異世界ミートリア 【第2話】② タカーズ、初任務!最後の肉を分けろ!後編
【前回のあらすじ】
肉神モツによって創られた国、異世界ミートリア。魔王ムダニクスによって王国中の肉が封印され、人々の笑顔は失われてしまった。
肉と笑顔を取り戻すため立ち上がったのは、救国パーティー《タカーズ》。
肉賢者ヒロパンダ、パンツの妖精と生きるたかっち社長、才能を見つけるみーちゃんP、記録係のまきマネ。自由すぎる4人の冒険が始まった。
初任務はワケアイ村へ。
村では最後の肉をめぐって争いが起きていた。肉の正体が「牛すじ」だと見抜いたヒロパンダ。
「奪い合う肉ではない。みんなで育てる肉だ!」しかし争いは止まらず——
その時、たかっち社長の肩のパンツの妖精が、黄金色に輝き始めた。
▶︎ 【第2話】①はこちら

【第2話】②
タカーズ、初任務!最後の肉を分けろ!

次の瞬間。
たかっち社長は、パンツ一枚になっていました。

「えええええ!? なんで脱いだの!?」
まきマネは、
思わずノートを落としそうになります。
突然の出来事に、村人たちも争いを忘れたように目を丸くしました。
どこからともなく大鍋が現れ、
たかっち社長は、その前へどっしりと立ちます。
「パンイチクッキング、開始だ」

「この牛すじを、村中で食べられる料理にする」
「でも、肉はそれひとつしかないんだぞ!」
村人のひとりが言いました。
するとヒロパンダが、
腕を組んでうなずきました。

「牛すじは、焦って食べる肉ではない。
じっくり煮込むことで、うまみが広がるのだ!」
「つまり、
今すぐ奪い合う必要はないってことよね!?」
けれど、肉だけでは村人全員には足りません。
その時、みーちゃんPが高台へ登り、双眼鏡をのぞきました。

「見つけた!」
「この村に眠っている才能だよ!」
みーちゃんPが指さした先には、
大根作りが得意な村人。
別の家には、少しだけ残った調味料。
森のそばには、香りのよい薬草を知っている村人。
「最後の肉だけを見るんじゃない。
みんなが持っている力を合わせれば、村中を笑顔にできる!」
その言葉を聞いたもんやーみは、ゆっくりと村人たちの前へ出ました。

「みなさん、お願いします。
持っているものを、ほんの少しずつ分けてください」
村人たちは、まだ迷っています。
もんやーみは、
ひとりひとりの顔を見ながら続けました。
「最後の肉を誰かひとりのものにするんじゃなくて、みんなで食べられる料理にしませんか?」
しばらく沈黙が流れます。
やがて、
ひとりの村人が立派な大根を差し出しました。

「うちの畑の大根なら、使ってくれ」
「薬草もあるよ!」
「塩なら、ほんの少し残ってる!」
ひとつ声が上がるたび、
村の空気が少しずつやわらかくなっていきます。
その瞬間――。
「クワァァァッ!!」
相棒のダチョウが、待ってましたとばかりに走り出しました。
畑へダダダダダッ!
森へドドドドドッ!
家々の間をバタバタバタッ!

背中に大根を積み、くちばしに薬草をくわえ、両脇の袋には調味料。
村中をものすごい速さで駆け回り、
集まった材料を次々と大鍋の前へ運んできます。
「はやっ!」
村人たちから、思わず笑い声が上がりました。
さっきまで争っていた広場は、
いつの間にかドタバタの料理会場へ変わっていました。
たかっち社長は、
牛すじを丁寧に下茹でし、アクを取ります。

ヒロパンダは、
その横で真剣にうなずきました。
「いいぞ、たかっちくん。
牛すじは焦らず煮込むのが大切だ。
人も肉も同じ。
やわらかくなるには、時間が必要なのだ!」
「ヒロさん、肉の話をしながら、ちゃんと大事なこと言ってる……!」
まきマネは、感心しながらノートを書きます。
「大根三十本、薬草七束、調味料いろいろ、走り回るダチョウ、パンイチ料理人ひとり……」
そして、首をかしげました。
「ダチョウとパンイチ、材料の欄でいいのかしら?」
「まぁいっか!」
ダチョウが「クワッ!」と鳴きます。

やがて、大鍋から温かな香りが広がりました。
最後の肉は、
村中で分けられる牛すじ煮込みへと姿を変えたのです。
村人たちが手を合わせます。
「いただきます」
その瞬間。
村にあった黒い煙が、音を立てて砕けました。
モツの紋章が現れ、黄金色に輝き始めます。

「封印が解けた!」
「肉神モツの加護だ!」
村人たちの顔に、笑顔が戻っていきました。
ヒロパンダは、満足そうにうなずきます。
「肉は、奪い合うより分け合う方がうまい!」
みーちゃんPは、もんやーみと相棒のダチョウへ双眼鏡を向けました。
「見つけた!」
「今度は何を見つけたの?」
まきマネが聞くと、みーちゃんPは笑います。
「みんなの声を聞き、バラバラだった力をつなぐ才能。
もんやーみは、タカーズの大切な仲間だよ!」
もんやーみは、驚いたように目を丸くしました。
相棒のダチョウが「クワッ!」と鳴いて、
うれしそうに羽を広げました。
「なるほど! もんやーみは、みんなをつなぐ人だったんだね!」
まきマネは、すぐにノートを開きます。

📋️もんやーみと相棒のダチョウ。
困った時に駆けつけてくれる人。
タカーズの仲間
「記録完了!」
こうしてタカーズは、
初任務を終え、新しい仲間と出会いました。
けれどその頃、遠くの空では――。
巨大な影が、ゆっくりとミートリア王国へ近づいていたのです。
✨つづく✨
📝 まきマネの覚書
2話後編 1,757字
現在の物語:3,717字
目標:15,000字以上
残り:11,283字
……巨大な影って何!?(私も知らない)
〆切まであと⏰ 29日!
YouTubeはこちら
第2話 後編紹介映像
note本編物語より、一足お先に公開してます😚
SPECIAL THANKS
牛すじ煮込みの作り方
SPECIAL THANKS
大根をくれた村人
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