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異世界ミートリア 【第3話】① 小さな光が、未病を見抜く!



【前回までのあらすじ】

肉神モツによって創られた国、異世界ミートリア。魔王ムダニクスによって王国中の肉が封印され、人々の笑顔は失われてしまった。

肉と笑顔を取り戻すため立ち上がったのは、救国パーティー《タカーズ》。
自由すぎる4人の冒険が始まった。
 ワケアイ村の初任務を終えたタカーズは、ミートリア王国へ戻ることに。

しかし近づくにつれ、空には重く静かな黒い影が広がっていた。怒りや争いの煙とは違う、ため息が集まったような影。

みーちゃんPは、その下に「まだ消えていない小さな光」を見つける。王国で、何かが起きている——タカーズの次の冒険が、始まろうとしていた。

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【第3話】①小さな光が、未病を見抜く!



ミートリア王国の門をくぐった瞬間、
タカーズの4人は思わず足を止めました。



「……静かすぎない?」

まきマネが、あたりを見回します。


肉が封印されたあとも、
王国の人々は、野菜や豆、穀物でなんとか食卓をつないできました。


けれど、食卓の中心だった肉が消えたことで、
王国からは少しずつ活気が失われていたのです。


道を歩く人々は、みんな肩を落としています。


「なんだか、体が重い……」

「大丈夫。肉がなくても、まだ動ける……」


その声は、黒い影へ吸い込まれるように消えていきました。

「ねぇ……これって…」


「パンツのサイズが合っていないのかもしれない」

「社長……たぶん違います」



その時、みーちゃんPが双眼鏡を構えました。

「見つけた!」

「何を?」

「来る途中で見つけた、黒い影の下の小さな光……あそこだよ」



みーちゃんPが見つめたその先には、
ひとりの女性がいます。


白と水色の衣装。
やさしい目。
薬草の入った小さな袋。

まきマネは、はっとします。

「あれって……うめこさん?」

「ミートリア王国の癒し手、看護師うめこだな」

ヒロパンダが言いました。


うめこさんは、座り込んだ男性の顔色を見て、
静かにたずねます。

「昨日、眠れましたか?」

「いや……なんだか、ずっと体が重くて」


「食欲はありますか?」


「お腹は空いている気がするのに、何を食べたいのか分からないんだ」


うめこさんは、男性の顔色、声の小ささ、
肩の落ち方を見たあと、広場を見渡しました。


そこには、疲れた人、ため息をつく人、
「大丈夫」と言いながらも
大丈夫ではない人たちがいました。



「パンツのサイズが合っていないのか?」


たかっち社長が、ぼそっと呟くと
うめこさんは、少しだけ微笑みました。

「うふふ。たしかに、お腹がへこんで、パンツのサイズが合わなくなっている人もいるかもしれませんね」


「えっ、それ拾ってくれるの?」

まきマネは、驚きを隠せません。



うめこさんは、やわらかく目を細めました。


「食べるものはあっても、肉が封印されてから、
みんな“食べる楽しみ”を少しずつ失っているんです」


「肉がなくなったから…」


うめこさんは、静かにうなずきます。


「病気とまでは言えません。
でも、このまま放っておけば、
倒れてしまう人が出るかもしれません」


「それって……」


「未病です。」


その言葉に、
みーちゃんPがつぶやきました。

「病気になる前の、小さなサイン……ってことね」


「顔色、声、歩き方、ため息、食欲。
体はちゃんと小さな合図を出してくれています。
けれど無理をしている人ほど、“大丈夫”と言ってしまうんです」

その横で、ヒロパンダが鼻をひくひくさせました。

「む……肉は、まだ封印されているな」

「ヒロさん、どうしたの? 肉の匂いでもするの?」

「肉賢者として、見逃すわけにはいかん」

ヒロパンダは、鼻先をぴくりとうごかし、
空気に残る匂いをたどりました。


「……む。これは完全に消えているわけではないぞ。
ほんの少しだけ、肉神モツの加護の気配がする」

「加護の気配!?」



その瞬間、パンツの妖精がぱっと光り、
たかっち社長は、サングラスを押し上げます。

「昨日、ワケアイ村で牛すじの封印を解いた。
その影響で、この王国にも、
ほんのわずかに肉神モツの加護が戻り始めているのだろう」

「……たかっち社長が、マトモ」


