胸郭のアライメント改善と動き改善の前にすること
【はじめに】
あるくん歩行体操教室、姿勢トレーナーの東 史(アズマ フミ)と申します。
大阪府枚方市の体操教室では、ミドル世代シニア世代の姿勢矯正と歩き方矯正トレーニングを行っています。
この記事は、教室で猫背や円背姿勢の高齢者の胸郭スペースを広げるために、動きとアライメントの改善を図る時に、まず一番に考えることと、その理由について書いています。
【円背姿勢の胸郭改善の前にすること】
私の教室では、胸郭スペースを改善するのに、まず下半身のことを考えます。脚関節の次の4点を確認して、トレーニングを始めます。
足に外反母趾や浮指の状態が発生していないかのチェック
膝周りの、腱の状態を硬くなって塊になっていないか、モコモコしたコブになっていないかのチェック
姿勢が股関節に覆いかぶさる状態になっていないかのチェック
お尻とお尻の下の腿裏部分の痩せ方のチェック
上の4つの状態をチェックして、姿勢改善を進めるうえで課題となることをご本人にお伝えしています。
トレーニング方法は、下の記事で紹介しています。
【円背姿勢の胸郭改善前に下半身を作る理由】
円背姿勢の胸郭改善の前に、膝関節や股関節を伸ばした状態で自重を支える下半身になるように準備を始めます。
背骨と胸郭を解していくのと、同時進行で下半身の筋力強化を急ぐ理由は次の通りです。

上図は、理想の姿勢と円背の進行度合いの違う円背A(軽度)と円背B(重度)の状態です。
理想の姿勢には、理想的なアライメントの胸郭が乗っています。しかし、円背が進むと下半身は膝が屈曲しているのが通常です。
円背になった背中は硬くなって、胸郭アライメントが崩れるのと同時に、胸部の筋活動が少なくなっていきます。
胸筋は自然に落ちていき、心肺機能や嚥下力も下がってくることが考えられます。そこで、胸郭改善を図りたいと考え、円背Aと円背Bの下半身に、そのまま理想の胸郭が乗ることを考えてみてください。

立位の状態でも、上半身が起きると、後ろに倒れてしまいやすく転倒リスクが上がります。実際には、不安感から起こすことが出来なくなるはずですし、不意に起こした瞬間に転倒しそうになることが予想できて危険です。
結局、上半身を前傾させないと不安で動けないことになります。胸郭のアライメントを改善しても、維持が難しく無意味になってしまいます。
更に、円背Aと円背Bの下半身に、理想的な胸郭のアライメントで、膝屈曲した脚のままで生活することを考えると、伸びた上半身の先に頭があって、時間経過で痛みが起こる場所がいろいろ考えられることと、痛みの大きさも元の状態より強くなると予想(テコの原理で負荷が大きい)できます。

体の自然な反応として、やっぱり丸い背中が都合が良いので、元の丸い状態に戻るしかなくなってしまいます。
円背姿勢改善を考える時に、初めから転倒不安を減らせるように、痛みが起こる可能性を減らせるように、後々、姿勢の維持継続しやすいことを考えると、下半身をまず理想に近付くようにトレーニングを開始することが、円背姿勢における胸郭改善の最優先事項になります。
【おわりに】
胸郭のアライメント改善と動きの改善は、安定した下半身作りがあってこそ成立します。いくら改善に努めても、「効果が出ない時」「効果が出てもすぐ維持できなくなる時」は、それなりの理由があります。
急がば回れで、人の骨格も土台となる下半身が無ければ、立派な上半身(胸郭)は乗せることが出来ません。
胸郭スペースは人間が生きていくための、呼吸器を守っている場所です。体中に十分な酸素を行きわたらせることのできる力は、一見関係がないと思える下半身の安定から考えることが必要です。
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