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【ディズニー考察】リメンバー・ミー②:虚栄心がフライ・ハイ!デラクルス

リメンバー・ミー考察第2弾です!
第1弾は「なぜリメンバー・ミーを日本語に訳さなかったのか」ということについて詳しく書きました。

第2弾ではこの作品のヴィラン・エルネスト・デラクルスについて書いていこうと思います。


こいつです。
なんか胡散臭いですよね。

デラクルスの正直な第一印象


初めてデラクルスを見たとき、

率直に気持ち悪いな

と思いました。

『アラジン』のジャファーに対して抱いた感情と一緒です。
私の中でジャファーはジャスミンと結婚することに執念を燃やすおっさんなので。

ジャファーと似た嫌悪感を抱きました。
しかし物語が進んでいくうちに、別の感情を抱きました。

とても不気味で底知れぬ怖さを感じました。

なぜ不気味なのかを考察してみます。

不気味さその1:ヤツは嘘を一切ついていない

デラクルスの言動に注目してみるとあることに気づきました。

デラクルスは嘘はついていないのです。

嘘はついていないけど、本当のことは言っていない。
陰湿な大人ですね。

事実をそれぞれ自分の都合のいいように切り取っているだけです。

例えば「チャンスを掴んだ」というセリフ
普通の人なら音楽プロデューサーに出会って一生懸命売り込んだ、とか
路上ライブを続けていたらジワジワ人気が出たとか思い浮かびます。

しかしヤツは一味違います。

「チャンスを掴んだ(本当の作者殺したけど)」

ヘクターが故郷に帰ると言ったとき本当にチャンスだと思ったんですね。
とんでもない奴だ。

「事実を自分の都合のいいように編集する」

これは現実社会でもマスメディアによって行われることもあります。
インターネットの世界でもありますね。

まさしく


Twitter時代によく流れていました

↑ これです。
極限までやるとデラクルスになるのですね。

嘘はついていない、でも本当のことも言っていない
自分が見せたいように本当のことを“編集している”

このことのどこが質が悪いかというと、
「嘘をついていない」点です。

なので
「我々は起こった出来事に対してこう“解釈”しただけだ」
という弁明が通用してしまいます。

そうすると悪意があったのか、なかったのか判別がつきません。
明確な嘘もついていないので、糾弾できません。

つまりデラクルスは
「反論できない悪」を成立させる人間なのです。

デラクルスは人殺しという弁明のしようがない悪いことをしましたが…
彼は本当にチャンスを掴む行動をしただけと思っていそうです。

自分の過去をあたかも「苦労を重ねた上にチャンスを逃さなかった」人間と信じ込ませ、嘘はつかないで世間を騙しました。

その結果デラクルスは苦労してチャンスを掴んだ人という思い込みが事実に変わってしまいました。

さらに自分が親友にやったことを映画?テレビドラマ?で再現して
自分は毒だと見抜けた、という風にしているのです。
さいっこうに気持ち悪いです。

不気味さその2:具体的な話は一切しない

デラクルスの不気味さの正体として
彼には具体的なことは一切話さないことが挙げられます。

それがよくわかるのがミゲルが大切にしていたデラクルの録画集です。


空なんか飛んじゃって。
虚栄心がフライ・ハイしたのでしょうか。

映画?ドラマ?内での彼のセリフ、インタビュー映像を見てみると
デラクルスは抽象的なことしか言っていません。

例えば
「耳を傾けます、音楽になら!」→ 根拠は…?
「チャンスを掴むんだ」→ どんなチャンスに対してどんな行動をしたの…?

