今さらだけど、散歩がてら歩く良さを知る。
日常で歩く機会がほとんどない生活を送って一年半。
仕事をしていた時は、一日一万歩近くは歩いていたけれど、仕方ないから歩いていたという感じで、個人的にはあまり電車や歩きは好きじゃなかった。
仕事を辞めてすぐに自分の車を買ったくらい、本当に好きじゃなかった。
それまでは徒歩圏内のジムに通っていたが、車を停められるジムに変えて、徒歩圏内にあるたくさんのスーパーには目もくれず、車で行けるお気に入りのスーパーがある。
自分の「快適さ」を徹底的に追求した今の暮らしは満足している。
ところが副作用もあった。
それは、生活全体の活動量が圧倒的に減ってしまう事だ。
健康を考えてもダイエットを考えても、やはり生活全体の活動量の少なさやリズミカルな有酸素運動の少なさが引っかかる。
時間もあるし軽く散歩したりしながら有酸素運動できれば良いという事は、頭ではわかっているけれど、どうも歩きたくはない。
そんな葛藤があった。
ところが、一か所だけ必ず歩いていかなければならない場所があった。
それは徒歩10分、駐車場なしの歯医者さんだ。
日常でほとんど歩かない生活なのだから、これくらいは我慢しようと仕方なく歩いて通っていた。
歯医者さんまでの道のりには、仕事していた頃は全く気に留めなかったちょっぴり大きい公園がある。
何度か通っているうちに、遊歩道を通ればそのまま歯医者さんに行けることに気が付いた。
ルートを変えながら公園の中を歩くうちに、いつしか毎回立ち寄るのが習慣に。
やがて、公園のベンチで過ごす時間を確保するために、歯医者さんの予約をわざわざ夕方に寄せるまでになっていた。
今日の歯医者さんの帰り道。
遊歩道をゆったり歩いてベンチに腰かけた。
いつもより風が涼しい。全身で風を浴びて気持ちいい。
明日は天気が崩れるって言っていたな。と思い出す。
風に乗って植物たちの香りを嗅いで、セミの賑やかな声を聞く。
敷地内のプールからでてきた小学生たちの笑い声が響いてきた。
近寄ってくる誰かのわんちゃんや野生のハトちゃんを眺めたり。
また遊歩道を歩いて、夏の暑さでうなだれてしまったひまわりを眺める。
そしてまたベンチに座って、思い立った事を書いてみたりする。
そういう時間に、なんだか心の充足感を感じる。
いろんな音がしているのにうるさくない。人も動物もたくさんいるのにお互いがお互いの邪魔にならないような心地良さだ。
そして私のような大人も割といて、それも居心地の良さに繋がったかもしれない。
そんな心地良さに、散歩がてら歯医者さんに行く事が楽しみになりつつある。
今さらだけど散歩がてら歩く良さを知る。
快適さを追求していた時とは違う、新しい「快適さ」を見つけた。
もう少し涼しくなったら朝や夕方散歩してみようかな。