「……妖精が光ると、たまにそういう気分になる」


「そういう気分って何ですか!」

 
うめこさんは「うふふ」と口元をゆるめました。


どんな状況でも調子を崩さないたかっち社長に、みんなの間から少しだけ笑いがこぼれます。


けれど、笑っていられたのは、ほんの一瞬。


王国の空を覆う黒い影の奥から、
突然、低い声が響いてきました。


『疲れろ……もっと疲れろヘト……。 
元気をなくせば、笑顔も消える……ヘト』


「この声……!」

まきマネが顔を上げます。


ヒロパンダが空を睨みつけました。

「ムダニクスか……!」


それと同時に
王国のあちこちから、ため息が重なります。


「はあ……」
「つかれた……」
「やる気が出ない…」


その声は、黒い煙になり空へ吸い込まれていきました。



ムダニクスは、王国中のため息を吸いこんで、
もくもくと形を変えていきます。

紫に光る瞳、
王冠をいただいた巨大な影。

『どうせ疲れるだけヘト……』


「むう……
人々のため息を力に変えている……!」


『休んでも無駄ヘト……』


ムダニクスの声を聞いた人々は、
ますます肩を落としていきます。



タカーズが動き出そうとした、その時。

「待ってください」

うめこさんの声が、静かに響きました。

「これは、ただ倒せばいいものではありません」


うめこさんは、黒い影を見つめたまま言います。

「ムダニクスは、疲れの声を利用しているだけです」


まきマネは、言葉を失いました。

「つまり……戦っても、意味がないってこと?」


「戦うだけでは、解決しないということです。
ただ切り払っても、きっとまた同じことが起きます」


うめこさんは、一歩前へ出ました。
その姿はやさしく、けれどまっすぐでした。


「大丈夫。まだ、間に合います」


そして、王国の人々へ向き直ります。

「まずは、ちゃんと気づくところから始めましょう」


みーちゃんPが、ゆっくりと双眼鏡を下ろしました。


「見つけた」

「え?何を?」

まきマネが聞き返すと、
みーちゃんPは、まっすぐうめこさんを見つめて言いました。

「病気になる前の小さなサインに気づく目。
大丈夫と言っている人の、
本当の疲れを見抜く力。
倒れる前に、そっと手を差し伸べられる人」


うめこさんは、驚いたように目を丸くしました。

「私が……?」



みーちゃんPは、やさしくうなずきます。

「うめこさんの才能、見つけたよ」



黒い影は、まだ王国の空を覆っています。

けれど、その下で、
小さな光がたしかに輝き始めていました。


まきマネは、すぐにノートを開きました。

📝看護師うめこ。
倒れる前の小さなサインに気づいてくれる人。
タカーズの仲間


「記録完了!」


✨第3話②へつづく✨



📋️まきマネの覚書

  3話①:2,373字
 現在の物語:7,304字
 目標:15,000以上
残り:7,696字

 ……半分、書けた〜🙌

創作大賞 エンタメ原作部門
〆切まであと⏰ 26日

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第3話登場人物

看護師うめこ

うめこは、ミートリア王国に住む癒し手。

看護師としての経験を持ち、人々の顔色、声、歩き方、ため息、食欲の変化から、小さな不調に気づくことができる。

肉が封印されてから、王国の人々は少しずつ疲れ、笑う力も、食べる力も、休む力も失っていた。けれど、うめこはその変化を見逃さない。

「これは、未病です。まだ間に合います」戦うためではなく、倒れる前に気づくために。

うめこは、タカーズとともにミートリア王国の人々を癒していく。

元看護師うめこさん、ありがとう❣️
うふふ❣️



SPECIAL THANKS
キャラクター案 mochiちゃん

もちちゃん、ありがとう💓



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【お詫び】

この記事は、諸事情により
急遽、記事を作り直し、再投稿いたしました。

コメントをくれてたさとりさん、
ごめんね。
いつもマガジン追加ありがとう🥹!!

わたしもまだ終わりたくない‼️

スキしてくれた
K.Kazuyaさん、ぽんたままさん
いつも読んでくれてありがとうございます☺️✨

以後、ミスのないように気をつけます🥹

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