生前のデラクルスの具体的な行動について
メディア情報では一切分かりません。

例えるならば、

1 + 1 = 2という話を聞きたいのに対して、
ヤツは永遠と
n + n = 2n という話をしているのです。

こういう風にしか話せない人って現実にもいますよね。

私もかつてはそうでした。

待ち受けている未来は…


就活全敗

です。

デラクルス、アイツはその時の私と同じ匂いがします。
断言します。

アイツが現実世界にいたら
ぜっっったいに、1000% 就活に失敗します。

そういうヤツに限って
自分はいいことを言っている、名言メーカーだと勘違いしているのですね。

もしかしたら私はデラクルスが昔の自分と重なって見える部分があるため、ヤツのことを嫌っているのかもしれません。

過去の私よ…成仏してくれ…

とことん現実にいそうで不気味です。

不気味さその3:他の登場人物も似たことをやっている

ここでこれまで深堀りしたデラクルスの不気味さの正体を振り返ってみて気づいたのです。

ヤツの悪行「都合よく編集する」ですが、

ヘクター以外の人間は全員それを行っているのです

ヴィランの悪行を他の善良な登場人物もやっているなんて、
今までありました…?
今までなかったはずです。

詳しく書いていきます。

ママ・イメルダ

ヘクターの奥さんです。

彼女は
音楽は呪いだとして一族の歴史からヘクターを”消去”しました

ミゲルの家族

ミゲルの家族はおばあちゃんのインパクトが強かったですね…

ミゲルの家族は何をしたかというと

ミゲルを靴職人デビューさせて、
ミゲルの音楽への情熱をミゲルの人生から”消去”しようとしました

冒頭なのですが、家族みんなで音楽をやめさせようと画策していましたね。正直ミゲルがかわいそうでした。まだ10代前半なのに…

ミゲル

先ほどかわいそうと述べたミゲルですが、彼も都合よく編集しています。

写真のギターだけで自分の先祖はデラクルスだと先祖を編集し、
ギターを盗んだのです!

信念に基づいて犯罪を犯すなんてデラクルスそのものじゃないですか!?
程度はかなり差がありますが…

絶対善であるはずの主人公ですらヴィランと同じ悪事を働いているなんて…
こんな作品は初めてです!

事実の編集を一切しなかった人物

ここまでデラクルスの悪事を
主要登場人物のほとんどがやっていることを説明しました。

ですがこの作品には唯一、
自分に都合の良い編集をしなかった人物がいます。

それがヘクターです。

ヘクターはどれだけ自分がカッコ悪くても、
事実を自分の都合の良いように編集しませんでした。

それがよく表れているのが自身の死因の話のときです。

デラクルスのステージスタッフに
「チョリソー詰まらせて死んだ(笑)」
と馬鹿にされていました。

それに対してヘクターは
「チョリソーが当たっただけだ」
と返しています。

どちらも不格好な死に方ですよね。
事実をまっすぐ受け入れる人間性が見えます。

だからでしょうか。
ママ・イメルダ、ミゲルの家族、ミゲル自身それぞれの当初の望みは叶いませんでした。
しかしヘクターの望みは最後の最後で叶ったのです。

どんでん返しでなあなあになった当初の望みは
正直者(ヘクター)だけが叶えることが出来ました。

デラクルスの悪さは誰でも何気なくやっているよ、ということを教えられているようです。
この事実に気づいたときに背筋が凍りました…

終わりに

リメンバー・ミー考察第2弾いかがだったでしょうか…?
今回はデラクルスの不気味な感じの正体を深堀りしてみました。
デラクルスはヴィランの中でも現代社会にいそうなヴィランでしたね。

その中でずっと編集をしなかったヘクターの人間性が目立ちます。
本当に報われてよかった…

しかしデラクルスの悪さは現実世界の私たちも気づかずやっています。
ヤツはそれが極端だっただけです。

具体的な話は一切せず抽象的な話をしない、虚栄心のカタマリのような人も現実世界に結構います。

都合よく編集することは多分すべてのメディアがやっていると思います。
私たち一人ひとりが何気なくやっていることですから。

デラクルスは全てをライブカメラで撮られてしまい、
観客のひんしゅくを買っていました。
もしかしたら、メディアの編集に気づいた人びとの冷めた視線を表現したかったのかもしれません。

物語の冒頭でデラクルスの解説をしていた人は
エピローグでは何食わぬ顔でヘクターを紹介していましたね。
「メディアなんてこんなものだ」
という半ば呆れのような感情を表現したかったのかもしれません。

次回、リメンバー・ミー考察最終回になります!!

テーマは「どうして生者の国に渡るためには写真が必要なのか」について書いていこうと思います!!

次回も読んでくださるととても嬉しいです。
ここまで読んでくれてありがとうございました♪





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