創作大賞への懺悔
創作大賞の応募締め切りの日から、10日が経った。
私はこの10日間、いや6月後半くらいから、懺悔の気持ちが募っている。
というのも、この年に1度の祭りがこんなにも真剣で、崇高な取り組みであるということをあんまりわかっていなかったからだ。
このアカウントを立ち上げた時期は、創作大賞への応募期間が始まってひと月は経ったころだった。
せっかく立ち上げたアカウント、毎回でも拝読したい素敵なクリエイターさんに出会いたいな。と、上手な探し方もわからずに徘徊し続けていたなかで、「創作大賞」という言葉が度々目に飛び込んでくるようになった。
ああ、なんか聞いたことはあるぞ。くらいの気持ちで特設ページへ飛んで、内容をざっと流し読む。
なんかいっぱい協賛会社があるんだ、凄いな~。エッセイ部門というのもあるんだ。出してみよーっと。
ほんとにそれくらいの気持ちで出品していた。だから、厚みのない作品も含め複数出品してしまっている。白状すると、エッセイ部門のタグをつけておけば、エッセイを好む人、書いている人に出会いやすいんじゃないかくらいの気持ちだったのだ。
ところが実際の創作大賞の熱気ときたら。少しずつnote内で知り合いが増えていくにつれて、皆がいかに真剣にこの大会へ打ち込んでいるのかが、ようやくわかってきた。
毎日あんなに面白い文章書いてるじゃん!と思っているような方が、今年の創作大賞に出す作品がなかなか書けない、と思い悩んでいる。締め切りが迫ってきていることに焦っている方もいる。
よくよく見てみると、予想をはるかに上回った自分との戦いを繰り広げているクリエイターで溢れかえっていた。
そうしてようやく気が付いた。創作大賞というのは「お祭りやってんじゃーん!私も顔だそ!」くらいのテンションで出品するものではないのである。これは夏のインターハイなのだ。
なんだか、皆が使い込んだロードバイクのハンドルを握りしめて箱根の山を見据えているところに、ママチャリを押しながら「どうもどうも」なんて紛れ込んだくらいの場違い感を感じた。
高校最後の文化祭に燃える先輩たちの気持ちも知らず、のんきにわいわいしている1年生のような気持ちといってもいい。
私はnoteの中でさえ世間知らずを発揮していたのかもしれない。
結局、今年の創作大賞には何作品の応募があったのかも知らないし、締め切りも公式からのアナウンスがあるまで認識していなかった。
過去の受賞作を読んで学びに行くこともしていなかったし、「やる気あんのか!」と言われても仕方がないくらいのつまみ食い参加だったのだ。
何作品か応募した身として、そして文字を綴る者として、ひとつひとつのエッセイを適当に生み出すようなことは決してしていない。けれど、それでも恥じた。自分の軽薄さや無知さを、ことごとく恥じた。
そのことに気がついてから、創作大賞のハッシュタグを気軽に使うことをやめた。そのハッシュタグは、今の私にはあまりにも重いもののように感じたから。
しかし同時に、新しい気持ちも芽生えてきた。
「私だって本気で挑戦してみたい」
良い文章を綴るというのは、簡単な話ではない。
どんなに世界が驚くような経験をしていようとも、全米が涙する体験談を抱えていようとも、どのように綴るかひとつで陳腐な自慢話にだってなりうる。
逆に、どんなに些細な日常だろうと、ありふれた風景の一コマだろうと、ペンを持つ人が変われば、誰かにとって人生の希望にだってなりうるのだ。
私が文字を綴っているのは、そうやって誰かの生活に、小さくとも灯をかかげられるような人間になりたかったからではないのか。それなのに、今の私ときたら。もうこれは懺悔、懺悔の大懺悔である。
だから、来年の創作大賞では、きっと渾身の1作を出品しよう。日々中間選考の結果が気になって仕方がないくらい、真剣に向きあってみよう。ひとりでも多くの人に、笑顔になってもらえる世界を綴ろう。
次に創作大賞2027のハッシュタグを使うときは、もうママチャリではない。私もボロボロになるまで使い込んだロードバイクで、文学の山を駆け上るのだ。みんなが見上げるあの頂をめざして。
1番じゃなくていい。最後尾だっていい。泣きたくなるくらいつらい坂道が延々と続くかもしれない。なんども下を向くかもしれない。もう足をついてしまいたいという気持ちで頭がいっぱいになるかもしれない。
それでも漕いで、漕いで。ふと視界がひらけた頂の青空は、きっと何物にも代えがたいほどに美しい。
そう信じて、私もペダルを漕いでみたくなったのだ。
〈追記〉
大変有難いことに、多くの方からコメントをいただき返信しきることが難しくなってまいりました。
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