなんだ」
「きみは、きみのほかにもまほうがつかえる人をしっている?」
「しっているわ。おともだちよ」
「そう、それはすごいです」
「わたしのまほうみてみたい?」
「それはもちろん。でもきみはどうしてまほうがつかえるの?」
「わたしの目にはうちゅうが入っているの」
星に願いを
「こんにちは」
「?!」
「どうも、こんにちは」
「こっちにこないで!」
「なにをしているのですか?あなたも旅をしているのですか?」
「そんなわけないでしょ!!私はこの崖の向こうに行くの」
「がけの向こう?どうしてですか?」
「もう何もかも嫌になったの!あなたこそなんでこんなところに…」
「わたしはサイに乗って旅をしているのです」
「サイって…」
「森を抜けてきたのです。そしたら海が見えて、この高い場所から夕日を見ようと思って」
「夕日?」
「そうです。わたしは毎日夕日が沈むのを見るのが好きなのです。ほらだんだん空が赤くなってきています」
「いいからもうどこかへ行ってくれない」
「おねがいです。ほんの少しだけ、あの夕日が沈むまでのあいだここにいてもいいですか?」
「夕日が沈むまで?」
「そうです。あなたもいっしょに見ませんか?ここに座ってこのサイの体にもたれかかって、ほんのすこしのあいだ」
「ほんの少しのあいだ?」
「ええ」
「夕日が沈むまで…」
「そうです」
「……」
「ここはとてもすてきな場所ですね」
「そうかしら…」
「なにもさえぎるものがなくて、夕日がしずんでいくのをずっと見ていられます」
「そうね。でももう沈んでしまうわ。だんだん空も暗くなってきたし」
「きっと星もたくさん見えますよ」
「そうかもね…」
「このままここで星を見ましょう」
「どうして?」
「きっときれいですよ」
「そうかもね…」
「ほしがほんとにたくさんです」
「そうね…」
「あっ、ながれぼし!ほらっ、あっちにも」
「ほんと、私、流れ星なんてはじめて…」
「ねがいごとをするんですよ」
「ねがいごと?」
「そうです。なにかありますか?」
「何かって…」
「なんでもいいんです。心の中でおねがいするのです。きっとかないますよ」
「私は…幸せになりたかった…」
「ながれぼし、きっとまた見れますよ」
「あしたあさひがのぼったら、わたしといっしょにサイにのってたびをしませんか?」
「私が?私は…」
「がけのむこうがわへ行くのは旅がおわってからでもいいじゃないですか」
「旅が終わってから?」
「そうです」
「たび…」
「ええ」
「…そうね、それでもいいかも…」
「そうしましょう」
「うん…」
「あっ!?ながれぼしです!なにかおねがいごと!」
「えっ?!うん…」
「あっ!またむこうにも、はやく!」
「うん…(またきれいな夕日が見られますように…)」
つづく


先日、「NHK俳句」にも投句を始めてみました。選者は週によってちがうようですが、良い句は番組やテキストで取り上げられることがあるようなので、できればこれからも毎回投句してみようと思います。今募集中のものは七月の放送やテキストでのものだそうで少し先ですが、いくつかひねり出して送ってみました。


応募した小説はダメだったらnoteに投稿しますと言っておりましたので、近いうちに投稿しようと思います。落選したものを投稿するのは今になって少し躊躇いますが、読んでくださる方がいればいいかなと。少し長いですので、何回かに分けて投稿しようかなと思っておりましたが、それも大変かなとか思ったりしていて…とにかく投稿します。題名は「塵芥啾々」といいます。
それでは、また。
