「子どもがいない私」の老後準備。——自治体との調査で見えた、社会のシステムと私たちのリアル~第3回【解決編】私たちが目指す「緩やかなつながり」の形
これまで2回にわたり、文京区社会福祉協議会様との協業で実施した意識調査から見えてきた「子どものいない人の将来不安」についてお伝えしてきました。
「エンディングノートを書かなければ」と思いながらも、筆が進まない。そこには、制度的な壁だけでなく、「自分の属性を直視することへの戸惑い」、「外部と繋がることへの根深い警戒心」という、私たち当事者特有の心理的なブレーキが存在しています。
では、私たちはどうすればそのブレーキを外し、安心して一歩を踏み出せるのでしょうか。今回の調査とイベントを通じて、その答えが少しずつ見えてきました。
1. 警戒心は「自分を守る本能」である
イベント会場での対話会で、衝撃的かつ納得させられた声がありました。 それは、「こうしたイベントに参加するのを直前まで迷った」という率直な告白です。
「宗教勧誘や物品販売、あるいは詐欺やストーカーのようなトラブルに巻き込まれるのではないか」。そんな強い警戒心を口にする方がいらっしゃいました。しかし、裏を返せば、これは子どものいない私たちが、頼れる家族という盾を持たないからこそ身につけた、自分を守るための大切な防衛本能でもあります。
「文京区社会福祉協議会との協業だったから、安心できた」。参加者の多くが口にしたこの言葉は、私たちが求める「安心の条件」を象徴しています。私たちが求めているのは、安易な解決策ではなく、信頼できる土壌の上にある繋がりなのです。
2. 「深刻すぎない」オンラインコミュニティの価値
こうした警戒心を理解した上で、私たちが改めてその重要性を再認識したのが、現在運営しているオンラインコミュニティ「WINKo Lab(ウィンコ・ラボ)」の存在です。
なぜ、多くの方がWINKo Lab.に参加してくださるのか。 それは、ここが「真面目な話はするけれど、決して深刻にはなりすぎない」という絶妙な距離感を大切にしているからではないかと考えています。
オンラインであれば、移動の負担もありません。顔が見える安心感はありつつも、物理的な距離があるからこそ、逆に「深入りしすぎない、心地よい関係」を築くことができます。
老後や終活という重いテーマを、独り言にせず、誰かと共有できる。
家族以外に、ふらっと話せる「緩やかな知人」がいる。
この「緩やかさ」こそが、警戒心の強い私たちが、自分を開示するための鍵だったのです。
3. WINKo Lab.は、あなたの「ちょうどいい居場所」
WINKo Lab.は、単なる知識習得の場ではありません。 今回の調査でも明らかになった「困ったときに連絡を取り合える弱いつながり」を体現する場です。そして、「残りの人生でやりたいこと」の背中をお互いに押す場でもあります。
行政の窓口は硬すぎる。もっとカジュアルに、一人で抱えるには重すぎる問題意識を共有できる。 そんな「ちょうどいい場所」を探している方にこそ、私たちの活動を知っていただきたいと強く願っています。
結びに:共に、新しいセーフティネットを
「子どものいない人」として括られることに抵抗感がある。その気持ち、よく分かります。私も当事者の一人として、その複雑な胸の内をずっと抱えてきました。
だからこそ、WINKは「何かあったときに頼れる家族の代わり」を作るのではなく、「いざという時に助け合える緩やかな関係性」を地域と社会の中にデザインしたいと考えています。
オンラインの画面越しでも、私たちはこうして共感で繋がることができます。真面目に、でも笑顔で。そのつながりが、これからの人生を豊かにしてくれる。
「ああ、だから私はWINKo Lab.を立ち上げたんだ…」
アンケート結果を見て、そう腑に落ちたのでした。
社会貢献とか、そんな大層なものではない。何より、自分自身が「こんな場があったらよいのに」と思っている場を作りたかったのです。
【WINKo Lab.(第3期)について】 現在、WINKでは、子どものいない当事者同士で、将来の準備について学ぶ学習コミュニティ「WINKo Lab.」メンバーを募集しています。 「まずはどんな場所か知りたい」という方も大歓迎です。詳細・お申し込みはこちらからご覧ください。
https://wink.jp.net/wp/winko-lab/
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