「今までケーキを買えなかったから」。チケットで初めて買った誕生日ケーキが親子に届けたもの
≫ 貧困の底で真っ先に削られる「お祝い」という体験
経済的に苦しい生活の中で、日々の生活を成り立たせるために真っ先に削られてしまうものがあります。
それは、旅行などの「娯楽」であり、そして何より、家族の「お祝いの機会」です。
子どものお誕生日。
本来であれば、色鮮やかなケーキにろうそくを立てて「生まれてきてくれてありがとう」と心からお祝いする、一年で一番幸せな日のはずです。
しかし、明日の食費や家賃の支払いに日々追い詰められている親にとって、数千円もする立派なホールケーキを特注することは、到底許されない贅沢になってしまいます。
「ごめんね、うちはお金がないから、今年はケーキなしね」
そう言って気まずそうに目を伏せる親と、我慢して無理に笑って見せる子ども。そんな残酷で悲しい誕生日が、日本の見えない場所でいくつも繰り返されています。
カロリーとしての食糧(パンやカップ麵)がどうにか確保できたとしても、心を満たす「お祝いの体験」の貧困は、誰にも気づかれないまま静かに放置されているのです。
≫ 支援団体が提案した「今月はケーキのチケット」という魔法
しかし、私たちが展開する「全国ドコデモこども食堂」の仕組みと、地域で活動するプロフェッショナルな支援ネットワークは、この見えない悲しみに手を差し伸べることができます。
ある地域の支援団体(連携先の100団体の一つ)が集まる全体会議の場で、こんな涙の出るような温かい事例が報告されました。
その団体は、支援している特定のご家庭の子どもの「誕生日」を正確に把握していました。そして、その月に発行されたドコデモこども食堂の電子チケットを保護者のスマートフォンに届ける際、こんな温かいメッセージを添えて提案したのです。
「お母さん、今月は○○ちゃんのお誕生日ですね。
このチケット、定食屋さんでのご飯だけじゃなくて、駅前の提携しているケーキ屋さんでも使えるんですよ。
今月はこれで、かわいくて美味しいケーキを買ってお祝いしてあげてね」
その夜、ケーキ屋さんのショーケースの前に立った親子。
「どれがいい?」と聞くお母さんに、子どもは目を輝かせてイチゴがたっぷり乗ったケーキを選びました。
チケットを使って初めて買った、立派な誕生日ケーキ。
後日お母さんから、
「今までずっと誕生日ケーキを買ってあげられなくて、いつも申し訳なく思っていました。
チケットのおかげで、あの子の本当に嬉しそうな顔が見れました」
という感謝の言葉が支援団体のスタッフに届けられました。
≫ あなたは社会から「祝われるべき存在」なのだというメッセージ
私たちがドコデモこども食堂のシステムを通じて届けているチケットは、単なる「食費の補助券」ではありません。
この誕生日ケーキのエピソードが示しているのは、私たちが届けているのが「あなたは生まれてきてよかったんだよ」「あなたは社会から大切に祝われるべき存在なんだよ」という、強烈な自己肯定感のメッセージそのものだということです。
街の地域の支援団体が、泥臭い関係性の中で一人ひとりの「特別な日」を把握して背中を押し、街の飲食店(ケーキ屋さん)の温かいインフラがそれを受け止めて、無数の奇跡のパッケージを作る。
これは、無機質な現金の振り込みや食料品の配給だけでは絶対に到達できない、人の血が通った最高峰の支援の形です。
この魔法のチケットを、まだケーキを買えずに涙を流している他の親子たちにも届けるためには、皆様からのあたたかいご寄付がどうしても必要です。
いただいた月々のご支援は、街のケーキ屋さんで色鮮やかなイチゴのケーキに姿を変え、誰かの忘れられない最高のお誕生日を作ります。
「生まれてきてくれてありがとう」という当たり前の言葉をすべての子どもに届けるために。
どうか私たちと一緒に、この活動にご参画ください。皆様のご支援を心よりお待ち申し上げております。
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