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奈良・奥大和の入口「橿原」に躙口が生まれた日。NIJIRIオープニングレセプション・レポート

「茶室の躙口(にじりぐち)のように、誰もがフラットに、謙虚に繋がれる場所にしたい」

そんな願いを込めて名付けられた、コワーキング&交流拠点「NIJIRI(にじり)」。奈良県橿原市今井町の重伝建地区にある町家で、2026年1月30日、31日、2日間にわたるイベントが開催されました。


1日目:地域と呼吸を合わせる。「今井町」という舞台

初日は、この場所を長年見守ってきた近隣住民の方々や行政関係者をお招きしました。

「ただの空き家活用ではなく、町に活気を取り戻す拠点にしたい」という運営側の想いに、地域の方々からは、歴史ある町家が新しい世代に引き継がれることへの期待の声が寄せられました。

2日目:奥大和のプレイヤーが交差する「発酵」の場

2日目は、奥大和(奈良県南部・東部)の各地で挑戦を続けるゲストを迎え、3部構成のトークセッションが行われました。

【第1部】伝統を「今」の形に変える知恵



下市町で115年続く「吉谷木工所」の吉谷侑輝さんは、伝統技術を現代に繋ぐ覚悟をこう語ります。

「700年続く『木曲げ』の技術を、三宝(神具)だけで終わらせたくない。100年先を見据え、現代のライフスタイルに合う『新具』として、トングや照明器具に形を変えて技術を繋いでいきます」(吉谷氏)

この言葉に、参加者からは「橿原のような『市場に近い場所』で、こうした奥大和の技術を編集し、発信していく拠点の必要性」について、多くの賛同が集まりました。

【第2部】森と人を繋ぐ、新しいコミュニティの形



宇陀市で林業に携わる森本優子さんは、移住者の視点から「森」と「暮らし」の接続を提案しました。

「自然乾燥させた木材は、人工乾燥とは違う耐久性と温もりがあります。こうした奥大和の知恵を、ワークショップや交流を通じて、橿原や都市部の人たちに伝えていきたい」(森本氏)

「飛鳥・藤原DAO」が目指す、中央集権に頼らない自律分散型の地域づくり。森本さんの「コミュニティで森を守る」という視点は、まさにDAOの理念そのものでした。

【第3部】多様な個性が「醸成」される瞬間



午後のセッションでは、東吉野村で「Kombucha meme」を営む目黒夫妻が登壇。発酵飲料コンブチャを振る舞いながら、コミュニティのあり方を説きました。

「発酵は季節や温度で変化し、生きている。コミュニティも同じ。NIJIRIという場所で、多様な人が混ざり合い、新しい価値が醸成されていくのが楽しみです」(目黒夫妻)

会場には、大和郡山の養蜂家、桜井の運動指導士、京都から移住した歴史研究家など、多才なメンバーが集結。参加者からは、

「故郷に戻ってきても、どこで誰と繋がればいいか分からなかった。NIJIRIのような『入口』があることで、ようやく自分の活動を始める勇気が湧きました」

という切実な声も聞かれました。

結論:橿原は、奥大和の「知恵」を都市へ届ける関所

今回のレセプションを通じて再認識したのは、「橿原の役割*です。

  1. ゲートウェイ: 都市部(大阪・京都)から来る人々を、奥大和(吉野・宇陀・東吉野など)の深い文化へと誘う玄関口。

  2. 編集室: 奥大和の伝統や資源を、現代の価値観に合わせてリブランディングする場所。

  3. 港: 移住者が最初に着地し、地域と、そして他の移住者と「安心」して繋がれる場所。

「NIJIRI」は、ただの町家ではありません。奈良の知恵と現代の仕組み(DAO)が混ざり合い、新しい生き方を発酵させていく拠点です。

NIJIRIでは、今後も定期的なワークショップや、奈良・奥大和の事業者によるポップアップショップを開催予定です。

  • 「移住を考えているけれど、どこから相談すればいい?」

  • 「自分のスキルを奈良の資源と掛け合わせてみたい」

そんな方は、ぜひ今井町の「躙口」をくぐってみてください。

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