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不登校の娘が、一冊の本を読んで見せた晴れやかな顔

娘が「そっか、学校に行けばいいんだ」と言った。
その顔が、あまりにも晴れやかだった。

不登校だった娘が、来週から学校に行けそうなところまで来ている。

もちらん、まだ何もかもが解決したわけではない。
明日から急に元気に通える、というような単純な話でもない。
それでも、少し前までとは違う空気が、娘の中に生まれてきているのを感じている。

そんなタイミングで、私と娘は
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』
を読んだ。

この本は、人はどれだけ自分を正当化しながら相手を見ているか、
そしてその見方が人間関係や苦しさをどう作っていくのかをを描いた本だと思う。
相手を「問題のある誰か」として見るのではなく、ひとりの人として見ること。
自分が正しい、自分は悪くない、という箱の中に入ったままだと、
世界の見え方そのものが歪んでいくこと。
そんなことが、とてもわかりやすく書かれていた。

でも私がこの本を読んでいちばん強く感じたのは、
「自分を裏切ると箱に入る」
ということだった。

本当はやさしくしたいのに、しない。
本当は心配しているのに、平気なふりをする。
本当は苦しいのに、違う顔をしてごまかす。
本当は進みたいのに、どうせ無理だと先にあきらめてしまう。

そうやって、自分の中に最初に湧いた小さな気持ちを見ないふりしたとき、
人は少しずつ箱の中に入っていくのかもしれない。
相手を責めたり、自分を正当化したりする前に、
もうそこで自分自身への裏切りが始まっているのだと思った。

私はやっぱり「素直に生きること」がなにより
シンプルでいいと思っている。
難しい理屈よりも、
自分の中にほんとうは何があるのかを見失わずにいること。
苦しいなら苦しい。
怖いなら怖い。
でも、その気持ちをなかったことにしないこと。
それが、いちばん自分を裏切らない生き方なのだと思う。

娘の中でも、きっといろいろなことが起きていたのだと思う。
行きたいのに行けない。
このままではいたくないのに、動けない。
そんな揺れの中で、自分を責めてしまうこともあっただろうし、
自分の気持ちがわからなくなることもあったと思う。

でも今の娘は、完全に沈みきっている感じではない。
少しずつ浮上してきていて、
あと一歩のきっかけがあれば進めそうなところまで来ている。
だからこそ、この本の言葉も届いたのかもしれない。

娘はこの本を読みながら、ただ物語を追っていたのではなく、
自分の中にあるものと重ねるようにして読んでいたように見えた。

最初はよくわからないまま読み進めていたらしいけれど、
途中から一気に引き込まれたという。

読み終えたあとに見せたあの晴れやかな顔は、
ただ「おもしろかった」というだけではなく、
娘の内側で何かがつながったことを教えてくれるようだった。

そのあと娘と話してみたけど、
本当に良い時間だった。

娘は誰かに説得されたのではなく、
自分の言葉で自分をほどいていった。

「私はどう自分を裏切っていたのかな」

そんなふうに、
自分の内側に自分で問いを向けていたのが印象的だった。

たぶん娘の中では、
行かなきゃと思っている自分。
でも行けない自分。
だから行かないことを正当化する自分。
その3つが複雑に絡まっていたのだと思う。

でも、本当はどうしたいのかという気持ちに触れたとき、
娘は「そっか…行けばいいんだ」と、
とてもシンプルなところへ戻っていった。

難しくこんがらがっていたものが、
本音に戻った途端にほどけていくような、
そんな鮮やかな瞬間だった。

さらに娘は、
「箱の中にいたから、みんなのことをゆがんで見えてたんだね」
と、自分で言った。
ただ、学校に行くか行かないかという話ではなく、
自分の見え方そのものに気づいたのだと思う。
それはきっと、娘の中で起きたとても大きな変化だった。

この記事を書きながらふと
「この本、不登校の人たちに勧めたい?」
と聞いてみると、娘は
「うん、でもタイミングが大事かも」
と答えた。

落ちていく最中に読むと、
自分を責める方向に向かってしまう気がする。
でも、底から少し浮上してきて、
あと一歩の勇気やきっかけがほしい段階なら、
この本は力になると思う。

そんなふうに話してくれた。

私はその言葉を聞いて、娘はもうただ苦しんでいるだけではなく、
自分の状態を自分で見つめられるところまでは来ているのだと感じた。

本を読んだから急に学校に行けるようになる、
という単純な話ではない。
けれど、自分の見え方が少し変わること、
自分の気持ちに少しだけ正直になれることは、
人の背中をそっと押すのだと思う。

来週、本当に学校に行けるかどうかはまだわからない。
それでも娘の中では、何かが動き始めている。
そして私はその姿を見ながら、
人は自分を責め続けるよりも、
自分のほんとうの気持ちに少しずつ触れられたときに、
前へ勧めるのかもしれないと思っている。

『自分の小さな「箱」から脱出する方法』は、
相手との関係を見直す本でもあるけれど、同時に、
自分を裏切らずに生きることを思い出させてくれる本でもあった。

今回読んだのは、
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』という本。
リンクを置いておこうと思います。


Aru.


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