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「S&P500は500社に分散している」と思っていたら、上位2社だけで14.7%でした。

S&P500を積み立て始めたとき、「500社に分散投資できるから安心」というのが、自分の中の一つの根拠でした。

500社。なんか、すごくいっぱい持ってる感じがするじゃないですか(笑)。

最近、一次資料でS&P500の仕組みを改めて確認してみたら、「500社に分散」というイメージと、実態の間に少し温度差があることに気づきました。

まず「インデックスって何を計算しているのか」を確認してみた

S&P500の算出方法、一次資料を読んだことがなかったので読んでみました。S&P Dow Jones Indicesが公開している「Index Mathematics Methodology」という文書です。

計算式を超シンプルに表すと、こういう形になっています。

指数値 = 各銘柄の(株価 × 浮動株数)の合計 ÷ 除数

「浮動株数」というのは、市場で実際に売買できる株数のことで、創業者が持ち続けている分などは除外されます。そして「除数」という調整値が、銘柄の入れ替えや株式分割があっても指数の連続性を保つための工夫です。

この「除数」が面白くて、銘柄入れ替えのたびに自動的に更新されることで、「ガクンと段差ができない」という仕組みになっています。エンジニア的には、割り込みが入っても整合性を保つバッファのようなイメージです。

「S&P500って、単なる株価の平均じゃないんだ」というのが、一次資料を読んで初めて腑に落ちた部分でした。

「平均に勝てるのは28%」を実データで確認した

「インデックスに勝てる銘柄は少ない」という話、以前に「アクティブ運用の算術」という記事で書いたんですが、今回はS&P500の構成銘柄データで直接確認してみました。

S&P500上位276銘柄の5年間(2021年7月〜2026年7月)の株価倍率を集計した結果です。

  • 中央値:1.83倍(「普通の銘柄」の成績)

  • 平均値:2.50倍(インデックス全体が受け取るリターンに近い水準)

  • 平均値を上回れた銘柄の割合:27.5%

つまり、S&P500の構成銘柄の中から「インデックスの平均リターンを超えた銘柄」を拾えたのは、4銘柄に1銘柄程度。残り3/4は、自分たちが構成している指数の平均点に届いていなかった、ということです。

「少数の怪物銘柄が平均を大きく引き上げていて、残りの銘柄は平均以下」という構造が、実データでもはっきり確認できました。個別株で「平均に勝とう」とするのがいかに難しいか、改めて実感しています。

でも「500社に分散」は少し盛りすぎかもしれない

ここが今回一番「そうか」と思った部分です。

S&P500の上位10銘柄の集中度を時系列で並べると、こうなります。

  • 1990年末:19.0%

  • 2000年末(ITバブル期):23.0%

  • 2015年末:19.0%

  • 2025年末:40.7%

1990年から2015年の25年間、上位10銘柄で概ね18〜23%のレンジで推移していたものが、2025年末には40.7%まで上昇しています。歴史的なレンジのおよそ2倍です。

2026年7月25日時点の上位10銘柄を確認するとこうなっています。

【上位10銘柄と指数内ウェイト】

  • NVIDIAが7.44%

  • Appleが7.28%

  • Microsoftが4.21%

  • Amazonが3.70%

  • Alphabet(A株)が3.00%

  • Alphabet(C株)が2.80%

  • Broadcomが2.70%

  • Metaが2.24%

  • Teslaが1.83%

  • Berkshire Hathaway(B株)が1.59%

  • 上位10銘柄の合計:36.79%

NVIDIAとAppleだけで14.72%。この2社の動向が、指数全体の7分の1以上を左右しているという状況です。

「500社に分散している」は事実なんですが、「500社が均等に寄与している」とは全然違う。実態としては、上位少数社の動向に指数がかなり引っ張られる構造になっています。

これは「仕組みが壊れている」という話じゃない

念のため書いておくと、これはS&P500が欠陥品だという話ではないと思っています。

時価総額加重平均という仕組みは「株価が上がった企業のウェイトを自動的に増やす」という設計です。NVIDIAやAppleのウェイトが大きいのは、それだけ市場に評価されている企業だから、ということです。仕組みとしては正常に機能している。

ただ、「500社に分散しているから安心」という理解だけで持っているのと、「実質的には上位10社、特に上位2社の動向に大きく左右される」という実態を知った上で持っているのとでは、暴落時の心理状態が変わってくる気がします。

「NVIDIAが急落してS&P500も大きく下がった」というニュースを見たとき、仕組みを知っていれば「そういうものか」と思えますが、知らなければ「なんで500社に分散してるのに……」と戸惑うかもしれない。

結論として自分がどうしているか

「集中リスクが気になるなら、オルカン(全世界株式)に移すべきでは?」という話になりそうですが、私は今のところS&P500:NASDAQ100=8:2を続けています。

オルカンもS&P500も、時価総額加重平均である以上、集中リスクからは構造的に逃れられない。それより「仕組みを理解した上でどう付き合うか」を考える方が実務的だな、というのが今の自分の結論です。たぶん。

「500社に分散している安心感」から「上位少数社への集中リスクも内包している」という理解に変わったことで、何かを大きく変えたわけではないんですが、腑に落ち具合が違う感じはしています。腑に落ちていないまま持ち続けるより、よかったかなと思っています。

一次資料の計算式・除数シミュレーション・集中度の長期推移グラフはブログにまとめています。

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このnoteは「資産形成の攻略ノート」の要約版です。現役エンジニア・ストラが、データと数式で検証した資産形成の記録を発信しています。

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