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今夜カクヨムにて

『左手の薬指』は、
四つの読み方ができる小説です。

最初から読むと、妻・暁美の話になります。
最後から読むと、夫・サトシの話になります。
真ん中から前へ戻ると、直斗という男の冷たい裏側が見えます。
真ん中から後ろへ進むと、同じ直斗の、
答えの出ない熱が見えます。

仕掛けのための仕掛けを、
作りたかったわけじゃありません。

同じ人間が、
見る角度によって、
まったく違う人間に見える。

同じ言葉が、
読む方向によって、
まったく違う意味になる。

それは、小説の話じゃなくて、
人間の話だと思っています。

誰かのことを、
本当に知っている人間は、
どこにもいない。

知っているのは、
四回読んだ、あなただけです。

知って、誰かを責められましたか。

責められなかったなら、
それが答えです。

今夜カクヨムにて
21時25分 一晩完結物語を。
https://kakuyomu.jp/users/ASAKInozomi

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